The Nearness Of You 1940 Carmichael - Washington
"Stardust"と同じ Hoagy Carmichael 作の澄んだ美しいメロディーのバラード。こうしてあらためてリストアップしてみると、あまり一般的ではない編成での演奏が多いのが意外だった。

Norah Jones
Come Away With Me
Norah Jones (vo, p)
言わずと知れた大ヒットアルバムの最後に、このスタンダード・ナンバーが入っている。以前はなんかぱっとしない曲だなあと思っていたが、Norah を聴いて初めて、メロディーの美しさに気付いた次第(恥)。Norah の声とぴったりマッチした旋律が心に沁み入ります。ピアノだけの弾き語りなのがまたグッとくる。日本盤CDはこの曲の後にボーナストラックがついているが、本来この曲が最後なんだと思う。ここでしめてしっとりと余韻を味わいたい。
2002年録音

Roland Kirk
Third Dimension
Roland Kirk (ts, manzello), James Madison (p), Carl Pruitt (b), Henry Duncan (ds)
ライナーによると、この曲では Kirk はマンゼロとかいう楽器(ソプラノサックスみたいに聞こえる)とテナーで演奏している。まず、もわもわのテナーにマンゼロが絡み、2コーラス目では逆になる。多重録音のせいか音が悪く、おかげでメロディーもわかりにくい。そのためあまり聴く気になれない1枚。
1956.11.9録音

Gerry Mulligan
Pleyel Concerts 54 vol.2
Gerry Mulligan (bs), Bob Brookmeyer (valve-tb), Red Mitchell (b), Frank Isola (ds)
まろやかなバリトンの音色が曲に似合っている。ソロも Mulligan らしいフレーズ満載でいい。Brookmeyer のソロにも引き込まれる。でもライブ会場からは叫び声や咳が聞こえたりして、必ずしも良好な演奏環境ではなかったのかも。
1954.6.5録音

Gerry Mulligan
Gerry Mulligan Quartet
Gerry Mulligan (bs), Chet Baker (tp), Carson Smith (b), Larry Bunker (ds)
もうひとつ Mulligan。こちらは3分弱でメロディーを繰り返すだけだが、Chet があまりでしゃばらないのがいい感じ。
1953.4.29-30録音

Bud Shank
Jazz At Cal-Tech
Bud Shank (fl), Bob Cooper (oboe), Claude Williamson (p), Don Prell (b), Chuck Flores (ds)
フルートとオーボエという、ウェストならではの編成。このオーボエはソロだと味わい深くていいんだけど、テーマに絡むのは聴きなれないせいかちょっとヘンテコな感じがする。ピアノソロからラストのテーマにかけてのドラムスがお気に入り。
1956年録音

Stephane Grappelli
Jazz 'Round Midnight
Stephane Grappelli (vin), Diz Disley, Ike Isaacs (g), Isla Eckinger (b)
Grappelli は結構崩して弾くので、メロディーがよくわからない。また、大げさに盛り上げすぎで、もっとしっとり聞かせて欲しいと思う。そこいくと地味目なギターはグッド。
1975年録音

Milt Jackson
Milt Jackson Quartet
Milt Jackson (vib), Horace Silver (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)
出だしの8小節は音が低くドラムスがうるさく感じられるが、その後で音が高くなってからはまったく気にならなくなり、だったら最初からこの高さでいいんじゃないのかとか思いながら、いつの間にか演奏に引き込まれてしまう。いかにも Milt な歌うようなソロにほろりとくる。ピアノが入れ替わっているにもかかわらず、とてもMJQっぽい演奏だと思う。
1955.5.20録音

Branford Marsalis
Trio Jeepy
Branford Marsalis (ts), Milton Hinton (b), Jeff Watts (ds)
10分あまりも楽しめる。がっ。ぐちゃぐちゃに崩れまくり。元のメロディーを知らないと、なにが起こっているのかわからないことでしょう。しかしそれでも引き込まれてしまう、「歌」のようなものがある。ライナーにはWe hear no patterns, no cliches, no unmusical gimmickry... just pure melody.
とあるが、まさにそんな感じ。編成がシンプルな分、録音の良さが際立つ。
1988.1.3-4録音