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☆ 絵本戯場年中鑑(えほんしばいねんちゅうかがみ)浮世絵事典
 ☆ 享和三年(1803)       筆禍『絵本戯場年中鑑』(歌舞妓)       処分内容 絶板             ◎作者 篁竹里(記載なし)◎画工 歌川豊国(記載なし)            ◎板元 蔦屋重三郎 浜松屋幸助(記載なし)       処分理由 芝居上の秘密漏洩       〈宮武外骨は絶板処分を疑問視する〉  ◯「絵本戯場年中鑑」(宮武外骨著『筆禍史』p97)   〝篁竹里の著にして、挿画は歌川豊国の筆なり、全三冊、劇場に於ける正月の仕初より十二月の舞納に至    る迄の行事を記し、衣裳小道具等の図をも出せるものなるが、劇道の秘密を漏らせしとて「芝居太夫元    より擦当を受け絶版となりしものと伝ふ」と浅草文庫蔵本の添書にあれど、此類の羽勘三台図会、芝居    年中行事、戯子名所図会、戯場楽屋図会、戯場訓蒙図彙等、此前後に於て刊行されしもの多くあるに、    何等の事なくして、只特に此書のみが擦当を受けしといふこと、其真否判定し難し     〔頭注〕戯場年中鑑    役者の似顔絵をよくし、亦劇道通たりし初代歌川豊国の筆なれば、其妙趣賞玩に余りあるものなり〟    〈「擦当」は察斗(咎め)か。絶板の記事は「浅草文庫蔵本の添書」にある由だが、宮武外骨は疑問視している〉
   『絵本戯場年中鑑』 篁竹里著・歌川豊国筆(東京大学付属図書館・電子版「霞亭文庫」)