Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
☆ まっさきいなり 真崎稲荷浮世絵事典
 ◯『後はむかし物語』〔燕石〕①330(手柄岡持著・享和三年(1803)序)   〝真崎稲荷はやり出て、田楽茶やの出来たるは、我二十二三歳【宝暦六七】の頃なるべし、鳳岡先生の会    日に、其はなしを初て聞けり、江戸町の名主は先生の門人にて、其男が、別て甲子屋と申茶やの田楽は    よしと申也など、先生に語りしを聞けり、其後大に繁栄し、青楼の婦人をいざなひて遊ぶ人も多かりき、    向ふ島の秋葉は、今信仰薄くなりて淋しけれど、茶やの賑ひは替わず、真崎は神威とともに茶屋もおと    ろへたり、真崎は、手前の角若竹や【後袖すりや】又甲子屋、川口屋、玉屋、いね屋、仙石屋、きり屋    【道を隔て】八田屋など、いづれも繁昌なりき〟    〈鳳岡先生とは書家の関鳳岡。江戸町は吉原の町名〉