Top             浮世絵文献資料館            浮世絵師総覧            ☆ たんろくぼん 丹緑本           浮世絵事典  ◯『浮世絵年表』(漆山天童著・昭和九年(1934)刊)   ◇「寛永一一年 甲戌」(1634) p14   〝六段の浄瑠璃本『はなや』二冊出版、丹緑の小本なり、作者は薩摩太夫にして版元は西洞院さうしや太    郎右衛門なり〟   ◇「正保三年 丙戌」(1646) p19   〝正月、京都誓願寺前なる安田十兵衛、丹緑本として『曽我物語』十二冊出版せり〟   ◇「延宝年間」(1673~1681) p43   〝此頃、菱川師宣、同じく師宣等の一枚絵流行せり。一枚絵は今の西の内位の判にて、丹緑などの手彩色    せるもの多し〟  ◯「日本版画について」淡島寒月著(『振興美術』第三巻第二号 大正八年二月)   (『梵雲庵雑話』岩波文庫本 p398)※(かな)は原文の振り仮名   〝彩色したものでは俗に言う「丹緑本」と言う奴で、これがまア、その内では最も古い物である。これはザ    ット慶長ころのものである。「猿源氏」だとか、「鉢かづき」だとか言うものもある。しかし、これらと    てもまだ幼稚の域を脱することは出来なかった。大津絵にも素通りをして手彩色をしたものがある。これ    はまた、今日から見ればなかなかに面白い。その当時、この「丹緑本」をば、世人は口を揃えて嘲り笑っ    て、殆(ほとん)ど小児のいたずらほどにも思わなかった。ところが何ぞ知らん、この単なる小児の悪戯式    の「丹緑本」こそ、後世に偉大な発達をとげた日本木版画の先駆者であったのである〟