◯『我衣』〔燕石〕①178(加藤曳尾庵著・文政八年(1825)以前成立)
〝寛保元年の冬、なぞ付とてはやる。点者より題を出す、是は今の物は附なり、
赤いものは 黒いものは 車でする物は 四角なものは くゝるものは
かよふなる品十種ほどづゝ書て、いづれなりとも心付たる題へ付る、料十銅ほどにて、一番勝百疋、夫
よりだん/\下る、是も赤草紙に有、たとへば
赤いものは 親の譲の黒小袖
黒いものは 田舎ものゝ綿帽子
四角なものは 豆腐の耳
くゝるものは 山ねこ廻しの手
車でする物は 文七元結の尺八の音色
か様なる物は付は、今は七八歳の小児も云兼ず、時世の是か非か
三年程はやる、後御停止になる〟
〈「ものは付け」と同じとする。十銅は十文、百疋は千文〉