Top             浮世絵文献資料館            浮世絵師総覧            ☆ たんざくうり 短冊売り         浮世絵事典  ◯『宝暦現来集』〔続大成・別巻〕⑥145(山田桂翁著・天保二年(1832)自序)   〝七月短冊紙光、享和年中迄は、短冊紙や色紙とて、丸紙の侭売歩行しが、此頃よりさま/\形ちを裁て、    書計に仕立売ゆへに、以前の紙売は止みけり、又近頃は形に裁たる其裁屑なをぜて、十枚四文三文位に    売歩行なり、此末十年も過なば、短冊又は五月の柏餅など、月見の団子之類は家毎にはせまじ、何事も    それ/\の家風も、皆略すやうになりて、正しき事は次第止みけり〟  ◯『世のすがた』〔未刊随筆〕⑥38(百拙老人・天保四年(1833)記)   〝七夕の前、短冊紙を売来るは、享和の頃はいろ紙計を売、文化の頃よりさま/\の形を切て売、近頃は    板行にて梶の葉盃のなどの形におして切ぬき、十枚くらゐツヽ一束にして売、天保に至ては紙にて網を    切、売来れり、又短冊を竹に付て星祭するに、寛政の頃は武家にては庭に三尺計の杭を二本立ならべ、    それに結付て備へ、町家は庭なきゆへ物ほしなどへ備へたるものなりしが、追々に高くする事になり、    武家町家の差別なく長竿の上に結付て、高きを争ふやうになり、それより竹の先へ紙にて切たる網をな    が/\と付、或は糸をつけてほうづきをいくつもつなぎ、又は小き桃灯を付しもあり、西瓜を切たる形    などめつら敷やうにおぼへしが、近頃は張抜の枕筆硯の類を大きく作り、糸にて下るもあり、そのもと    は深川の遊女屋より初りたるよし、近来は町家計にもあらず、武家にも此風を学びて色々の物を付るを    見る、今年本郷辺を通行せしに町家の屋の上に作りものあるを見るに、酒樽盃御所車煙草入帳面百人一    首の本、其外種々の物を作りて出せり、追々見物も出ぬべきかと人々云あへり、殊更星夕に縁なき品多    し、笑にたえたり〟