Top 浮世絵文献資料館浮世絵師総覧 ☆ たんごのせっく 端午の節句浮世絵事典 ◯『残されたる江戸』柴田流星 洛陽堂 明治四十四年(1911)五月(国立国会図書館デジタルコレクション) (34/130コマ) ◇節句 〝菖蒲の節句は男の節句、矢車のカラ/\と高笑ひする空に真鯉・緋鯉、吹流しの翻るも勇ましく、神功 皇后・武内大臣の立幟、中にも鍾馗の剣を提げて天の一方を望めるは如何にも男らしい。 五月の鯉の吹流し 口ばっかりではらわたはなし なぞ嘲りはするが、彼の大空に嘯(うそぶ)くの 慨(ママ概・おもむき?)は、憚(はばか)んながら江戸ッ児の本性をあらはして遺憾なきものだ (中略) 又菖蒲湯といふもの、これも残されたる江戸趣味の一つで、無雑作に投げ入れた菖蒲葉の青々とした若 やかな匂ひ、浴し了(お)へて出で来る吾も人も、手拭に残る其の香を愛づれば、湯の気たちのぼる四肢 五体より、淡々しくの(ママ)鼻にまつはりこす同じ匂ひ、かくては骨の髄までも深く/\沁み入つたやう に覚えて、其の爽やかさ心地よさ、東男の血の貴さは、恁(こ)うして生(おい)立つからでもあらうか〟