5月3日 曇りのち晴れ
沼田から尾瀬へ
関東地方は朝から本降りの雨。傘をさして駅に向かう。始発列車で出かけ朝一番の上越新幹線に乗るが、4連休の初日とあって、東京駅の新幹線きっぷ売り場は大行列で、なかなかきっぷが買えずヤキモキする。発車時刻ぎりぎりに乗り込んだ「とき」の自由席も、帰省客やら行楽客やらで大混雑でもちろん座れない。でもまあ乗車時間が高崎までのわずか1時間程度なのが救いだ。高崎での乗り換え時間におにぎりを買って各駅停車の中でほおばり朝食とする。沼田着は8時ちょっと前。沼田は雨が早いうちに止んでいたらしく、道路も乾き始めていた。ここからバスに乗り2時間弱で登山口の大清水へ。バスは全員が2人席にひとりずつ座れる程度の混雑具合だった。登山客はピッケルを持った人ばかり。我々もさすがに6本爪アイゼンは持ってきているが、果たしてそれで大丈夫かとチト不安がよぎる。
途中戸倉のあたりでにわか雨が降ってきたが、なんと大清水に着いたときには強烈な日差しが照りつけるほどに。なんだか変わりやすい天気なのがまた心配だ。
10:11 大清水発(高度計:1245m, 温度計:21.5℃)

大清水を出発してすぐのあたりはキクザキイチゲが林道脇の目立たないところにわんさか咲いていた。30分ほども歩くと雪がちらほらと登場してきた。
11:00 一ノ瀬着(1460m, 19.8℃)
一ノ瀬は例によって橋の上を残して雪に埋もれていた。他の人たち同様、橋の端っこに座って休憩をとり、スパッツをつけなおしたり、ストックにスノーバスケットを装着したりして、このあとの雪道歩きに備える。空はいつの間にか曇っていた。雨が降らなければよいのだけれど。11:10 一ノ瀬発(1470m, 22.4℃)


そういえば雪道を歩くのは久しぶりだ。足がもぐる感覚がしっくりこなくてスピードが出ない。一ノ瀬までの林道歩きで、かなりの人たちを抜いてきた我々だったが、この雪道で、その全ての人たちに抜き返された。みんな雪歩きが上手い。
11:44 林道出合(1615m, 18.3℃)
しばらく斜上していくと林道との出合に到着。そのすぐ手前には岩清水が露出していた。水はまだたくさんあるのでここはパスする。ここからは、5年まえ担いだスキーが木に引っかかり難渋した急斜面だ。踏み抜きや滑落の恐怖もあって、もう泣きたくなったのを覚えている。しかし今回は雪面だけに集中すればいい。15分もすると斜面を登りきって稜線の突端に躍り出た。
12:28 三平峠(1765m, 14.5℃)


稜線を歩き始めると燧ヶ岳が見えるようになるがそれも最初のうちだけで、あとは単調な森の中の歩き。いい加減飽きてきたころにようやく峠に着いた。
12:52 三平下(1670m, 14.8℃)


沼のほとりに降り立つと、燧ヶ岳の全貌が見えた。沼は氷結してはいるが上を渡るのは厳しそうな雰囲気だった。
小屋のある東岸まではもう少しなのでここで山をゆっくり眺めてから行くことにした。雲は多いが上々の天気だ。まあなんにせよ、降られなくてよかった。
13:22 尾瀬沼東岸着(1680m, 16.1℃)
燧を眺めながら沼畔をたらたらと歩いて東岸着。長蔵小屋は混んでそうな雰囲気だったので、この日営業を開始したばかりの尾瀬沼ヒュッテに泊まることにした。こちらはがら空きで、ラッキーなことに部屋は個室で使えるという。部屋にタオルと歯ブラシが供されたあたりは普通の旅館ぽいと思った。早速登山道についての情報収集。小屋番氏の言うには、雪が緩んでいるのでアイゼンは要らないのではないか、ミノブチ岳近くの急斜面が凍っていれば必要になるかもしれないが、早朝でなければ緩んでいるだろうということだった。また、コースには木に赤テープ・ペンキがあるので、それにしたがって行けばまず迷うことはないという話だった。
散歩

沼畔は人もほとんどいなくて静かだった。岸から雪が融け始めていて、一部では気の早いミズバショウとリュウキンカが咲いていた。予想外だったのでなんだか嬉しい気分になった。写真を撮ったりして1時間あまり過ごした。
夕景

