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☆ みつうじ あしかが 足利 光氏浮世絵事典

   合巻『偐紫田舎源氏』(柳亭種彦作 歌川国貞画 文政12年~天保13年(1829-184)刊)       主人公 足利光氏  ◯『偐紫田舎源氏』三十八編 柳亭種彦序(国書データベース)   〝(前略)此草紙に光氏が大将髷を海老の尾のやうに割しは 亀戸(かめど)の案じ 初ねの程は異な髪と おのれまで    思ひしが 絵馬・羽子板・押絵の類 開帳庭の納め物 又吉原の軒灯籠(のきどうろ) 団扇はもとより煎餅形 悉(みな)    此姿を写すに目馴れ 怪しき髪の風ともいはぬは 前にあげたる二箇の器の論の止みしに是同じ(注) 画(ゑ)の流行    せし功なるべし(後略)〟    〈注:前略の部分に、現れたとき奇異な印象を与えたものの流行するや次第に違和感なく受け入れられた例として、丸形から四角形が出てきた     五徳、そして四角から丸形のものが現れて定着した座敷行灯、その二例が出ている〉    〈『偐紫田舎源氏』の主人公・足利光氏の髪型は独特なもので髷が海老の尻尾のような形をしている。これは亀戸(画工国貞)の発案であって、     当初は種彦も違和感を抱いたようだが、合巻や錦絵のみならず、絵馬・羽子板・押絵等で巷間至るところに流通するにつれ、受け入れられる     ようになっていったのだという〉    足利光氏 廿七編上の巻 表紙 天保九年(1837)刊  (国書データベース)