◯「江戸座談会」(『江戸時代文化』第二巻第四号 昭和三年五月刊)
(国立国会図書館デジタルコレクション)16/36コマ
(大槻正二談)
〝木戸芸者といふは芝居町の太鼓持(男芸者)であります。芝居の帰りに芝居茶屋で、芸者などを上げて騒
ぐ時に呼ぶもの、役者の声色などを使はしたり、色々の芸をさせて座をもたせるによぶのです、私の知
つて居る木戸芸者は、玉金と〆八と二人でした。玉金は猿若町二丁目の役者新道に行かうとする横町に
居ました。昔は十一月の顔見世の時に、鼠木戸の所で「こわいろ」をつかつたそうです。これは来年出
る役者のこわいろでありましよう〟