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☆ ふなまんじゅう 船饅頭浮世絵事典
 ◯『をみなへし』〔南畝〕①6(四方赤良詠・明和(1764~1771)頃)   〝船饅頭    こがれよるまんぢうの名に立てこの川竹のよをふかすらし〟    ◯『娯息斎詩文集』(闇雲先生作・当筒房・明和七年(1770)刊)   (国立国会図書館デジタルコレクション)   〝舩饅頭    舟を繋ぐ辻番の傍ら  値(あた)は賤(やすふ)して鼻落ちんと欲す    皺は深し振袖の情   人を留(とゞ)むること更に幾度(いくたび)ぞ  ◯『通詩選諺解』〔南畝〕①498(四方山人選・天明七年(1787)刊)   〝永久夜泊【永久橋は崩橋の北にあり】    鼻落声鳴篷掩身(鼻落ち声鳴つて篷(トマ)身を掩ふ)    饅頭下戸抜銭緡(饅頭下戸銭緡(ゼニサシ)を抜く)    味噌田楽寒冷酒(味噌田楽の寒冷酒(カンザマシ))    夜半小船酔客人(夜半の小船客人を酔はしむ)    船饅頭は食類にあらず、船中の遊女をいふ。古ぼちや/\のおちよといへる高名の遊女ありしとかや    【英一蝶朝妻舟賛】あだしあだなみよせてはかへる波枕といへるもこの類にしてひんのよき物なり〟    〈参考までに『唐詩選』の原詩を引いておく〉    「楓橋夜泊  張継     月落ち烏啼て霜天に満つ 江楓 漁火 愁眠に対す     姑蘇城外の寒山寺    夜半の鐘声 客船に到る」    ◯『岡場所遊郭考』〔未刊随筆〕①19(石塚豊芥子著・天保十三年以降の稿本)   〝船饅頭 深川井ノ堀より、行徳河岸、永久橋 永代橋 八丁堀稲荷橋へ出る        チヨンノ間三十二文〟