酒飲みの記憶

ワインフェスティバル

会場ゲート
会場ゲート
メルシャン主催の「東京ワインエクスペリエンス」とやらに行ってきた。招待券が手に入ったのである。ワインブームの全盛時はこのような催しが盛んで、何度か参加したことがあった。今回は数年ぶり、しかもタダということで、気合を入れて臨んだ。
受付を通り、写真撮影の可否を問うと、「どうぞ、構いませんよ」とのこと。ほんとうは飲んだワインのラベルを撮ろうと思って持ってきたカメラであったが、ワインの前はどこも大混雑で、それどころではなかった。
会場内ではベーグルサンドやチーズも販売しており、また広めの休憩スペースもあって、疲れたときは休むこともできる。もちろん、入場半券を持っていれば外に出ても再入場は可能だ。
スペインコーナー
スペインコーナーのパフォーマンス
ドイツワインは人気がなかったが、アウスレーゼは結構おいしかった。甘くて、それでいてしつこくない。今回のかつりんのイチオシ。
フランスコーナーはやはり混んでいる。ビショーのジュブレ・シャンベルタンが人気。しかし、いやに樽がきつかった。思ったほどは美味くない。
樽がきついと言えば、やはりオージー。どのワインを飲んでもしっかりと樽香がついていた。グレッグ・ノーマンのワイナリーのものもあった。
スペインはシェリーコーナーで写真のようなパフォーマンスをやっていた。
パン・チーズ販売コーナー
パン・チーズ販売コーナー
一杯も飲まなかったが、有料試飲バーもあった。ちょっと高いと思う(メニュー12)。また、30杯とかの限定で、ル・パン'97やらマルゴー'95やらも飲めたらしいが、ものすごい行列だった。しかもこれらは1杯\2,500。
ワインフェスでかつりんがいつも楽しみにしているのはブラインドテイスティングごっこ。2人以上で行って、相手に知られないようにワインをグラスに持ってきて、お互いに銘柄をあてっこする。結構、燃える。ちなみに、一度もあたったことはない。
しばらくしてあることに気付いた。飲み残しを捨てる場所がない。つまり、つがれたワインは全て飲み干さなくてはならないのだ。これが今回のフェスの最大の欠点だろう。
まあ、なんだかんだいっても、やはりタダ酒は美味い
教訓
つがれたワインを全て飲むと、酔っぱらう。
スペインのおじさんのようにシェリー酒を注ぐと、カッコいい。
ワインフェスティバルには複数人で行って、ブラインドテイスティングごっこをすると楽しい。

サントリー山梨ワイナリー見聞録

インターネットで見て、前から行ってみたかったサントリーの山梨ワイナリー(現・登美の丘ワイナリー)を見学した。


セラー入り口
セラー入り口
まずは、工場の製造工程を案内つきで見学。所要時間はおよそ30分。家族連れが多く、ガキどもがうるさくて説明もよく聞こえない。彼らはワインよりも、後で待っているバーベキューの方がメインなのである。
製造工程が終わるとセラーに入る。セラーからは案内なしでも誰でも見学できるのだが、ここでは製造工程からの流れで案内つき。山をくりぬいた半地下で、たいへん暑い日だったにもかかわらず、内部はひんやりと、少し寒いくらい。通路の棚にもワインがどっさりと置いてあり、それをガキどもががんがん叩いている。通路のワインの熟成は早いに違いない。
セラーの一番奥には業務提携の記念に贈呈されたとかいうラフィットの1899(サントリーの創業年)や1900が眠っているらしい。その目録が展示されていた。
リオンセラー
リオンセラーの外観
見学終了後は、ワイン専門店「リオンセラー」に。ここはワイン販売のほか、サントリーの最高級ワイン、「登美」や「貴腐」がグラスでテイスティングできる。これが今回の最大の目的である。貴腐(1992)はリキュールグラス一杯\2,000、半杯\1,000。登美(1995)はグラス一杯\1,000でチーズつき。この他にも山梨ワイナリー場内でのみ販売されているというワインが一杯\300前後の値段で飲める。かつりんは貴腐、登美のほかに「見晴らし台園」 (1996、\350) をいただいた。
貴腐は、甘いのに少しもくどくない。
登美は、渋みも落ち着いた感じで、とても美味しい。
見晴らし台園は、登美と一緒に飲んでしまったので、悪いところが際立ってしまい、印象が悪い。
ちなみに、使用後のグラスは土産として持ち帰ることができる。

ワイナリーで一般公開されているセクションは大きくふたつに分かれていて、ひとつはこれまで見た総合受付・工場と、もうひとつは丘の頂上の「ワインガーデン」。ワインガーデンは受付から車で数分の距離にあり、車で来た人は自分の車で移動するのだが、タクシーで来た場合はシャトルバス(8人乗りワゴン)で移動する。バスは30分ごとに運行される。


レストランのランチ
レストランのランチ
混雑する前に食事をすませてしまおうと、ワインガーデンに到着して真っ先にレストランへ。かつりんはビーフシチューのパイ包み、相棒Kは鶏肉赤ワイン煮込み(つまりコッコーヴァン)、ワインには「高原通り園」のハーフボトルをいただく。
「高原通り園」は場内限定販売のワイン。サントリーが、カベルネ・ソーヴィニヨンとブラック・クイーンから造ったという、その名もカベルネ・サントリーという品種でできているらしい。適度に渋くて、味の濃い料理にもなかなかよくマッチしているように思った。
レストランは眺めのよい場所にあり、少ないが禁煙席もきちんとある。ワインは当然ながらすべてサントリーのもので、定価プラス\300で飲める。登美もリストに入っていた。
メインのテラス
メインのテラス
メイン広場。この周辺に観光施設がある。
ここのワインショップの無料試飲は3種のみである。この日は「見返り坂園」(白)、「美しヶ峰園」(ロゼ)、花シリーズ(赤)。前のふたつはまあまあだったが最後の赤はキョーレツにまずかった。
口直しにと思い、眺富荘という、テイスティングルームに行ってみた。するとここでも登美や貴腐が飲める。貴腐は1990、1992のふたつのビンテージがそろっており比較もできるのが先のリオンセラーとは違うところだ。ただし、ほかに飲める商品はそう多くない。ここでは、「いちょう台園」「蔦石坂園」をいただいた。
いちょう台園はリースリング。甘いがさっぱりしている。好みだ。
蔦石坂園はシャルドネで、全国で発売されている商品。
ぶどう畑と甲府盆地
ぶどう畑と甲府盆地
テラスのすぐ下のぶどう畑から甲府盆地を見下ろす。観光客の入り込める地区の畑にはぶどう品種名の看板が立っている。この樹はカベルネ・フラン。
バーベキューガーデンもこのそばにある。
ちょうど「ぶどう収穫祭り」と銘打って、ぶどう収穫体験の催しをやっていた。ちゃんとした道具や作業着を借りて、実際にぶどうを収穫するのだ。3箱収穫すると、自分の作業着姿をラベルにした記念のワイン(ロゼ)がもらえる。
この下の方は芝生の広場になっていて、周囲はオレンジコスモスが満開だった。
てるてる坊主
収穫期の好天を祈ってつくられた巨大てるてる坊主
土産に、先ほどの「いちょう台園」\3,000と、ピノ・ノワールの「富士見園」\2,500を購入した。「見晴らし台園」の1988も気になったが、値段が値段なのと(\5,000)、1996がイマイチだったので、今回は見送ることにした。


行ってみての感想:無料試飲が少ししかないのが残念だった。が、恐らく買って飲むことは一生ないであろうと思われる「貴腐」が、一杯だけとはいえ飲めたのは大きな収穫であった。


教訓
ガキが多い説明会は、説明が聞こえない。
ワイナリーに行くときは、車で行くと試飲ができない。