☆ あさぎ 浅黄(着物の色)
◯『賤のをだ巻』〔燕石〕①234(森山孝盛著・享和二年(1802)序)
〝其頃は、衣類の袖口も芥子ぐゝりとて、いかにも細くくゝりて、色も浅黄など専ら用ひたりしに、翁が
八九の頃より、はや浅黄はすたりて、昔物とて人は嫌ひたり、翁が子心にも、ねぶたくて好ましからぬ
色なりけり、ましてや若盛の人などは、浅黄の衣類きることなし、然るに近頃に至りて、宝暦の頃より
又浅黄流行出て、若き女、伊達を好む遊人などは、専ら浅黄を用ひたり〟
〈「翁(著者森山孝盛)八九の頃」とは延享二、三年(1745~6)の頃〉
☆ あさぎ 浅黄(「水絵」参照)
◯『反故籠』〔大成Ⅱ〕⑧252(万象亭(森島中良)著・文化初年成立)
(「江戸絵」の項)
〝錦絵の出はじめの比浅黄といふ物あり。藍紙紅鼠色草の汁にて墨板を用ゐず、採蓮船・邯鄲・赤壁の様
なる唐図を摺たるみよし四ッ切の絵にて、北尾重政の筆多かりし〟
〈これは今でいう「水絵」のことだが、錦絵の出始めの頃とあるから明和二年頃の作品をいうのであろう〉