☆ 安永五年(1776)
◯『其返報怪談』(恋川春町作・画・安永五年(1776)刊)〔新日本古典文学大系「草双紙集」所収〕
〝かの数川春章が与へし錦の袋を取り出し、開き見れば、三芝居歌舞伎役者の似面(にづら)を書きし団
扇なり〟
☆ 安永六年(1777)
◯『南陀羅法師柿種』(朋成堂喜三二作・恋川春町画・安永六年(1777)刊)
〔鈴木俊幸著『蔦屋重三郎』(近世文学研究叢書9)p149「絵本と浮世絵」〕
〝やまと画には名にしをふ鈴木北尾の風りう、一筆さい勝川がにづら画、鳥居氏がかんばんつきなど、目
をおとろかす画どもを見て〟
☆ 天明二年(1782)
◯『摂陽奇観』(浜松歌国著・天明二年(1782)の項目)〔松平進著『上方浮世絵の再発見』p113〕
〝浪花松屋町に、草紙屋鬼吉といふもの、文七の見得、似面絵(にづらえ)を初て世に弘む〟
☆ 天保四年(1833)
◯『馬琴日記』第三巻「天保四年(1833)癸巳日記」③467
〝九月十二日、鶴や喜左衛門より使札。貞秀画き候合巻似つら写本見せらる。過日約束によつて也。即刻
一覧、返翰差添、右写本かへし遣す〟
〈似面絵(にづらえ)の呼称は案外根強く流通していたようである〉