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☆ 天下一面鏡梅鉢(てんかいちめんかがみのうめばち)浮世絵事典
 ☆ 寛政元年(天明九年・1789)       筆禍『天下一面鏡梅鉢』(黄表紙)       処分内容 絶板            ◎作者 唐来三和(記載なし)◎画工 栄松斎長喜(記載なし)            ◎板元 蔦屋重三郎?(記載なし)       処分理由 幕政諷刺     ◯「天下一面鏡梅鉢」(宮武外骨著『筆禍史』p77)   〝唐来三和の著にして、画は栄松斎長喜なり、天明九年即ち寛政元年の出版なるが、是亦前の『文武二道    万石通』と同じく、白河楽翁こと松平定信の文武二道奨励政策を暗に批評したる戯作なりしがため、同    く絶版の命を受けたるなり、其目次にも「上の巻、末白川の浪風も治まりなびく豊年の国民「中の巻、    天下太平を并べ行はるゝ文武の両道「下の巻、月額青き聖代も有り難き日本の風俗」とありて、天満天    神の神徳に擬して褒むるが如くなれども、実は愚弄したる戯作なりしなり〟
    『天下一面鏡梅鉢』 唐来三和作・長喜画 (東京大学付属図書館・電子版「霞亭文庫」)    ◯『よしの冊子』〔百花苑〕⑧347(水野為長著・寛政元年(1789)四月記)   〝屋敷町を此間売ありき申候書物御座候由。其書物の名は天下一面梅鉢鏡(*ママ)あけていわれぬこんたんの    書物じや、と申てうりありき候よし〟    〈唐来三和作・栄松斎長喜画『天下一面鏡梅鉢』。梅鉢は松平定信の家紋。天下一面あまねく模範とすべき定信の政治が     行き渡っているという題名の草双紙である。それを「いわれぬこんたんの書物」と何やら思わせぶりな言い方で売り歩     いていたのである。幕府にはこの褒め殺しのような「こんたん」が放置できないのであろう〉