Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
☆ そそそ浮世絵事典
 ◯『只今御笑草』〔続燕石〕③200(二代目瀬川如皐著・文化九年序)   〝そゝそ    宝暦の末明和の比にてありける。堺町の辺、新吉原町、深川仲町なんど、繁華なる場を弁天堂建立とて    あるきし修行者、浄衣のつゆとり股引、てつこう、草鞋はきて、勧化箱背おひ、菅笠にその字三つ書た    るをかむり、ちいさき打ならしのりんに小座布団しき、柄を付たる数多持て、何事かいひて子供あつま    れば此りんを借しあたへ、数十人の子供修行者をとり巻、弁天経をやらんを口うつしにとなへさせ、間    々にそそそといへるを口癖にて、其身もおどり、子供もりん打ならして、はやしものすることにてあり    ける。左の五指をのべ、右の手に白蛇形の印をむすび、条文の様成事唱へて、ウカヤ白蛇キヤウシンタ    マニヒンテンウンソワカと唱へ、そそそを口癖にて、りん打ならし躍れば、子供不残トンカク如意宝珠    そそそと同音に唱へて、りんうちならしはやしけり、はてはてはゆくりなく町々にはやりて、其頃の名    人嵐音八なる者、歌舞伎の舞台にてこの芸を勤め、其外遊所の町々にて、芸者たいこ持なんどさわぎ唱    につゞり、そそそといへる拍子にて、二上り三下りの手事にうつし、一枚絵画草紙なんどのにももては    やらし、江戸中もつぱらにて、誠に一時の興なるものにてありける     三つのそは、その身、その儘、其時のはやり言なるふりをうつし絵〟