◯『増訂武江年表』2p46(斎藤月岑著・嘉永元年脱稿・同三年刊)
(文化九年・1812)
〝此の秋、音羽町二丁目、三丁目あたりの西の裏手に、上水の余りを引きて滝をこしらへ玉水簾と号す。
高さ一丈五、六尺、幅一間余有り、左右山を作り四時の花木を栽へて、側に茶店を出し、往来の人の休
み所となす。天保の始めより廃れたり。
深山より落くる滝の玉すだれかゝげてぞ見る水無月の空 蜀山人
けふぞ見るこゝも音羽の音高くきゝわたりぬる滝の岩浪 県麿〟
〈蜀山人は大田南畝。県麿は斎藤幸考。神田雉子町の名主で月岑(幸成)の父〉