◯『家財繁栄抄』(十返舎一九作 五湖亭貞景画 文政十年(1827)刊)(国書データベース)
〈二例づつ抽出した〉
〔魚づくし地口〕
さいたさわらにはぜかにつなぐ(鰆・鯊・蟹)→ 咲いた桜になぜ駒繋ぐ(駒が勇めば 花が散る)
かにはそとふぐはうち (蟹・河豚) → 鬼は外福は内
〔青物尽地口〕
なんきん大なすうり (南京豆・茄子・瓜)→ 現金大安売り
はなはきくらげ人はぶし(木耳キクラゲ) → 花は桜木人は武士
〔鳥づくし地口〕
すゞめひばりにむこ八人(雀・雲雀) → 娘一人に聟八人
まつもとほうじろう (頬白) → 松本幸四郞
〔獣尽前句集〕
箱入をかぢるは若い白ねづみ(白ネズミ) → 箱入娘と店の若者
振袖をきただけ二朱の海鹿(あしか)なり(アシカ)→ 吉原の振袖新造 二朱は揚げ代
ものづくし(『家財繁栄抄』より)(国書データベース)
◯「江戸の地名に関する洒落言葉」山中共古翁輯 三村清三郞補(「集古」丙子二、昭和十一年三月)
(『三村竹清集九』日本書誌学大系23-(9)・青裳堂・昭和62年刊)
〝恐れ入谷の鬼子母神 草加越谷千住の先だ 夜の夜中も根津谷中
湯島の偏人様 ぴいぴいどん/\神楽坂 銭が内藤新宿
啌(うそ)を築地の御門跡 値は高輪の泉岳寺 なんだ神田の於玉ヶ池
智恵も浅草猿廻し 何ンにも千駄木林町 けふは飛鳥の花見時
万よし原山谷堀 気がもめの吉祥寺 遠い/\本所の火事だ
間夫は深川八幡宮 大違ひの鬼子母神 深い中だよ麹町の井戸だ
酔ふて九段の坂の下 腹がチヨツピリ数寄屋河岸 ねつから麻布できが知れぬ
洒落の内のお祖師様 どういふもんだ広徳寺の門
とんだめに王子の稲荷 さうで有馬の水天宮〟