Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
☆ けころ ケコロ浮世絵事典
 ◯『塵塚談』〔燕石〕①282(小川顕道著・文化十一年(1814)成立)   〝けころといふ妓女の事、天明の末迄、下谷広小路、同御数寄屋町、提灯店【異名也】、同仏店【是も異    名也】広徳寺前通り、浅草堀田原辺、其外諸所にあり、是も一間の家に弐三人ヅッ限りに、出居る事也、    花費(ハナダイ)は弐百文ヅヽにて、いづれも美容貌を選び出したり、毎月大師縁日三日、十八日は、未明    より出店あきなひせし也、寛政已来、此売女絶てなし〟    ◯『宝暦現来集』〔続大成・別巻〕⑥141(山田桂翁著・天保二年(1832)自序)   〝寛政二三年迄は、上野大師朝参り迚、三日十八日には明七ツ時より、参詣群集しけり、其頃は広小路裏    表ともに両側、夫より五条天神表裏折廻し、仏店とて、一円にけころと名付切売の売女あり、何も娘風    俗にして、十五六より二十二三を限りて、いかにも譁(ヤサ)がたにして、二百文の切売繁昌しけるが、隠    売女一統御取払の砌、是も取払になりける、夫よりして上の大師朝参りは、いつとなく朝参る人さらに    なし、さすればけころへの参詣にて、大師は附たりか、誠に有信増進はなく、物見遊山なるか、今浅草    観音参詣朝参りもあれど、多く遊山の心より発して、参詣の心になる人多し、信より発し参詣する人、    百に一人もありや〟    ◯『増訂武江年表』2p(斎藤月岑著・嘉永元年脱稿・同三年刊)   (天明年間・1781~1788)   〝ケコロといへる茶屋女、下谷広小路御数寄屋町、同提灯店、仏店、広徳寺前堀田原辺、其の外諸所にあ    りしが寛政以来これなし〟