Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
☆ ますかがみ かつよ 増鏡 勝代浮世絵事典
 ◯『増訂武江年表』2p143(斎藤月岑著・明治十一年成稿)   (安政二年・1855)   〝二月十八日より八十日の間、浅草寺観世音開帳。貴賤男女日々参詣群集せり。同寺奥山に大坂下り活人    形(イキニンギヨウ)といふ見せもの出る。肥後国熊本なる松本喜三郎といふ者造る所なり。木偶にあらず泥塑    にあらず、紙糊(ハリヌキ)のものと云ふ。手長島、足長島、穿胸国、無腹国其の外異国人物、丸山遊女の偶    人等多く、男女とも活ける人に向ふが如し。又竹田亀吉作大象の作り物あり。見物群れをなす。又同所    にて、去年浪花に趣きて横死せし俳優市川団十郎(八代目)が肖像、狂言に出立(イデタチ)たる形、楽屋    のさま、極楽へ至り成仏のさまなど作りて看せ物とす。普通の細工なれど、贔屓大かりし俳優の自尽を    いたみし折から故、おのづからにして見物群集せり。細工人竹田縫之助清一なり。又軽わざ綱渡りの上    手増鏡勝代といふも、同所へ出て見物多し〟