◯『絵本江戸風俗往来』p74(菊池貴一郎著・明治三十八年刊)
(六月)
〝南伝馬町天王祭
六月七日、神田社地天王一の宮なり。南伝馬町二丁目の御旅所へ神幸ありて、十四日に帰輿(ヨ)なるな
り。(中略)当所祭礼に驚くばかりなるは、鞘町の唐人幟なり。実に巨大なる幟なり。また大行燈とて
往来の道幅一ぱいに行燈をかける。その中、中通り北南と東西の横町なる四逵(ヨキ)の辻へ、四方行燈と
て四方へ画をかきたる燈籠を作る。画はいずれも武者の図にして、当時の浮世絵の達者の筆になる。こ
の四方行燈は江戸の無類作り物なり〟