☆ 文政三年(1820)
◯『きゝのまに/\』〔未刊随筆〕⑥110(喜多村信節記・天明元年~嘉永六年記事)
(文政三年記事)
〝正月廿四廿五両日、亀戸天神に鴬替といふ事始る。是は筑紫太宰府にていつよりの俗習か、毎年正月七
日夜酉刻比より、鴬替とて参詣の輩、手細工に木にて鴬の形をおろそかに作り、彩色して携ひ行、鴬替
むと呼はり、互に取替る事なり、去年難波の天満にて、これを興行し初めたるが、珍らしくて歌謡にも
作れり、江戸にも是を聞て当年より行ふ也、但し鳥は商人作りて売を買て、神前に有を替る也〟
◯『藤岡屋日記 第一巻』①145(藤岡屋由蔵・文政三年(1819)記)
〝弐月廿五日
亀戸天満宮ニて初て鴬替の神事有之、当年が始メなり
(中略)
毎年正月廿四日・甘五日両日、うそ鳥の形を作り、境内ニ於テ是を売けれバ、信心の人々買求て神前ニ
有之と烏かへなば、かけまくも賢き神の御心ニ叶ひて、開運出世幸福を得べきになん、筑紫にては正月
七日なれども、亀戸ニ而ハ正月廿四・五日と定む。
うそ鳥なとりかへるとて 流芳庵主 常喜
よき事を心つくして祈るなり
あしきはうそと鳥かゑて行
(中略)
辰二月廿五日
亀井戸天神二て初てうそかへの神事あり〟