◯『江戸名物百題狂歌集』文々舎蟹子丸撰 岳亭画(江戸後期刊)
(日本古典藉総合データベース画像)〈選者葛飾蟹子丸は天保八年(1837)没〉
〝桃
美しきかゞみが池に姫もゝのむかふ笑がほやはなのすがたみ
下戸ながら出て戻りは酔にけり桃のさかりのはな見一むれ
山出しのおとなしげにも物いはぬぶつきらばふにさく桃の花
秋もゝとよばるゝ花のさかりにもおどろかれたる風の音かな
笑ふのみ花ものいは柔和さはかつかうすぎた庭の姫もゝ
さく桃の花に空もや酔つらん出ありく雲のあしもみだれて
ますら男の雉を射る野に物いはぬ桃の初めて笑ふをぞみる
年老し小町さくらに並びては桃は娘のはなざかりなり
兄とよぶ梅のためには妹にてすゑの子ほどにめづる姫桃
〈姫もも〉