◯『近世風俗史』(『守貞謾稿』)巻之十二「女扮下」②248
(喜田川守貞著・天保八年(1837)~嘉永六年(1853)成立)
〝片はづし・高島田ともに浮世絵には専ら真を写さず。左図のごとくに片外し匍匐(ホフク)せず、島田も前
高背低ならず、これに反して絵(エガ)く。これその画面の美を専らにして真を失す。後世の人、今世の
絵をもつて真と思はば、その違ひあることを患(ウレ)へて特にこれを図す。
(「浮世絵片外し曲」の図版あり)
また浮世絵に片外し、島田、児曲の三品は画けども、紅葉上げ、島田崩しを画けるものをいまだこれを
見ず。画面美ならざるの故なり〟