エリック・ドルフィー第1部 147ページ
死の床にあるダライ・ラマに向かって、エリック・ドルフィーがバス・クラリネットの音色の変化によって、自動車のエンジン・オイルの選択の重要性を説いている方が、あるいは我々の会話よりはいくぶん有益で効果的だったかもしれない。
Eric Dolphy
Outwardbound
Eric Dolphy (as, bcl, fl), Freddie Hubbard (tp), Jackie Byard (p), George Tucker (b), Roy Haynes (ds)
Dolphy のものでお気に入りの作品を挙げてみた。全6曲のうち2曲がバス・クラリネットで、特に Green Dolphin Street でさまざまな音色が聴ける。まあとにかく物凄く無意味であるという例えなわけです。ダライ・ラマに説いているのが Miles でも Sinatra でもなくて Dolphy なところがいい。
1960.4.1録音
アルバート・アイラー、ドン・チェリー、セシル・テイラー第1部 152ページ
アルバート・アイラーやドン・チェリーやセシル・テイラーの熱烈な信奉者が駅前の商店街のクリーニング屋の主人になるというようなことは果してあるのだろうか、と僕はふと思った。
Albert Ayler
My Name Is Albert Ayler
Albert Ayler (ss, ts), Niels Bronsted (p), Niels Henning Ørsted Pedersen (b), Ronnie Gardiner (ds)
アヴァンギャルドな御三方。中でもお気に入りの Ayler のこのアルバムは、サックスがまるで唸り声のように聞こえ、なんとも言えない不安感に満ちている。初めて自分の部屋に女の子を呼んだときに決してかけてはいけないCDランキング第2位(1位は John Lennon "Double Fantasy")。そんな音楽なんで、駅前とか近所のクリーニング屋でかかっていたら、そらあもう当然びっくりすることでしょう。
1963.1.14録音