◯『絵そらごと』〔燕石〕⑥257(石野広通著・寛政十二年以前稿成る)
〝張僧繇(エウ)が絵の竜は、雷雨晦冥して天にのぼり、常則(ツネノリ)が書たる獅子は、犬ほへにらみ、成光が
書たる鶏は、まことの鶏見てこれを蹴る、高孝行が画の鷹、諸鳥はるかに見て、おどろき恐れける事、
唐倭同日の談也〟
〈張僧繇は画竜点睛の故事で有名な梁の画家。常則は『源氏物語』にも名が出る平安朝を代表する絵師・飛鳥井常則。
そして、成光は、上田秋成が『雨月物語』の「夢応の鯉魚」で題材にした三井寺の名人画僧・興義の弟子とされる人。
また、高孝行とあるのは北斉の高孝珩である。張僧繇と高孝珩のことは唐の張彦遠撰『歴代名画記』から引いたか。
常則と成光の話は『古今著聞集』三九〇・三九一段に見える〉
◯『事々録』〔未刊随筆〕⑥305(大御番某記・天保二年(1841)~嘉永二年(1849)記事)
〝去卯年(天保十四年)より専ら鶏をもてあそぶ、矮鶏(チャボ)トウマルの類専ら也〟