◯『増訂武江年表』1p156(斎藤月岑著・嘉永元年脱稿・同三年刊)
(寛延年間(1748-50)記事)
〝宗十郎頭巾はやり出す〟
◯『世のすがた』〔未刊随筆〕⑥35(百拙老人・天保四年(1833)記)
〝寛政の頃より文化の頃までは、武家の小給の人までも黒縮緬の頭巾を用ゆ、鉢はかますにぬひ、左右へ
たれを付、俗に角頭巾、又宗十郎頭巾ともいふ、同じ頃三尺位の木綿を竪に弐ッに折、又三ッにたゝみ、
中の折をかぶり、前後の折を引上げ、目計出るを以て目ばかり頭巾と名付、程なく停止せらる、文政中
に至り、縮緬中巾の切を四角に裁、頭へまとふ、風呂敷頭巾、又ぶつかぶりともいふ、是も停止せらる、
又綿頭巾とて綿へ粘を引、黒或は茶などに染て用ゆ、多くは下賤の者のもてはやす所なり、其後袖頭巾
にうしろへひうちを入、山岡頭巾とて、黒八丈或はこはく黒びろうとにて作り、中人已下のもの専に用
ゆ、近頃又風呂敷頭巾とて、縮緬へ裏を付用ゆ、花色黒の外種々有〟