◯『江戸惣鹿子名所大全』巻の六(藤田理兵衛著・菱川師宣画 元禄三年三月刊)
(『江戸叢書』巻四 国立国会図書館デジタルコレクション)
◇鮓並食すし
近江屋 舟町横丁 駿河屋 同左
◯『江戸名物百題狂歌集』文々舎蟹子丸撰 岳亭画(江戸後期刊)
(ARC古典籍ポータルデータベース画像)〈選者葛飾蟹子丸は天保八年(1837)没〉
〝鮓
常盤なるいろを日の出の松のすし見世さきかすむ人の山々(画賛)
まき帋と見るのり鮓に葉せうがの芽をも添て出すすゞり蓋
かんてらのかゞりのかげに若鮎のすしも手早くさばくうの丸
うづしほに魚をねかして作り身にまくらきあつる松か桶すし
つまにそふ蓼もせうがもからさきや江戸に一ッの松のすし見世
靏遊ぶ千代田の里にうり初て日々にさかへる松がはやずし
湖水よりもてきし鮒の一夜鮓不二の雪ほど飯の真しろさ
もゝ色のふきんの切れに下染の口なし見るする玉子すしかな
不二ほどはたゝぬ烟りの細元手すしは一夜につくりながらも
常盤町ほど近ければ松のすしいつもかはらぬ味(は)ひのよき
柳はの蓼も一入うち水の時雨に染ぬまつのすし見世
常盤町脇に見なして松がすしいく十かへりも客のにぎはし
ひさくゝる露のひかりも玉さゝの千とせをいきの松の魚すし
名物の江戸むらさきの色みせて霞につゝむ春の海苔ずし
人の波打よる度にうごけるはあたけの松につなぐすしふね
いそ山の松がすしとや技重みとまるみさごもしらぬあぢはひ
〈松すし(深川安宅) うの丸 鮒の一夜鮓 玉子すし 海苔鮓。常盤町がなぜ出てくるのか?〉