7月29日 晴れのち曇り

朝食は前日同様、余りご飯を雑炊にして食べた。前日、山頂でカフェオレを飲むまで調子があがらなかったので糖分が不足しているのかと思い、この日は朝から温かいカフェオレをがぶ飲みする。
どうも行動食が欠乏気味なので、予備食として持ってきていたアルファ米を使うことにした。袋の中にお湯を入れて15分待てばごはんができあがる。これを作っておいて、行動中に食べようというわけだ。
5:19 ヒサゴ沼発(高度計:1650m, 温度計:17.7℃)

分岐からは潅木の中を掻き分けるように行くので朝露でびしょびしょになるため、カッパの上着着用で登りはじめる。するとすぐに暑くなってきた。
潅木を抜けると一昨日同様、エゾコザクラがきれいだ。カッパを脱ぎたかったが、道はぬかるみなのでザックを置くことはかなわず、雪渓に着いてようやくカッパを脱いだ。
それにしても素晴らしい天気だ。朝の雪渓を爽快な気分で登ると、昨日が最後かもしれないと思っていたトムラウシの姿を見ることができた。こうなると化雲平からの眺めが楽しみだ。
6:43 化雲岳東の分岐(1850m, 24.9℃)


分岐近くの木道の待避線にザックを置いて、撮影会と相成った。
7:01 化雲平発(1850m, 25.2℃)


ヒサゴに泊まっていた人たちの多くはトムラウシ方面へ行ったため、あたりには我々のほかには3人パーティがいただけで、とても静かだった。
7:48 五色岳(1860m, 30.9℃)

ここで朝作っておいたアルファ米を食べたが、これがなかなかイケた。五目飯だったので、コンビニのおにぎりのような感じだった。
ここからさらに激しいハイマツ林を下る。この道は、明らかに3年前より歩きにくくなっていた。
8:36 忠別小屋分岐(1715m, 33.9℃)

このあとの忠別岳への登りはさらに厳しいハイマツ林だ。下りであれば重力にまかせて枝を押し切っていけるが、登りだとそれができず、自分の力だけでハイマツに抗わなければならない。一番キツいところではハイマツに身体を投げ出すようにしてようやく突破するといった有様だった。ハイマツ林を抜けたときは、わずか200mの標高差とは思えない疲労であった。相棒の薄手のTシャツはあちこちほころびができていた。
この登りで対向数パーティと行き違う。白雲を早出した人たちとちょうど行き違うのがこのあたりなのだ。白雲小屋の混雑状況を聞くと、大したことない、ということだった。
10:06 忠別岳登頂(1925m, 25.2℃)

山頂には先客がいたがすぐに去ってしまい、我々だけになってしまった。東斜面のチングルマは穂が目立つようになっていたが、山頂ではイワブクロがたわわに咲いていた。
10:34 忠別岳発(1920m, 24.4℃)

沼が見えたとき、反対側の斜面が白く染まっているのが見えた。どうやら凄い花畑になっているようだ。
11:09 忠別沼(1750m, 23.9℃)


沼の周囲はチングルマ・エゾコザクラなど。圧巻なのは先ほど白く染まって見えた北側の斜面だった。メインはチングルマだが、中にシャクナゲもあったりした。待避線にザックを置いてしばし休憩。
11:34 忠別沼発


この頃から雲が増えてきて、旭・白雲は見えたり隠れたりを繰り返すようになった。
13:36 三笠新道分岐(1760m, 29.4℃)


ちょっとがっかりしたのは高根が原のコマクサが少なかったことだった。平が岳の潅木帯に入る直前と、三笠分岐の南側の2箇所に群落が残っていたが、他は花期が終わってしまったようだ。コマクサが終わった岩礫地ではイワブクロが多く咲いていた。
14:53 白雲岳避難小屋着(1940m, 22.5℃)

雷がゴロゴロ鳴っていて、旭岳の向こう側の空が真っ黒になっていたが、幸いこちらには来なかった。これもあとで聞いた話だが、このとき旭岳のふもとの東川町では時間降水量50mmというとんでもない豪雨に見舞われていたそうだ。畑が池のようになっていたという。そんなのにテント場で遭ったらと思ったらぞっとした。
本日の夕食は岳食シリーズ(またかよ)のきのこスープとクスクス、ひじきのサラダ。クスクスは乾燥臭さが鼻について美味しくなかった。ひじきサラダには残りのキュウリを入れた。この生野菜が疲れた体に染み渡って最高に効いた。
天気予報はあまりよくない。翌日は銀泉台に下りるつもりだったが、登山口の山小屋が閉鎖したのと、バスが夕方までないので今回は見送り。晴れたら旭岳、雨だったら黒岳から層雲峡へ下山ということに決めて、眠りについた。