☆「貞享元年(二月二十一日改元)甲子」(1684)
(浮世絵)
・正月、師宣の画にて『浮世続』『団扇絵つくし』『大和侍農絵つくし』出版。
又吉田半兵衛の挿画にて『あまやどり』三冊出版
・十月、蒔絵師源三郎の画にて『俳諧女歌仙』出版。又源三郎の傑作、西鶴の『好色二代女』も今年の出
版なり 〔以上二項『【新撰】浮世絵年表』〕
(一般)
・八月、勧進寄相撲御免仰せ付け被れ候に付き、深川八幡宮境内にて始めて興行す 〔『増訂武江年表』〕
☆「貞享二年 乙丑 六月閏」(1685)
(浮世絵)
・正月、師宣筆にて『古今武士道絵つくし』『名古屋山三郎婲男情の遊女』出版
・二月、師宣画の『諸職絵本かゞみ』三巻出版
〈国文学研究資料館「日本古典籍総合目録」の統一書名は『和国諸職絵尽』。下記『筆禍史』「諸職絵尽」参照〉
・四月、師宣の画にて『源氏大和絵鑑』出版
・六月、吉田半兵衛挿画にて『稲野笹有馬小鑑』出版
・七月、吉田半兵衛『伊勢物語』に画きて出版 〔以上五項『【新撰】浮世絵年表』〕
〈浮世絵年間〉
・浮世絵師菱川師宣筆にして全編四巻なり、其第二巻中に武家の専用たる甲冑製作の図を掲出せしは不都
合なりとて、一時其売買を禁ぜられたるが、後数年にして其禁を解かれたりといふ。何等記録の現存す
るものなく、此説の真偽不詳なり
〔頭注〕甲冑師の図
元禄三年京村上平楽寺の開板にかゝる『人倫訓網図彙』にも甲冑師の図あり、又宝永末年頃の版本『職
工絵鏡』には『諸職絵尽』と同筆の図を出せり 〔『筆禍史』「諸職絵尽」〕
『和国諸職絵つくし』 菱川師宣画(早稲田大学図書館「古典籍総合データベース」)
〈上記「古典籍総合データベース」本の巻末には「貞享二年丑二月吉日 絵師 菱河師宣」とある〉
☆「貞享三年 丙寅 三月閏」(1686)
(浮世絵)
・三月、吉田半兵衛の画にて『好色訓蒙図彙』出版
・九月、師宣の画にて『和歌の手引』五巻。『二十四孝諺解』出版
又此月『能訓蒙図彙』『諸国名所和歌百人一首』等の絵入本あり。〔以上二項『【新撰】浮世絵年表』〕
〈浮世絵年間〉
・此年、吉田半兵衛の絵入本にて西鶴作の『好色一代女』『好色五人女』『好色三代男』等あり
又西鶴作にて、蒔絵師源三郎の絵入本『近代艶隠者』も此年の出版なり 〔『【新撰】浮世絵年表』〕
☆「貞享四年 丁卯」(1687)
〈浮世絵年間〉
・此年、鳥居清元一家大阪より江戸に移転せりといふ。時に四十三歳なり
・此年、鳥居彦兵衛、松月堂不角の作なる浮世草子『男色花の染衣』に画く
・此年、菱川師宣、其角の『吉原五十四君』及び西鶴の『好色一代男』江戸版に画く
又吉田半兵衛『山路の露』に画く
・此年、蒔絵師源三郎の挿画にて『撰集抄』出版せり 〔以上四項『【新撰】浮世絵年表』〕
☆「貞享年間記事」
(浮世絵)
・此頃、河合翰雪なる絵師あるも、伝詳ならず 〔『【新撰】浮世絵年表』〕