◯『我衣』〔燕石〕(加藤曳尾庵著・文政八年(1825)以前成立)
◇①167
〝寛永の頃、水木辰之助といふ野郎、京より下りて、丸きひたい帽子をかけたり、是より前は、前髪かづ
らを付、紅の切にて鉢巻をしたり。其後元禄のころ、萩野沢之丞とて京下りの野郎、さがり帽子を始む、
是を沢之丞帽子と云〟
◇①220
〝宝暦元年、大坂より中村富十郎と云若女形下る、寒風を防がんため、紫ちりめんにて帽子を製たり、時
の若女是をかぶりたり、男もかぶるもの有、
(* 図あり)
其時の人、是を大明頭巾と云、甚だ見ぐるしきものなり〟