Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
☆ こうもりがさ 蝙蝠傘浮世絵事典
 ◯『増訂武江年表』2p213(斎藤月岑著・明治十一年成稿)   (慶応三年・1867)   〝此の頃、西洋の傘を用ふる人多し。和俗蝙蝠傘(コウモリガサ)といふ。但し晴雨ともに用ふるなり。始めは武    家にて多く用ひしが、翌年よりは一般に用ひる事になる〟  ◯『明治東京逸聞史』①p114(明治十七年(1875)記事)   〝新年附録〈開花新聞一七・一・四〉     同新聞の同じ号に、「本日は例により甚だ不趣向な附録を添へ、お年贄(トシダマ)のしるしの進呈致し    ます」としている。何かと思ったら、後に四張を増して、「開花競八賢士」というものを附しているの    がそれで、八犬伝中の人物に明治の事物を取合せた絵を、浮世絵師に描かせ、上に戯文を添えているの    だった。その中の一つに、犬山道節が闇夜に蝙蝠傘をかついでいたりしている。山高帽の官吏風の人物    が、犬飼現八と並んで、絵画共進会で絵を見たりしている。しかしこれはいいと思うような趣向は見ら    れぬのが物足らぬ。蝙蝠傘も、あまり使われると鼻につく〟