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☆ えぞうしうり 絵双紙売り(読売・かわら板)浮世絵事典
 ☆ 元禄三年(1690)    ◯『人倫訓蒙図彙』巻四(蒔絵師源三郎画・元禄三(1690)年刊)〔東洋文庫519〕   〝絵双紙売(ゑさうしうり)    世上にあらゆるかはつたる沙汰、人の身の上の悪事、万人のさし合をかへりみず、小哥につくり、浄瑠    璃に節付て、つれぶしにて、よみたる也。愚(グ)なる男女老若の分(ワカチ)なく、辰巳(タツミ)あがりのそゝ    り者、是をかい取て楽(タノシミ)となす、誠に游民のしわざ、なきに事かゝぬ商人也〟    〈世のスキャンダルを商売の種にする絵草紙売り、無用の存在だとその評判は甚だ宜しくない〉
   『人倫訓蒙図彙』「絵双紙売」 蒔絵師源三郎画(京都大学附属図書館「貴重資料画像」)  ☆ 享保八年(1723)    ◯『江戸町触集成』第四巻 p145・触書番号5850(近世史料研究会編・塙書房・1998年刊)   (享保八年(1723)二月十九日付触書)   〝  覚    男女申合ニ而相果候者之儀、自今ハ死骸取捨、一方存命候ハヽ下手人申付、尤死骸弔候事停止可付候、    且又双方存命候ハヽ、三日さらし候上、非人手下ニ可申付候事    一 惣而此類、絵草紙并かふき狂言ニ作候事、堅仕間敷候、若相背候ハヽ急度可申付事    右之趣被仰度候間、町中江可申付事      卯二月    右は二月廿日御触、同廿二日喜多村ニ而名主致請判候〟    〈心中を絵草紙と歌舞伎狂言にすることを禁じたものだが、ここに云う絵草紙とは読売の絵草紙のことである〉