Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
☆ みたてえ 見立絵(見立アイテム)浮世絵事典
 ◯『一話一言』巻28〔南畝〕⑭67(大田南畝・文化五年(1808)記)   〝古人愛物    陶淵明の菊、王子猷の竹、林逋が梅、周茂叔の蓮は人みなしる所也。陳白沙は木犀花を愛し、譚友夏は    紅葉を愛す、其詩集を見てしるべし〟    ◯『絵そらごと』〔燕石〕⑥258(石野広通著)〈石野広通は寛政十二年(1800)没〉   〈神社の懸絵(絵馬〉に画かれてきた人物が、絵から抜け出し、それぞれ自らがどう画かれているかを語るという趣向の    戯作。そこにおのずと画像を見立てる際に役立つ小道具が語られている。〔  〕がその小道具〉       ◇「物部守屋」〔逆さまに生えた鬼髭〕   〝(物部守屋曰く)仏法にたてついた故、悪人の取沙汰、釈迦に提婆、太子に守屋といはれ、鬼髭さかし    まにはへすさまじき体相〟      ◇「藤原鎌足」〔藤の丸に鎌の紋・鎌〕   〝(藤原鎌足曰く)今晩なども、かやうに鎌を持て出ませぬと、何公家やらしれぬ故、世俗に習つて、か    くの通りなれば、藤の丸に鎌付る紋所も、同じ心いきなるべし〟
    『鎌足朝敵退治』(刊年未詳)画工未詳     (東京大学附属図書館・電子版霞亭文庫)      ◇「大伴真鳥 宿禰兼道」〔鎌〕   〝(藤原鎌足曰く)入鹿退治の時、かまをもつて打たるゆゑ、(鎌足・鎌子と)名付たりなどゝ、跡方の    なき義をいひふらし、それから思ひ付て、浄瑠璃にも、大津(ママ)真鳥を、宿禰兼道が鎌をもつては向ふ    思ひ入、これは百姓すがたにやつして居りたれば、相応によく取合せてつくりたれど、それがし、何故    帯剣をを用ひず、わざ/\鎌を以て入鹿を討べき、理のなひ事〟    〈近藤助五郎清春の古浄瑠璃本『大友真鳥』には、大友真鳥は髭や髪が逆立っている〉
    「大友のまとり・かね道」近藤助五郎清春図『大友真鳥』(享保年間刊・1716~1735)     (赤木文庫「古漁瑠璃目録」)
    「大伴の真鳥 大友の宿祢兼道」前北斎為一筆     (東京国立博物館「画像検索」)      ◇「藤原時平」〔左右へはねあがる鬼髭〕    〝(藤原時平曰く)拙者儀は敵役の巻頭にして(中略)末代に至るまで人ににくまれ(中略)わるくいは    るゝは是非もござらぬが、草双紙の絵などには、耳からへびが出たり、かみなりに引さかれたり、かゝ    つた事はないさまに書ちらし、三十九にて此世を去たるそれがし、画に書た所は、鬼髭左右へはへあが    り、大臣めいた顔色にあらず〟      ◇「大塔の宮(護良親王)」〔般若経を収めた大唐櫃〕   〝(大塔の宮曰く)もと叡山の中堂に居た故(中略)だいとうの宮なるを、おふとうの宮とばかり申す、    般若櫃にかくれた時、敵のつはものどもがすかしておはしけれど、たはぶれいひたるは、般若は唐の玄    奘三蔵が翻訳したる故、大唐を大塔にかよはしていふた秀句なれども、夫もしらずいひちがへられるは、    何のかまひない事ながら、本義ではござらぬ〟    〈『太平記』巻五「大塔宮熊野落事」に「大般若の櫃の中を能々(ヨクヨク)捜したれば、大塔宮はいらせ給はで、大唐     (ダイトウ)の玄弉(ゲンジョウ)三蔵こそ坐しけれ」と戯(タワブ)れければ、兵皆一同に笑て門外へぞ出にける」〉       ◇「源頼朝」〔大頭・長烏帽子〕   〝長いゑぼしは大あたまのかんばん頼朝卿、身不肖ながら、武家の棟梁たる拙者儀、歌舞伎狂言に(中略)    曽我の時分、右大将と申と、大てい末の役者の役割、よほどたらぬ仕打、どうけがたの芸、それもたて    ものは致さず、大あたまの名をうけ、図はづれの長いゑぼしをかぶせ、馬鹿をつくさせます〟       ◇「源義経」〔天狗の鼻柱渡り・足駄で五条橋の欄干を飛ぶ〕〔六韜三略〕〔上るり御前・笛〕   〝(源義経曰く)絵には天狗の腕にのぼつたり、鼻柱をわたつたり、五条の橋を足駄をはいて欄干を飛ん    だり、兵法剣術にひとつもならぬ事、今時の、つな渡り、かるわざ師の稽古するやうな物、自然と身が    軽うござつて、能登守に追れた時に、はるか船を飛こへた義はござれど、天狗の腕や鼻にのぼつた事は    ござらぬ、腕てんごうに辻切は致したが、千人切とて、何のやくにもたゝぬ、千人迄切て見る分別も、    成程平家を亡す大望故、軍法に随分心をとゞめて、鬼一法眼が持て居た三略の巻が見たさに、娘をふづ    くり、やう/\かの巻を見た時のうれしさ(中略)上るり御前へ忍んで逢ました時、笛を吹々、大(ダ    イ)それた、どふゆかるゝもの(後略)〟    〈能登守は平教経。壇ノ浦の合戦、所謂、義経の「八艘飛び」である〉
    「舎那王(牛若丸)」橘守国画『絵本写宝袋』(享保五年刊・1720)     (九州大学デジタルアーカイブ)
    「源義経 八艘飛び」橘守国画『絵本写宝袋』(享保五年刊・1720)     (九州大学デジタルアーカイブ)
    「牛若丸・浄瑠璃御前」西川祐信画『小松か原』所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)
    「牛若丸・弁慶」画工未詳『義経記』(元禄二年刊・1689)     (東京大学附属図書館・電子版霞亭文庫)
         「うしわか・ちやうはん」画工未詳『熊坂長はん』(寛文二年刊・1662)     (大阪大学附属図書館・赤木文庫・古浄瑠璃目録)
    「牛若丸・五条橋欄干飛び」西川祐信画『絵本和泉川』(『絵本倭文庫』三・寛保二年刊・1742)     (東北大学附属図書館・狩野文庫データベース)     ◇「平忠盛」〔承仕法師を組み止める体〕   〝(平忠盛曰く)懸絵などにかゝれる姿は、いつでも承仕(シヤウジ)法師のむぎわらをかぶり、油つぎを    もつたを組とめた所を書ますが、是は全体、其節みなのものが臆病さに、雨夜に麦わらを笠にして、片    手にもつた火の光のうつゝたを、ひかり物よ、鬼よ、なんどゝおそろしがりました所を、だきとめたば    かり、何の事もない儀〟
    「平忠盛」橘守国画『絵本故事談』所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)     ◇「田原藤太(俵藤太・藤原秀郷)」〔瀬田唐橋・竜宮・蜈蚣(むかで)退治・二行に灯る二三千本の松明〕   〝(田原藤太曰く)拙者は弓道に名をほどこし(中略)弓取のほまれ忝なく存る所に、勢田の橋で頼まれ、    竜宮へ参ってむかで退治たる儀、世上に申ふるした通りながら、明松二三千が程二行にてもへ、中に島    の如くなるもの、竜宮城をさして近付けるを、二行にともれるたいまつは、皆おのれが左右の手にとも    したりと見て、あはれ、是は百足の蜈の化たるよと心得て、五人張に十五束三伏忘るゝばかり引しぼり    て、眉間の真中を射たるに、其手ごたへ、くろがねを射るやうに聞へて(云々)〟    〈「十五束三伏」は矢の長さ、普通の矢は十二束(一束は親指を除く四本指の幅)であるから、田原藤太が蜈蚣退治に     使用した矢は三束分長い〉
    「俵藤太氏郷」橘守国画『絵本故事談』所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)         ◇「鎌倉権五郎景政・鳥海弥三郎」〔片目に突き刺さった矢〕   〝(鎌倉権五郎曰く)鳥の海の弥三郎がへろ/\矢、弓勢がよはかつたればこそ、眼にあたつたれども、    うしろへ射ぬかぬは拙者が仕合せながら、其実をぬかずに三日三夜追まはつて、弥三郎を射止めたとは、    おつもりにもあらぬ事、矢を片目にたてゝ、其矢がしやんと立て居ても、ふら/\とさがつても邪魔に    なるで、どうかけまはらるゝ物、ちよつと目へちりが入てさへ邪魔にござるに、拙者がつよひといふ所    を申立るは過分ながら、つよいものでも、いたいのかゆいのといふにはかわる事のないはづ、理のない    事〟
    「鎌倉権五郎景政・鳥海弥三郎」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「源三位頼政・猪の早太」〔雲中の鵺(ぬえ)退治〕   〝(猪の早太曰く)主人頼政、近衛院の御宇、禁中にて仰せをうけ給り、雲中のあやしきものを射おとさ    れ、かしらは猿、むくろはたぬき、尾はくちなわ、手足は虎のごとくにて、なく声ぬえに似たり、(中    略)其後、二条院の御時、ぬえ禁中にないて、しば/\宸襟をなやまし奉り、先例にまかせ、又頼光に    仰付られ、射させられたり(中略)下に落て死かねますを、つゝとよつて取ておさへ、つかもこぶしも    とをれ/\と、つゞけざまに九刀ぞさいたりけり(云々)〟
    「源三位頼政・猪の早太」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「武蔵坊弁慶」〔五条大橋・若木桜の制札・七つ道具〕   〝(武蔵坊弁慶曰く)義経君につかへ、右筆を致し、此花江南所無也、一枝折盗の輩においては、天永紅    葉の例にまかせ、一枝を伐(キラ)ば一指を切(キル)べし、と梅の制札ゆゑ、江南ともこの花ともしたゝめた    所、今は桜の制札とはよつても付ぬ事〟    〈大田南畝は長崎から還る途中、須磨寺に立ち寄り、こう書き記している。「われ、此制札の文をうたがふ事久し「下     学集」に江南所無は梅の名と記せるが如く、范嘩陸凱が故事によらば梅なる事明らけし。いかなれば此制に桜とはか     けるよ(云々)」(『革令紀行』)。本来梅であるべきを「若木桜制札(須磨寺桜)」としたのは怪しからぬという、     当時のインテリ達の冗談である。『一谷嫩軍記』に出てくる弁慶の制札も無論桜である。その弁慶がここでは桜の制     札とは見当ちがいだという力む滑稽。「天永紅葉の例」とは鳥羽天皇の時代に、紅葉を折ると罰せられたという伝説     があるようだ。下出、守国の『絵本写宝袋』では〉
    「難波津の梅」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     〝(弁慶曰く)いかなれば、われらに七ッ道具といふ物をせをわせ、つく棒、さす股は、辻番の宿がへそ    このけ、のこ切、さいづちは大工とも見へ、まさかりは山伏か杣ではあるまいし、鉄の棒、長刀とも、    七ッ道具、なんぼ達者でも、此やうな当用でもない物を背負ては、身うごかしも不自由(云々)〟     〝堀河夜討の画に、土佐坊正俊をつらまへて尻馬にのらせられたは、小きみよく見へた〟     「二階堂土佐坊正順」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「仁田四郎忠常」〔猪・逆さま乗り〕   〝われらがゐのしゝにのつて居るを御覧なされ、さかしまにのつて、尾づゝをつかまへた絵すがた、ゐの    しゝとりが、ゐのしゝのはしる所をうしろあしをとらへて引くり返す、手ばしかいはたらきを致すも、    きやつめが力は首の方にあるゆへ、力のないうしろ足を、よし(本ノママ)無二無三にあたまのほうに気    があつて走る獣の、尻のほうをむいて乗て、尾づゝをつかまへたとて、たちまちすべり落るであらふか    と見ゆるやうなれど、猪のしゝを取ものが乗には、うしろ向にのる事のよし〟    〈「日本古典籍総合目録」によると『冨士野牧狩 こそてそが入』は元禄頃刊と元文二年刊とがあり、霞亭文庫本は元     文二年本の由〉
    「仁田四郎」画工未詳『冨士野牧狩 小袖そが入』     (東京大学附属図書館・電子版霞亭文庫)     ◇「草紙洗小町」〔草紙洗い・角盥(つのだらい)〕   〝草紙をたらひで洗ふ小野の小町の絵、口びるをうごかして、わらはが事を七小町とて、もとよりよみも    せず、其頃聞た事もない歌、其中にも、まかなくに何をたねとてうき草の浪のうね/\生しげるらん、    とよめる歌、万葉集にありと難ぜられ、其草紙を洗ひたれば、其歌水に洗落て、入筆のむじつをのがれ    たるとの事、さらさらおぼへのない事、一向歌の事をしらぬものゝつくりたるなるべし〟
    「草紙洗小町」橘守国画『絵本通宝志』所収     (金沢美術工芸大学・絵手本データベース)     ◇「紫式部」〔石山寺・大般若経・湖水の月〕   〝(紫式部曰く)源氏もの語を石山寺に通夜して書くとて、大般若経のうらに、須磨、明石の二巻より書    はじめたとの事、仏前の御経をどふして草紙のしたがきになるものぞ、すま、あかしより石山寺に通夜    して、湖水の月に趣向うかびて書はじめたるとは、心中の作意を人のしるべきやうもなし(云々)〟
    「紫式部」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)        ◇「女三の宮」〔猫・御簾・綱〕   〝(紫式部曰く)女三の宮の絵はかけゑにもあるゆへ、少しばかり申ますは、猫の綱をひかへて立給ふ所、    俗画にあるは大きな心得違、わかなの巻を御覧なさればしれる事、小さい猫の、まだなづかぬをつなぎ    置給へるを、大きな猫に追れて綱のもとが解て、つなを引かけながら出たる、其のひもがみすにかゝり    て、わきへ寄たる間から、おくに立てゐたまへる女三の宮を、柏木右衛門の見給へるよしを書たるなり〟
    「女三宮」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「花子(ハナゴ)(班女)」〔扇〕   〝私は吉田少将の妾はな子と申ものなるが、かたみの扇を持まして物くるはしかりしおり、はん女といふ    名になりました。はん女の扇といふは、もろこし班婕妤といへる女衆の、寵愛をとろへたるを、秋の扇    のすてらるゝにたとへたる事を、私名はおはんともいはぬに、いな事にて名となり、梅若のおふくろは、    是も吉田の少将といへるよりの事歟〟    〈謡曲『班女』では吉田の少将と狂女となった花子、『隅田川』では梅若丸の父が吉田何某、母は物狂いとなっている〉              ◇「六条の御息所」〔鬼女の面相〕   〝鬼女の面(六条の御息所)声を出し(中略)はんにやのめんといはるゝ事、はなはだの間違なり、もと    是は葵のうたひに、六条の御息所の怨霊の出たる処に、鬼女と葵のうへを心得違、葵の上の御なやみ、    みやす所の怨霊の鬼女を、大般若経をよみて降伏せらるゝ時、御経の声に恐れて、あらおそろしの般若    声や、などいふたを、其おそるゝ経の般若を鬼女の名に呼るゝは(中略)思ひちがひ〟    〈謡曲『葵上』前シテの六条の御息所が後シテでは鬼女となる〉     ◇「最明寺入道(北条時頼)」〔雪中・梅桜松の鉢木〕   〝最明寺殿例之通雪中の姿にて立出給ひ(中略)かの鉢の木のうたひに、梅桜松の事ありて(云々)〟
      「最明寺入道・佐野常世」奥村政信画『繪本武者兵勇士要石』所収     (東北大学附属図書館・狩野文庫データベース)     ◇「西行法師」〔風呂敷包みを背負う体・清水・柳〕   〝(西行法師曰く)拙僧も諸国修行いたした故、絵には、尻からげ、ふろしきづゝみをせおひて、今時の    願人坊主、鉢たゝきの有様、かやうにかゝねば諸国修行の体も見へず、歌よむとても其心ばせ成り、道    のべの清水ながるゝ柳陰しばしとてこそ立どまりつれ、とよめるも、遁世者の物に着せず、桑下にも三    宿せずとて、木の下にもさのみ夜をかさねてはとまらぬを、此柳陰の清水の優艶なるに、しばし立どま    りたる風流の雅情こそおもしろけれ〟    〈いわゆる「遊行柳」。西行は木陰にたたずんで「道のべの清水ながるゝ柳陰しばしとてこそ立どまりつれ」と詠んだ。     他に、西行の絵としては、笠などの旅装をわきに置いて富士を眺める「富士見西行」が有名〉     ◇「王質」〔棗の種〕   〝ひだるくない手あてはあるなるべし、王質がもらふてくふた棗(ナツメ)の核(サネ)のごとくなるものとあれ    ば、狐のあづき餅にてはあるまじ(中略)山へ入て碁を見るうちに、斧の柄がくさつたといふやうに、    われしらず月日が立てば、何百歳でも無益の義也 〟    〈貰った棗の種を食べて空腹を忘れ、そのまま囲碁を見ていたら、あっという間に時が流れていたという王質の異次元     話。出典は『列仙伝』。狐の好物は小豆飯という伝説があるようだ〉     ◇「菊慈童」〔菊・枕・二句の偈〕   〝(菊児童曰く)世に慈童とて菊のかたはらの童子の画、われら事、周の穆王の慈愛をうけたる童子故、    菊慈童とよばれ、誠の名はつたはらず(中略)穆王の空位を過てあやまちて、御枕の上をこへける罪に    より、酈県といふ所にながす、王猶あはれみて、二句の偈をひそかにさづく、是を書付置たる菊の葉の    露落ちて流るゝ谷水を汲て、みな上寿を保ち、八百余歳迄、慈童少年のかたちありて衰老の姿なし〟    〈「二句の偈」とは「具一切功徳慈眼視衆生 福寿海無量是故応頂礼」。枕に書付けられたこの文を菊の葉に写すと、     葉上の露が霊薬になって菊慈童は長寿を保ったという〉
    「菊潭児童」橘守国画『画本鶯宿梅』所収     (東北大学附属図書館・狩野文庫画像データベース)     ◇「東方朔」「西王母」〔桃〕   〝東方朔が事、列仙伝の西王母が条下にみれば、三千年に一度みのる桃を三つぬすむといへる(云々)〟     ◇「蝦蟇先生(侯先生)」〔蝦蟇蛙〕   〝蝦蟇先生なども、列仙伝に、すなはち侯先生といへるかへる也〟
    「侯先生」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)       ◇「鉄拐子」〔自分の分身を吹き出す〕   〝鉄拐子の自分のかたち吹出す事、列仙伝にこそなけれ、世々つたへて、人みなしる、今の世の見世物芝    居へでも出したらば、銭にもならふが、自分なぐさみばかりには詮のなき事、毎日吹出しても、たま/\    吹出しても、益なき事なるべし〟
    「鉄拐先生・侯先生」橘守国画『絵本通宝志』所収     (金沢美術工芸大学・絵手本データベース)       ◇「武志士」〔青布の橋〕     ◇「陳楠」 〔大水に笠・龍を昇天させる〕
    「陳楠」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)
    「陳楠」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「琴高」 〔鯉に乗る〕        「金高」橘守国画『絵本直指宝』所収     (東北大学附属図書館・狩野文庫画像データベース)        ◇「子英〕 〔赤鯉に乗る〕
    「子英」橘守国画『絵本故事談』所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)              ◇「黄安」 〔亀に座る〕
    「黄安仙人」橘守国画『絵本故事談』所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)      ◇「盧敖〕 〔亀に乗る〕     ◇「王子喬」〔鶴に乗り笙を吹く〕     ◇「費長房」〔鶴に乗る・壺に入る・重陽の日、茱萸袋を臂にかげ高き所に登り菊酒を飲む〕     「黄鶴仙人」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)      ◇「丁令威」〔鶴に化して華表(記念碑)にとまる〕     ◇「張果(通玄先生)」 〔白驢に乗る・瓢簞から駒を出す〕
    「張果」橘守国画『絵本故事談』所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)
    「通玄先生」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「張九歌」〔布紙をハサミで切り蝶にして飛ばす〕
    「張九哥」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「黄初平」〔石を羊に変える〕     ◇「吾猛」〔手に白羽扇を執り、白鹿車に乗つて江を渡る〕
    「呉猛」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「久米の仙人」〔洗濯女・通力を失い雲から転落〕   〝(久米の仙人曰く)いかにもとが好物だとて、一たん仙人にも成たもの、ゐなか女のせんたくして居る    ふともゝが白いとて、たけのしれたふとい足付、うそぐさそうなまたぐらを見て目をまわし、雲のうへ    から落た所、惣じて仙人の画は、奇妙不思議をあらはす仙術の所をこそかくものなれ、拙者ばかりは、    通を失なつたしくじりの所をかきます、何も奇妙はいたさず、雲から落る所計世に残るは、いかなる因    果でござるやら〟
    「久米の仙人」橘守国画『絵本故事談』所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)       ◇「予譲」〔衣服を切り裂き仇を討つ〕
    「予譲」橘守国画『絵本写宝袋』所収        ◇「源仲国・小督」〔月下、屋内で琴を弾く小督に、折戸の前で横笛を吹く馬上の仲国〕
    「源仲国・小督」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)      ◇「業平東下り」〔騎乗・富士・仕丁〕
    「業平東下り」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「小野道風」〔柳の枝・取り付く蛙〕
        「小野道風」橘守国画『絵本故事談』所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)     ◇「近江の兼女」〔馬の手綱を足駄で踏む〕
    「近江の金女」橘守国画『絵本故事談』(正徳四年刊・1714)所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)     ◇「肖柏」〔僧侶・牡丹花・牛に乗る〕
    「肖柏」西川祐信画『絵本倭比事』(寛保二年刊・1742)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)     ◇「林間煖酒焼紅葉」〔仕丁・紅葉・焚き火・鍋金輪〕
    「林間煖酒焼紅葉」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「鶯宿梅」〔梅・紀貫之・紀内侍・「勅なれがいともかしこし~」の歌〕
    「鶯宿梅」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「鸚鵡小町」〔老婆・「雲の上はありし昔に~」の歌〕
    「鸚鵡小町」橘守国画『絵本写宝袋』所収     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「蟻通」〔大雨・馬の貴人(紀貫之)・老人(蟻通明神)〕
    「蟻通」橘守国画『画典通考』(享保十二年刊・1727)所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)
    「蟻通」橘守国画『絵本直指宝』(延享二年刊・1745)所収     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)      ◇「壬生忠見」〔子供・竹馬〕
    「壬生忠見」橘守国画『画典通考』所収     (早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)     ◇「草苅山路」〔横笛を吹く少年、牛に乗る・籠に刈草〕
    『やうめい天わう』署名なし     (東京大学附属図書館・電子版霞亭文庫・古浄瑠璃本)     ◇「松風・村雨」〔塩組み・藻塩焼・苫屋・浜松・在原行平〕
    「松風村雨」画工未詳『松風村雨』(刊年未詳)     (大阪大学附属図書館・赤木文庫・古浄瑠璃目録)     ◇「雨乞小町」〔池の畔に小町が立ち・池に小さな帆船〕
    「雨乞小町」画工未詳『七小町』(延宝五年刊・1677)〈刊年は「日本古典籍総合目録」に拠った〉     (大阪大学附属図書館・赤木文庫・古浄瑠璃目録)     ◇「河津三郎・俣野五郎」〔相撲・河津掛け〕
    「河津三郎・俣野五郎」画工未詳『曽我物語』(刊年未詳)     (大阪大学附属図書館・赤木文庫・古浄瑠璃目録)     ◇「大森彦七」〔背中に鬼女・刀を抜かんとする所〕
    「大森彦七」画工未詳『太平記』(刊年未詳)     (大阪大学附属図書館・赤木文庫・古浄瑠璃目録)     ◇「渡辺綱」    〔黒い渦巻雲・鬼女、綱の髻を掴む・綱、髭切丸にて鬼女の腕を切り落とす〕
      「渡辺綱」橘守国画『絵本写宝袋』(享保五年刊・1720)     (東北大学附属図書館・狩野文化データベース)     ◇「文覚荒行」    〔雪中の那智の滝・滝壺で荒行する文覚・右の矜羯羅(コンガラ)童子と左の制多迦(セイタカ)童子に助けられる〕
    「文覚荒行」橘守国画『絵本写宝袋』(享保五年刊・1720)     (九州大学デジタルアーカイブ)        ◇「梶原二度の馳」    〔梶原平三景時馬を返して、兜を落とし劣勢の我が子源太景季を救う。景季は箙に梅を挿して闘う〕
    「梶原二度の馳」橘守国画『絵本写宝袋』(享保五年刊・1720)     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「草摺引き」〔曽我五郎の草摺を引く朝比奈三郎・朝比奈は鶴丸の家紋〕
    「朝比奈草摺を引」橘守国画『絵本写宝袋』(享保五年刊・1720)     (九州大学デジタルアーカイブ)     ◇「富士見西行」〔富士山・墨染め衣〕
    「富士見西行」橘守国画『絵本故事談』(正徳四年刊・1714)     (東北大学附属図書館・狩野文化データベース)     ◇「平維茂」〔戸隠・紅葉・鬼女〕
    「平維茂」橘守国画『絵本故事談』(正徳四年刊・1714)     (東北大学附属図書館・狩野文化データベース)     ◇「児島高徳」〔桜の幹に十字詩「天莫空勾践 時非無范蠡」を刻む〕     「児島高徳」橘守国画『絵本故事談』(正徳四年刊・1714)     (東北大学附属図書館・狩野文化データベース)     ◇「左慈」〔盆の中から魚(松江の鱸)を釣り上げる〕
    「左慈」橘守国画『絵本故事談』(正徳四年刊・1714)     (東北大学附属図書館・狩野文化データベース)     ◇「周茂叔」〔乗船・蓮見〕
    「周茂叔」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)      ◇「李太白」〔瀑布を観る〕
    「李太白」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)      ◇「黄石公・張良」〔橋上の黄石公・沓を差し出す張良〕
    「黄石公・張良」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)      ◇「許由・巣父」〔耳を洗う許由・牛を牽く巣父〕
    「許由・巣父」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)     ◇「太公望」〔釣り糸を垂れる〕
    「許由・巣父」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)     ◇「玄宗皇帝・楊貴妃」〔床几台に座す玄宗と楊貴妃・楊貴妃は横笛を吹く〕
    「玄宗皇帝・楊貴妃」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)     ◇「虎渓三笑」〔渓谷の橋上で笑う慧遠・陸修静・陶淵明〕
    「虎渓三笑」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)     ◇「三聖吸酢(三酸図)」    〔大甕の酢を嘗めて酸味を共感する老子(黄山谷)と孔子(蘇東坡)と釈迦(仏印禅師)〕
    「三酸図」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)      ◇「大黒(七福神)」〔俵・小槌・白鼠〕
    「大黒」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)      ◇「寿老人(七福神)」〔杖・鹿・軍配〕
    「寿老人」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)       ◇「四睡図」〔眠る豊干・寒山・拾得・虎〕
    「四睡図」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)
      「風流四睡」高嵩谷画     (「お気楽な日本美術」というサイトに出ていた画像です)      ◇「林和靖」〔梅・鶴〕
    「林和靖」大森善清画『絵本唐紅』(元禄末年刊・1700頃)     (金沢美術工芸大学附属図書館・絵手本データベース)     ◇「源博雅」〔横笛・朱雀門・鬼〕
    「源博雅」橘守国画『画本鶯宿梅』所収     (東北大学附属図書館・狩野文庫画像データベース)     ◇「宇治川先陣」    〔川中、駻馬生食(イケズキ)に乗って先駆けする佐々木高綱・岸で真っ黒な摺墨(スルスミ)の腹     帯びを締め直す梶原景季〕
    「佐々木梶原を欺く」橘守国画『画本鶯宿梅』所収     (東北大学附属図書館・狩野文庫画像データベース)     ◇「赤松弾正・長山遠江守の闘い」〔大鉞を打ち込む長山、怪力で大鉞を折って奪う赤松〕     「赤松弾正・長山遠江守」橘守国画『画本鶯宿梅』所収     (東北大学附属図書館・狩野文庫画像データベース)
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