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☆ とてつるけん とてつる拳浮世絵事典
 ☆ 弘化四年(1847)    ◯『巷街贅説』〔続大成・別巻〕⑩89(塵哉翁著・弘化四年(1847)記事)   〝流行   ことし未の春より流行するとて、つる拳じやんじやがぶし、〽酒は拳ざけいろしなは、〽蟇(カイル)一トひ   よこ三ひよこ/\、〽蛇ぬら/\なめくで参りましよ、〽すちやらかちやん、ソレ〽じやんじやら/\じ   やん拳な、〽婆様に和藤内がしかられた、〽虎がはう/\、〽とてつるてん、〽狐でサアきなせ、〽まい   りましよ、チョチョソがよんやさ、   此戯れ拳は、猿若町三町目なる河原崎権之助が芝居にて、三代目中村歌右衛門、六代目松本幸四郎、市川   九蔵にて、舞台にて致せし由、一枚絵にも摺出し、追々に替歌出来て、専らの流行とはなりぬ〟    ☆ 嘉永元年(1848)    ◯『藤岡屋日記 第三巻』p129(藤岡屋由蔵・嘉永元年(1848)記)   ◇とてつる拳   〝(二月)此節猿若町河原崎座にて、とてつる拳の狂言大当りにて、花見に出る程の人は姥婆かゝに至る    迄、此拳を知らぬものは大なる恥と思ひ、十六文出し、とてつる拳の稽古本を買て、皆々往来をけんを    しながらかゑるなり      けんとふも違へず当る成駒や       江戸市川で客はまつ本〟    〈この狂言は正月十五日より上演された「飾駒曽我(ノリカケソガ)道中双六」。その狂言中「笑門俄七福」と題された浄瑠     璃の場で、中村歌右衛門・市川九蔵・松本錦昇(幸四郎)の三人によって「とてつる拳」が演じられた。所謂「三す     くみ拳」と呼ばれるもので、この「とてつる拳」では、虫拳(がま蛙・蛇・ナメクジ)、虎拳(虎・和藤内・婆さま)     狐拳(狐・庄野・漁師)を一つにして、がま蛙・虎・狐の組み合わせにしている。これを一勇斎国芳が「道化拳合」     と題して、がま蛙は成駒屋・中村歌右衛門、虎は市川九蔵、狐は松本錦昇、それぞれ役者の似顔で描いている〉    「道化拳合」 一勇斎国芳画 (ウィーン大学東アジア研究所FWFプロジェクト「錦絵の諷刺画1842-1905」データーベース)