☆ 享保八、九年(1723~24)
◯『我衣』〔燕石〕①186(加藤曳尾庵著・文政八年(1825)以前成立)
〝享保八九年の頃、櫛、笄、三ツ櫛、放し櫛、其外女子小道具品々を、現金掛直なし安売、代十九文にて、
目つきによりどらせ売る商人あり、殊の外はやりて、後には、町々辻々にて上物をも並べをき、三十八
文一通品々、十九文一通品々、或は十三文一通品々数多並べ、小刀、はさみ、糸類、将棋駒、三味線道
具、鼻紙入、緒〆、盆塗物、きせる、鏡、剃刀、人形、墨、筆の類に至るまで、右の価に売て、少々も
利に成るものは、何にても置きて売ゆへ、見物の人多く、珍しきゆへ調る人多く、いよいよ繁昌したり
き〟