酒飲みの記憶

勝沼ワイナリーめぐり

2008年11月2日。勝沼ぶどう郷駅に着いたのは10時。南アルプスの山並がきれいだ。ほとんどの人はタクシーに乗ったりコミュニティバスに乗ったりするが、我々はひたすら歩く。

パン工房
パン工房鳥居平(10:31)
駅前の道をがーっと下ると10分ちょいで最初のワイナリー、シャトー勝沼に着いた。いきなり腹が減ったので、ワイナリー入り口の「パン工房鳥居平」でパンを購入し、脇のテラス(といってもこの時間は日陰で寒かった)で食す。ここではクリームパンが秀逸。注文を受けてからクリームを注入するものだ。なわけで、フツーのカスタードクリームではない、バニラ香漂うケーキのようなクリームなのだ。
このワイナリーは観光バス用の駐車場も完備していて、つまりまあそういうタイプのところ。観光バスツアーで、トイレ休憩がてらに寄る土産物屋な感じ。まだまだたくさん歩かなければならないことを考え、ここでは試飲はしなかった(ウチの近所でも割と見かけるメーカーだからということもある)。
試飲室
山梨ワイン醸造の試飲室(11:19)
山梨ワイン醸造
山梨ワイン醸造の雰囲気ある建物(11:31)
ぶどう畑を眺めながらなおも下る。新祝橋を渡って上岩崎の交差点で右に曲がり、山梨ワイン醸造へ。もんのすごい人で、小じんまりとしたテイスティング・ルームはスシ詰め状態だ。ここで本日初試飲と相成った。狭いが、自由に飲ませてもらえるのはいい。
赤は軽いものばかりで興味なし。白はシャルドネと甲州がよかった。ここで甲州樽発酵を1本購入。
フジッコワイナリー
工場然としたフジッコワイナリー(11:48)
ワイナリーの角を南へ曲がり、バイパスを横断して急坂を登るとフジッコワイナリー。ここも観光施設っぽい感じだ。眺めのよい試飲コーナーは広々としていて、置いてあるボトルから好き勝手に飲める形式。試飲できるのはごく安い銘柄ばかりだったが、ここのワインはなかなか美味い。樽甲州を購入。
まるき葡萄酒
まるき葡萄酒の外観(12:15)
ぶどう畑
まるき葡萄酒裏の垣根栽培のぶどう畑(12:19)
坂道を釈迦堂東口の交差点まで戻ると、まるき葡萄酒がある。でも人がいなくてひっそりとしていたのでなんとなく通過。そのまま、丸藤葡萄酒へ向かう。
丸藤葡萄酒
丸藤葡萄酒の外観(12:27)
丸藤葡萄酒
丸藤葡萄酒の内部(12:32)
ルバイヤートで有名な丸藤葡萄酒も混んでいた。と言っても、試飲はカウンター形式で、そのカウンターが6人も並べばいっぱいになってしまうからだった。工場内を自由に見ていいというのでぶらぶらする。
一回りしてからカウンターに戻る。ようやく二人分入り込めるスペースができたので試飲させてもらう。なんでも前日にVIPが来たとかで、普段出していないものまで出しているという。で、そのうちのひとつ、メルロー2002が気に入ったので購入。ANAのファーストクラスに搭載されてるワインなんだとか。もう1本、甲州樽貯蔵も購入。事前に1ヶ所1本と決めていたのに、早くも禁を破ってしまった・・・
勝沼醸造
勝沼醸造の試飲設備(13:52)
けやきが印象的な藤井の交差点を過ぎてだらだらと下り、勝沼醸造へ。ここのワインは何度か飲んだことがあるが、なかなか美味いという印象。アルガーノ・ボシケがお気に入りなのだ。
試飲は有料で500円だが、栓をひねるとワインが出てくる箱に入った12種から飲み放題。テイスティング・ルームも明るくて雰囲気がよく、日当たりのよいテラスではOL風の女性達がテーブルに陣取り、ご機嫌に飲んだくれていた。しかもグラスがなんとリーデル。これで舌と鼻をだまされたか、思わず6本買ってしまった。内訳は、甲州種を4本、翌日解禁になる2008年の新酒と、アルガーノ・モンテ。モンテはマスカット・ベリーAで、普段はまず飲まない品種だが、試飲したらほどよい樽香で美味かったのでつい買ってしまった。1,500円かそこらならお買い得だ。
ところで、ワイナリーを訪ねて初めて知ったのだけど、オーナーが有賀さんだから「アルガーノ」なのね。
蒼龍葡萄酒
蒼龍葡萄酒の外観(14:06)
14時になんなんとしていたが、昼食はまだ。メルシャンなら食べるとこがあるだろうと目指す。すると通りがかりにノーマークだった蒼龍葡萄酒が。ここもなんか美味いの飲んだことある気がする。
入り口を入ると小奇麗な土産物屋みたいなホール。小規模ワイナリーだと思っていたけど、意外にも観光客向けの感じ。ホールの片隅に冷蔵庫があって、その中に試飲用のワインがボトルのまんまでごっそり入っていた。試飲できる銘柄じたいは多かったけど、この冷蔵庫が小さいため、人々が集まってなかなか吟味できなかったのは残念。蒼龍のワインじたいは自宅近くのデパートなんかでも見かけるので、ここは購入しないでスルーした。
食事
グラスワイン、つまみ盛り合わせとビーフストロガノフ(14:43)
ようやくメルシャンに到着。屋外テラスの食事コーナーはこの時間では閑散としていた。食事メニューもほとんど売り切れで、まだ残っていたビーフ・ストロガノフとつまみ盛り合わせを食べ、ワイナリーでしか飲めないというグラスワインを赤白それぞれとった。ストロガノフは紛う方なき業務用だったが、腹が減っていたのでおいしくいただけた。
ラ・ヴィーニュ
テイスティング・サロン「ラ・ヴィーニュ」(15:05)
ワイン
北信シャルドネと桔梗ヶ原のシグネチャー(15:12)
食後はワインショップに行ったがなんだかぱっとしない。というのも試飲できるのが安物ばかりだからだ。というわけで、テイスティング・サロン「ラ・ヴィーニュ」に行った。ここではグラスワインが有料で飲める。思い切って、ボトルではまず買うことはないだろうと思われる桔梗ヶ原メルローのシグネチャーと北信シャルドネを注文。香りが凄まじくて仰天した。シャトー・メルシャンのロゴ入りのテイスティンググラスは土産にもらえたのだが、そんなのいらないからその分安くしてくれと思うのは自分だけではないはずだ。
中央葡萄酒
中央葡萄酒の外観(15:38)
試飲
左から樽甲州、シャルドネ、甲州鳥居平畑、カベルネソーヴィニョン(15:57)
最後にグレイスワインの中央葡萄酒へ。実はここが本日の目的地。趣きのある建物に入り、階段を登った2階が試飲・販売コーナー。ここもルバイヤート同様カウンター式だが、ルバイヤートよりは広い。それにしても物凄い人出で、なかなか注文もできない有様。スタッフも「平日ならじっくりと説明もできるのですが」と申し訳なさそうに言い訳していた。無料の銘柄をひととおりと、1杯200円の樽甲州、シャルドネ、甲州鳥居平畑、カベルネをいただいた。んまい。そしてここもルバイヤート同様、前日にVIPが来たとかで普段開いていないというフラッグシップワインのキュヴェ三澤が赤白とも開いていた。こちらは1杯500円。こっ、これは美味い。すでに何軒もまわったあとで酔っているのと、現地でしか手に入らない(ネット販売でも売り切れ)という希少性に目が眩んで、ほとんど勢いで白のプライベート・リザーブと、赤を購入。あと鳥居平畑を追加した。閉店後はワイン会があるらしく、人が集まって来ていた。
グレイスを出たのは16:30。目の前にアサヤがあるがさすがにもう閉まってた。シャトー・ジュンにも寄りたかったけど、もちろんおしまい。腹が減ったのでぶどうの丘に寄ったがレストランは混んでて1時間以上待つとかいうのでそのまま帰ることにした。ぶどうの丘は翌日の新酒祭りの準備の真っ最中だった。売り場にはフライングして新酒が置いてあった。
ぶどうの丘から勝沼ぶどう郷駅への道は、相変わらず真っ暗だった。
本日の成果
本日の成果
本日の成果
本日の成果(勝沼醸造の6本)
というわけで、6ヶ所まわって6本買って帰る予定だったのだけど、13本になってしまったのだった。
教訓
勝沼のワイナリーをまわるなら、平日がよい。
休日の勝沼には、赤い顔をして地図を持った人々が大勢歩いている。
VIPが来た翌日のワイナリーの試飲コーナーは狙い目である。