○『判取帳』四方赤良編 天明三・四年頃(1783-4)成る
〝真桑売りをよめる
よい種をたんとまくはのうりつるにこがね花咲実のなる子村 山道高彦〟
◯『江戸名物百題狂歌集』文々舎蟹子丸撰 岳亭画(江戸後期刊)
(ARC古典籍ポータルデータベース画像)〈選者葛飾蟹子丸は天保八年(1837)没〉
〝真桑瓜
山吹にまがふばかりの花咲てこがねのいろになる子瓜かな
つけ出す小荷駄の鈴もいさましくなるこの町に来る真桑瓜
真桑瓜二ッにわれば水もちし片われ月と見ゆるなつの夜
口なしの色とこそみれ真桑瓜ものをいはずとしれた名所
もてなしのふかきにつけて堀井戸のむか◯にもむく真桑瓜
盗人はいとふなる子の瓜ばたけきしのみどりははやしなすとも
いちはやく鳴子をいでゝはつ物ととりはやさるゝ真桑瓜かな
山城のこまのわたりにおとらめや轡のなるこつけいだす瓜(画賛)〟
〈新宿の鳴(成)子村の名産〉