Top             浮世絵文献資料館            浮世絵師総覧              ☆ よしつね 義経            浮世絵事典  ◯『絵そらごと』〔燕石〕⑥263(石野広通著・寛政十二年以前稿成る)   〝(義経曰く)絵には天狗の腕にのぼったり、鼻柱をわたつたり、五条の橋を下駄をはいて欄干を飛だり、    兵法剣術にひとつもならぬ事、今時の、つな渡り、かるわざ師の稽古するやうな物、自然と身が軽うご    ざつて、能登守に追れた時に、はるかに船を飛こへた義はござれど、天狗の腕や鼻にのぼつた事はござ    らぬ〟   〝(義経曰く)上るり御前へ忍んで逢ました時、笛を吹々、大(ダイ)それた、どふゆかるゝもの この上    るり御前は三州峯の薬師の申子ゆゑ 薬師の東方浄瑠璃世界のあるじなれば それによりて浄瑠璃御ぜ    んと名を付け薬師の十二神将にかたどつて文段を十二段に作りたるを十二段といふが、拙者が忍んだを    りの名目になり 上るり御前からしてうたいものゝ名に浄瑠璃の名があり〟    〈軽業師のような武芸の義経と、笛を吹きつつ浄瑠璃姫の許を訪れる『十二段草子』の義経。義経絵の代表的な図様と     いえば、この二つである〉