Top            『鼠璞十種』            浮世絵文献資料館
    鼠璞十種              ま行                 ☆ またべい うきよ 浮世 又兵衛  ◯『橘窓自語』上218(橋本経亮著・享和元年(1801)成)   〝土佐又平、浮世又平などいふは、大津絵をかきはじめたる人にて、画所の土佐流にはあらず。其父荒木    摂津守といふ人にて、信長に仕へて軍功あり。信長摂津国をあたへたりしが、信長の命にたがひて自殺    せし時、又兵衛二歳の小児なりしを、乳母いだきて、いまの西本願寺の子院にかくれ、母の氏をかり、    岩佐と称せしが、成長の後、織田信雄につかへ、画をこのみて一家をなし、当時の風俗をうつすことを    得たるより、世の人浮世又兵衛と呼べり。又、又平ともかけり〟     ☆ もろのぶ ひしかわ 菱川 師宣    ◯『高尾追々考』上48(著者未詳・嘉永五年以降)   (「道哲寂日の不審考」の項)   〝道哲は、寛文、延宝、天和はさら也。元禄の末迄ながらへし者なる事を思ふべし。さらばかの延宝六年    の菱川が筆に見えたる者、及天和の画巻なるものは、存生中の肖像なりけり〟    〈「延宝六年の菱川が筆」とは『吉原恋の道引』のことか。「天和の画巻」は未詳〉