11月22日 快晴
高尾発小仏行きバスの始発は土曜は7:12。ステップの低い小さめの車だったが行列の全員が乗ることができた。20分ほどで小仏に到着。小仏のバス停にはなんにもなかった。待合用のベンチもふたりが座れる程度のもので、雨よけなんかない。谷間のバス停で、日差しもない。水道もない、自販機もない。寒さに震えながら、テルモスに入れてきた温かいミルクティーでサンドウィッチを食す。
良いところがまったくないかというとそうでもなくて、救いはトイレだった。工事現場にあるような簡易トイレがひとつぽつんとあるだけだったが、ペーパーがちゃんと置いてあったり花が飾ってあったりして、よく手入れされているなあという印象だった。臭いはどうしようもなかったけど、出発点のトイレがきれいだとほのかに嬉しい。
7:46 小仏バス停発(高度計:215m, 温度計:14.7℃)


10分もすると道はぐいっとカーブして、ちょうどS字に曲がったところで分岐が現れた。舗装路は小仏峠へと続き、景信山へ直登する道は右手の林の中へ入っていく。
丹沢や中央線沿線の低山は土の道のイメージがあったのだが、ここは岩がちな道だった。したがって堅めの道なのだが、それでもかなりえぐれているところを見るとやはり登山者が相当多いのだろう。そのえぐれを避けたためか踏み跡がやたらと多く、どこを歩いても正解な感じだ。
8:46 景信山登頂(650m, 14.9℃)


分岐から10分くらいで景信山に到着した。山頂は閑散としていた。ここからの関東平野の広がりは素晴らしかった。話好きの茶屋の主がほかの客に説明しているのを聞くともなしに聞いていると、遠くに見えた目を引く山は筑波山だった。するとその手前のビル群はさいたま新都心か。東京都心あたりはビルが林立していた。横浜のランドマークタワーははっきりそれと認識できた。
写真をとったりチョコレートを食べたりしてのんびり過ごした。
9:12 景信山発(675m, 18.6℃)

最低鞍部から少し行くと、道が二手に分かれた。道標はない。いかにもその先で両方が合流しそうな雰囲気だったので、左の巻道を選択した。案の定すぐに合流したが、またまた分かれ道が。やはり道標はない。今度はちょっとぁゃιぃ雰囲気なので、しかたなく右手の登りを選択。しかしやはり先で合流するのだった。するとまたもや分かれ道が。やはり道標はない。やれやれ。
ここを歩くのは初めてなのだが、これでようやく、細かいアップダウンのある稜線を忠実に行く道の左側(神奈川県側)にいちいち巻道がついているのだ、ということに気付いた。それにしても道標がないのは不親切だなどと話していたら、その次からは立派な道標が出現。ちゃんと「←まき道」なんて書いてあった。
10:04 堂所山分岐(640m, 11.4℃)

10:11 明王峠着(670m, 10.8℃)

10:21 明王峠発(680m, 15.8℃)


10:53 陣馬山登頂(790m, 13.9℃)


山頂のベンチは人がいっぱいだった。頂上付近には茶屋がたくさんあるので、その中のひとつ、富士山側にちょっと下ったところにある清水茶屋に入ってけんちん汁を注文した。具沢山でまるでおでんのようだったがおかげで満腹になった。
隣のテーブルについた人がタバコを吸い出したので(周りに50人くらいいる中で、喫煙者はこのひとりだけ・・・)、茶屋を出て山頂付近をうろうろすることにした。有名な山頂の馬の周りは、記念撮影の人でたいへんな人だかりだった。けんちん汁を食べている間に、富士山の近くには雲が出てしまっていた。山の眺めを遮るようなものではないが、それ以前は完璧な青空だったのでこの雲は目立った。富士山のほかには三つ峠や、南アの悪沢や赤石がよく見えた。
人を避けるようにして、紅葉の美しい東側のモミジの下へ移動。みんな眺望を楽しんでいて、この紅葉を楽しもうという人はほとんどいなかった。
12:01 下山開始(810m, 18.6℃)

13:03 栃谷(275m, 19.4℃)

13:48 藤野駅着(180m, 17.9℃)


最後に登りが待ち受けていてうんざりしたが、その直後のトンネルを通過するとすぐに踏切があって、藤野駅に到着。和田方面からのバスがちょうどやってきて踏切で追いつかれたが、バスが駅まで大きく車道を迂回して走っている間に線路沿いの歩道を通って先に駅に到着。ちょっぴりトクした気分になれたのだった。