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浮世絵師総覧元治元年(文久四年・1864)浮世絵年表一覧
 ☆「元治元年(二月二十日改元)甲子」(1864)    ◯『増訂武江年表』2p199(斎藤月岑著・明治十一年成稿)   〝正月九日、暁八時過ぎ、北東風烈しく、深川永代寺門前仲町より失火して、山本町、黒江町、蛤町河岸    迄焼く。吉原町娼家の僑居(カリタク)も悉く焼亡に及び、夜明けて鎮まる〟   〝正月二十六日、酉中刻、吉原江戸町一丁目娼家大口屋文右衛門宅より出火(去戌年災後あらましに家作    なりしが、再度焼けて、仮宅は尚引続き深川本所に於いて商売す)〟   〝三月十日より三十日の間、谷中延寿寺日荷上人像開帳。参詣等多し〟   〝三月十二日より六十日の間、伝通院内福聚院(三国伝来三神具足)大黒天開帳(境内見せ物奉納物等多    し。参詣群集す)〟   〝(三月)浅草寺奥山竹田縫之助が作にて、活人形見せ物出る。懐胎の女腹内を開き(懐胎十月の形を見    せものにに出しけるは、両国橋手前にあり)、十月の形かはらする細工、其の外偶人の働きあり〟   〝四月二十二日、暮六半時過ぎ、猿若町三丁目芝居付茶屋筑前屋喜七が宅より出火、同町一丁目二丁目三    丁目、三座の芝居(類焼)〟   〝六月十五日、山王権現祭礼、神輿行列のみ恒例の道筋を渡し奉り、産子の町々より車楽邌物等は出さず、    よつて夕八時頃本社へ還輿あり〟   〝十一月酉の日、下谷坂本町二丁目要伝寺、巣鴨霊感院、鮫が橋本迹寺(何れも法華宗なり)等にて酉の    祭始まり、これより年々詣人多し(竹把(クマデ)、芋頭等を售(アキナ)ふ)〟   〝十二月十五日、浮世絵師二世歌川豊国死す(七十九歳、元祖豊国の門人にして、始めは一雄斎国貞と坊    し、又五渡亭、香蝶楼、梅戸など称し、通称は角田庄蔵といふ。文化より六十年来世に行はれたり。亀    戸、光明寺に葬す)〟    ◯『【新撰】浮世絵年表』p241(漆山天童著・昭和九年(1934)刊)   〝十二月十五日、初代歌川国貞歿す。行年七十九。(国貞は初代豊国の高弟にして三代豊国となれり。姓           は角田、俗称庄蔵、本所五ッ木の渡船場の株を有せし人にて五渡亭と号し、又香蝶楼と           も号せり。師の豊国と同じく役者似顔を画くに堪能なり)    正月、立祥広重の『絵本江戸土産』九・十編出版       玉蘭斎貞秀の『万象写真図譜』出版    七月、清水為斎の『為斎画式』出版    此年、清水芳玉女の画かける『八犬伝画面狂歌集』あり〟