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享保元年（正徳六年）～ 二十年（1716 ～ 1735）版本年表一覧

　　※〔漆山年表〕　　：『日本木版挿絵本年代順目録』　〔目録ＤＢ〕：「日本古典籍総合目録」
　　　〔日文研・艶本〕：「艶本資料データベース」　　　〔狂歌書目〕：『狂歌書目集成』
　　　〔霞亭文庫〕　　：「電子版霞亭文庫」東大　　　　〔早大〕　　：「古典籍総合データベース」
　　　〔小咄〕　　　　：『江戸小咄辞典』　　　　　　　〔噺本〕　　：『噺本体系』
　　　「日本古典籍総合目録」国文学研究資料館
　　　『赤本黒本青本書誌』「赤本以前之部」木村八重子著・平成二十一年(2009)刊
　　　『浮世草子考証年表－宝永以降』長谷川強著・昭和五十九年(1984)刊
　　　「江戸顔見世番付諸板一覧」『近世文芸　研究と評論』34-36号
　　　『稗史提要藁本』比志島文軒(漣水散人)編・天保年間成稿
　　　『黄表紙總覧』前編　棚橋正博著・日本書誌学大系48・昭和六十一年刊
　　　『吉原細見年表』八木敬一、丹羽謙治共編・平成八年(1996)刊
　　　『洒落本大成』中央公論社・昭和五十三年(1978～1988)刊
　　　『草双紙事典』叢の会編・2006年刊
　　　　◎は表示不能文字
　
　☆　享保元年（正徳六年）(1716)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保元年刊）
　　　大森善清画
　　　『新うすゆき物語』大本五巻　　絵師大森善清　　序　竹馬堂守一　川勝五郎右衛門板
　　　『雛形都問答』　　半紙本四冊　画工大森善清歟　小林善右衛門他板
　　　西川祐信画
　　　『絵本園若草』大本三巻　西川祐信画　有疑　本書、祐信画譜による
　　　奧村政信画
　　　『武家職原抄』小本二巻　政信筆　跋　橘重庸　丙申年二月　山田屋三四郎板
　　　　〈「日本古典籍総合目録」は享保二年刊〉
　
　◯『浮世草子考証年表－宝永以降』（享保元年刊）
　　　古山師重画
　　　『江戸紫』推定　石川流宣著　画工　古山師重画　
　　　　　　　　刊記「正徳六甲申年正月吉日　武州芝神明前　山田屋三四郎版行」
　　　　　　　　　〈「年表」は「貞享三年八月刊『好色江戸紫』の解題本」とする〉
　　
　◯「艶本年表」（正徳六年刊）
　　　西川祐信画
　　　『好色一代能』墨摺　横本　三冊　正徳六年　序「作者自笑」〔日文研・艶本〕 
　　　『風流色八景』三冊　西川祐信画　正徳六刊？〔目録ＤＢ〕（注記「日本艶本目録（未定稿）による」）
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇絵本（享保元年・正徳六年刊）
　　　奧村政信画
　　　『恋のゆかり』五冊　奧村政信画（注記「古版小説挿画史による」）
　　　西川祐信画
　　　『雛形都風俗』五冊　西川祐信画>
　　◇浮世草子（享保元年・正徳六年刊）
　　　古山師重画
　　　『武道江戸紫』五冊　古山師重画　石川流宣作（注記「好色江戸紫の改題本」）
　
　☆　享保二年(1717)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保二年刊）
　　　　収録作品なし　
　
　◯『浮世草子考証年表－宝永以降』（享保二年刊）
　　　吉川盛信画
　　　『忠義太平記大全』〈「年表」に「『禁書目録』絶板之部にも揚げられてゐる」とある〉　
　　　　　　刊記「享保二年正月吉日　花洛画工　吉川半次盛信（印記「吉川盛信」）菱屋治兵衛板行」
　　
　◯「艶本年表」（享保二年刊）
　　　西川祐信画
　　　『和楽色納戸』墨摺　横本　三冊　享保二年　　〔日文研・艶本〕
　　　　　序「つら／＼今図を詠るに花洛大和絵師西川祐信筆を染むは筆勢のうるわしさ曲床の躰無双の名
　　　　　　　人世にとなふるも断也」
　　　川嶋信清画
　　　『艶女萩の露』墨摺　横小本　一冊　享保二年頃〔日文研・艶本〕
　　　川島叙清画
　　　『遊色置時計』川島叙清画〔目録ＤＢ〕（注記「挿絵節用による」）
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇絵画（享保二年刊）
　　　橘守国画
　　　『扶桑画譜』五巻　橘守国画　内藤道有編
　　◇浮世草子（享保二年刊）
　　　吉川盛信画
　　　『忠義太平記大全』十二巻　吉川盛信画　都の錦作？〔早大〕
　　　　　刊記「享保二年正月吉日　花洛画工　吉川半次盛信〔「吉川盛信」印〕菱屋治兵衛板行」
　　　　〈刊記はネット上の公開画像（盛岡市中央公民館所蔵本）より〉
　
　◯「浄瑠璃年表」〔霞亭文庫〕（享保二年刊）
　　◇浄瑠璃本
　　　羽川珍重画『冨士権現筑波由来』署名「羽川珍重画」刊記「享保二丁酉歳正月吉祥日」山本板
　
　☆　享保三年(1718)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保三年刊）
　　　中路定年画
　　　『対類二十四孝』大本一冊「画工橋林子　中路定年筆」木村市郎兵衛板
　　　井村勝吉画
　　　『絵本稽古帳』　大本三巻「洛下染物絵師　井村勝吉」柏原屋清左衛門他板
　　　西川祐信画
　　　『西川ひな形』半紙本五冊「大和絵師　西川祐信」自笑序
　
　◯『草双紙事典』
　　◇赤本（享保三年刊）
　　　画工名未詳
　　　『ねずみ文七』享保三年刊？とする
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇雛本（享保三年刊）
　　　画工名未詳
　　　『ばけ物つくし』刊記「享保三暦戌九月吉日　大伝馬町三丁目　山本九左ヱ門」
　
　　◇赤本（享保三年刊）
　　　羽川珍重画
　　　「まつのうち」画工名なし　版元名なし（羽川珍重画・山本九左衛門）
　　　〈解題、享保二年二月市村座上演「傾城冨士高根」で演じられた河東節「まつのうち」と密接な関係のある作品、享保
　　　　三年刊か」という佐藤悟氏の考察を引く。（羽川珍重画・山本九左衛門）は昭和六年刊『浮世絵大成』に拠ったよう
　　　　である〉
　　　画工名未詳
　　　『ねずみ文七』刊記「戌の正月新板」　西村屋板
　　　　〈解題、享保二年正月に類焼した中村座が二月に「街道一棟上曽我」を興行、その二番目を鼠で描いたものとし、巻
　　　　　末の刊記「戌の正月」を、従来の享保十五年から享保三年の正月とした〉　　
　　　『【福神】いせ道中』近江屋版
　　　　〈解題、享保三・四年頃の刊行とする〉
　　　『松ののち』近江屋九兵衛板
　　　　〈解題、所蔵者・佐藤悟氏の解説「享保三年正月市村座上演「七種福寿曽我」の絵本番付というべきもの」を引く〉
　　　『八百屋お七』板元未詳
　　　　〈「仮年表」「享保三年三月の「八百屋お七恋桜付り後日」と関係深いか」として享保三年以降の刊行とする〉
　　　　
　◯「艶本年表」（享保三年刊）
　　　川嶋信清画
　　　『風流妹背川』墨摺　横本　三冊　享保三年頃〔日文研・艶本〕
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇染織（享保三年刊）
　　　井村勝吉画
　　　『絵本稽古帳』
　　　西川祐信画
　　　『西川雛形』
　　　　〈上出「絵本年表」の井村勝吉画と西川祐信画と同じ〉　
　
　☆　享保四年(1719)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保四年刊）
　　　吉田半兵衛画
　　　『観音利益物語』半紙本三冊　吉田風の画　梅村三郎兵衛板
　　　川島叙清画　
　　　『それ／＼艸』半紙本「大和絵師　川嶋叙清図」乙州撰　菊屋七郎兵衛板
　　　武藤柳子画　
　　　『雛形菊の苗』半紙本一巻　武藤氏柳子画
　　　鳥居清朝画　
　　　『田植塚』　　半紙本「江戸浅草　鳥井清朝図」無外坊燕説
　　　橘守国画
　　　『唐土訓蒙図彙』半紙本　楢村有税子　別号後素軒図画　宝文堂板
　　　石中子画　　
　　　『仁本鳥』　　枕本二冊　石中子（範）画　江戸半太夫事坂本梁雪序　載文堂他板
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本（享保四年刊）
　　　近藤清春画
　　　『かいちやう』画作者名なし（画工近藤助五郎清春筆　さがみや板）
　　　〈解題、この開帳は享保四年の奈良興福寺および浅草寺のものという。『正本　若樹文庫収得書目』「絵本かいちやう
　　　　画工近藤助五郎清春筆　享保四年浅草観音　並ニ南都興福寺江戸開帳を記したるもの共落丁」を引く〉
　　　画工名未詳
　　　『竹の丞』〈解題、本書を「享保四年十一月市村座上演「立髪定家◎(ｶｽﾞﾗ)」の絵本番付」とする〉
　　
　◯「艶本年表」（享保四年刊）
　　　西川祐信画
　　　『好色役者枕がへし』三冊　西川祐信画　享保四年頃刊〔目録ＤＢ〕（注記「日本艶本目録（未定稿）による」）
　　　『艶女玉寿多礼』　　墨摺　半紙本　二冊　享保四年　〔日文研・艶本〕 
　　　『艶色姿の池』　　　三冊　西川祐信画〔目録ＤＢ〕
　　　『女男色遊』　　五巻五冊　西川祐信画？自笑作？　享保四年以降刊？〔目録ＤＢ〕（注記「江戸小説研究による」）
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇浄瑠璃（享保四年刊）
　　　近藤清春画
　　　『弘法大師之御本地』近藤清春画>
　　◇染織（享保四年刊）
　　　武藤柳子画
　　　『雛形菊の井』三巻三冊　武藤柳子等画>
　
　☆　享保五年(1720)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保五年刊）
　　　羽川珍重画
　　　『吉原丸鑑』枕本三巻　羽川珍重　蝶郎著　戸蔵屋喜兵衛板
　　　大岡春卜画
　　　『画本手鑑』　　　　「法橋春卜纂」文凞堂
　　　橘守国画　
　　　『絵本写宝袋』半紙本九巻　作者画工　橘守国　渋川清右衛門板」
　　◇俳諧（享保五年刊）
　　　菱川葉光伴画
　　　『続福寿』北囱翁一蝶　八嶋宣信　英信古　菱川葉光伴　湖閑斎荷十　春水
　　　　　　　　一紫画図　露玉　木者庵湖十後序
　　　八嶋宣信画　
　　　『続福寿』北囱翁一蝶　八嶋宣信　英信古　菱川葉光伴　湖閑斎荷十　春水
　　　　　　　　一紫画図　露玉　木者庵湖十後序
　　　英一蝶画　　
　　　『続福寿』北囱翁一蝶　八嶋宣信　英信古　菱川葉光伴　湖閑斎荷十　春水
　　　　　　　　一紫画図　露玉　木者庵湖十後序
　　　英信古画　　
　　　『続福寿』北囱翁一蝶　八嶋宣信　英信古　菱川葉光伴　湖閑斎荷十　春水
　　　　　　　　一紫画図　露玉　木者庵湖十後序
　　　春水画　　　
　　　『続福寿』北囱翁一蝶　八嶋宣信　英信古　菱川葉光伴　湖閑斎荷十　春水
　　　　　　　　一紫画図　露玉　木者庵湖十後序
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本（享保五年刊）
　　　奥村政信風
　　　『福神寿命袋』画作者名なし（奥村政信風）「享保五年　正月吉日」
　　　〈解題、「赤本　享保五年正月　湯島天神女坂さがみや板　奥村政信画　但名なし」という見返しの墨記を引く〉
　　　画工名未詳
　　　『福神虎がり』（享保五年　さがみや）
　　　〈解題、（享保五年　さがみや）は水谷不倒著『草雙紙と読本の研究』に拠るとする〉
　　
　◯「艶本年表」（享保五年刊）
　　　西川祐信画
　　　『絵本美徒和草』三冊　西川祐信画〔目録ＤＢ〕（注記「艶本目録による」）
　　　『艶女色子日』　墨摺　横本　一冊　享保五年　〔日文研・艶本〕
　　　　　刊記「享保五年子ノ正月吉祥日　花洛大和絵師　西川祐信図　寺町通後小路下ﾙ町　◎屋源兵衛」
　　　『色道談合草』　墨摺　横本　一冊　享保五年頃〔日文研・艶本〕
　　　『艶色華靨』　　墨摺　横本　三冊　享保五年頃〔日文研・艶本〕
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇絵本（享保五年刊）
　　　竹原春朝斎画
　　　『鳥羽絵欠び留』三巻三冊　竹原春朝斎画>
　　　西川祐信画
　　　『妻愛色双六』　三冊　西川祐信画（注記「古版小説挿画史による」）
　　◇絵画（享保五年刊）
　　　高木貞武画
　　　『画図拾遺』三冊　高木貞武画>
　　◇赤本（享保五年刊・１点）
　　　画工名未詳
　　　『福神寿命袋』
　
　◯「江戸顔見世番付諸板一覧」（享保五年刊）
　　　十一月　森田・坂東座　絵師　署名なし　正本や小兵衛板
　
　◯『江戸吉原叢刊』第五巻
　　◇遊女評判記（享保五年刊）
　　『吉原丸鑑』横本　六巻　六冊
　　　　画工　羽川珍重
　　　　著者　武州真土山隠士　蝶郎　
　　　　刊記「享保五年庚子正月」
　　　　版元　戸蔵屋喜兵衛
　　　　〈挿絵中の床の間の掛幅に「羽川珍重図」の署名あり〉
　
　◯「浄瑠璃年表」〔霞亭文庫〕（享保五年刊）
　　◇浄瑠璃本
　　　近藤清春画『熊井太郎』署名「画工近藤清春図」刊記「享保五年子ノ正月吉日」西村屋板
　
　　　羽川珍重画『八百やお七江戸紫』署名「羽川珍重沖信画」刊記「享保五年庚子正月吉祥日」村田屋板
　
　☆　享保六年(1721)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保六年刊）
　　　長谷川光信画
　　　『伊勢物語』大本二冊「摂陽大和画師　柳翠軒長谷川光信」坂内山雲子撰
　　　吉田半兵衛画
　　　『都歳時記』大本六冊　画工不記名　吉田風
　　　奧村政信画　
　　　『わかくさ物がたり』小本二巻　大◎画◎　奧村政信
　　　石川流宣画　
　　　『関東和讃◎題目』　半紙本　　信作書画来三　石河流宣　木村理兵衛板
　　　吉田光義画　
　　　『京城勝覧』　　　　小本二冊　吉田光義画>歟　序、宝永三年貝原篤信記　茨城多左衛門板
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本（享保六年刊）
　　　羽川珍重画
　　　『三国史』（絵情斎羽川珍重）
　　　　〈漆山天童カード「赤本　絵情斎羽川珍重稿　享保六年辛丑陽春吉日　木下甚右衛門板」を引く〉
　　　画工名未詳『頼光山入』村田板〈解題、「頼光山入」という題名は享保六年刊の土佐浄瑠璃にあるという〉
　
　◯「絵入狂歌本年表」（享保六年刊）
　　　画工不明
　　　『狂歌五十人一首』一冊（筆者不明）珍菓亭撰　大野木市兵衛板（頭注「貞柳初期の雅号」）〔狂歌書目〕
　　
　◯「艶本年表」（享保六年刊）
　　　西川祐信画
　　　『女色三点頭』三冊　西川祐信画〔目録ＤＢ〕（注記「日本艶本目録（未定稿）による」）
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇赤本（享保六年刊・１点）
　　　羽川珍重画
　　　『三国志』
　　◇浮世草子（享保六年刊）
　　　西川祐信画
　　　『友色三点頭』三巻一冊　西川祐信画>
　　◇浄瑠璃（享保六年刊）
　　　奧村政信画
　　　『頼光山入』一冊　奧村政信画（注記「土佐少掾正本」）
　　◇往来物（享保六年刊）
　　　月岡雪鼎画
　　　『女節用文字袋』一冊　月岡丹下画　山本序周編
　　◇物語注釈
　　　奧村政信画
　　　『俗解源氏物語』六巻六冊　奧村政信画　梅翁（奧村政信）著　宝永七年序
　
　☆　享保七年（1722）
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保七年刊）
　　　川島重信画
　　　『世中百首絵抄』大冊一冊「絵師　洛陽川原町　川島重信」今井七郎兵衛板
　　　　（本書の画風を見るに八文字本の大◎川嶋重信の手に成れる歟）
　　　鳥居清倍画
　　　『俳度曲集』半紙本二巻　鳥居清倍一図　英一蝶二図　英一蛙一図　
　
　◯「絵入狂歌本年表」（享保七年刊）
　　　川島重信画
　　　『世の中百首絵抄』一冊　川島重信画　守武詠　度会重邑撰　今井七郎兵衛他板〔狂歌書目〕
　　　画工不明
　　　『甚久法師狂歌集』二冊　画工不記載　甚久法師詠　宝永四年朧月斎序　小川太左衛門板〔目録ＤＢ〕
　　
　◯「艶本年表」（享保七年刊）
　　　西川祐信画
　　　『濡姿逢初川』墨摺　横本　三冊　享保七年〔日文研・艶本〕
　　　　　序　「目出度月日　作者八文字　自笑」
　　　　　刊記「享保七年寅九月吉日　ふ屋町通せいぐはんじ下ル町　八文字屋八右衛門板」
　　　『好色角芽蘆』三冊　西川祐信画〔目録ＤＢ〕（注記「日本艶本目録（未定稿）による」）
　
　◯「浄瑠璃年表」〔霞亭文庫〕（享保七年刊）
　　◇浄瑠璃本
　　　近藤清春画『新田四天王』署名「画工　近藤助五郎清春筆」刊記「享保七とらノ年正月吉日」村田屋板
　　　〈刊記の「とらノ年」は享保六年になるが「享保七」の方を採った〉
　
　☆　享保八年(1723)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保八年刊）
　　　西川祐信画
　　　『百人女郎品定』大本二巻「大和絵師　西川祐信」八文字屋八右衛門板
　　　　（朱書「祐信処女作歟」）
　　◇俳諧（享保八年刊）
　　　鳥居清信画
　　　『百華実』清信筆一図
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇雛本（享保八年刊）
　　　近藤清春画『もゝ太郎』刊記「享保八歳うの正月吉日　大伝馬町三丁目　丸や九左衛門」（近藤清春画）
　　　〈解題、漆山天童カード「豆本　赤表紙（近藤清春画）〉
　　　画工名未詳　
　　　『福神ゑづくし』　刊記「享和八年う正月吉日　　大伝馬町三丁目　丸屋九左衛門板」　
　　　『したきりすゝめ』刊記「享保八年うの正月吉日　大伝馬三丁め　　丸屋九左衛門板」　
　　　『とりをひ』　　　刊記「享保八年うノ正月吉日　　　　　　板元　丸屋左衛門板」
　　　『八嶋』　　　　　刊記「享保八年卯正月吉日　　大伝馬三丁目　　山本九左衛門板元」　
　　　『きん平大力』　　刊記「享保八年うの正月吉日　大伝馬三丁目　　山本九左衛門板」　
　
　　◇赤本（享保八年刊）
　　　近藤清春風
　　　「道中双六」画作者名なし（近藤清春風）
　　　〈解題、佐藤悟氏の「「傾城道中双六」は享保八年正月市村座「真鶴加増曽我」第二番目に演じられたのでこの時の刊
　　　　行と思われる」を引く。「仮年表」も享保八年かとする〉
　
　　◇絵本（享保八年刊）
　　　西村重長画
　　　「吉原むかし絵本」署名「ゑし西村重長図」刊記「享保八年卯正月吉日　ゑし西村重長図」
　　
　◯「艶本年表」（享保八年刊）
　　　川島信清
　　　『恋の媒』墨摺　横本　三冊　享保八年頃〔日文研・艶本〕
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇赤本（享保八年刊・全６点）
　　　画工名未詳　
　　　『八嶋』『舌切雀』『とりをひ』『きん平大力』『もゝ太郎』『福神ゑづくし』
　　◇絵本（享保八年刊）
　　　羽川珍重画
　　　『はいかい一字たいじぐち』一冊 　羽川珍重画・作
　　　近藤勝信画
　　　『吉原むかし絵本』一冊　西村重長・近藤勝信画>
　　　西村重長画
　　　『吉原むかし絵本』一冊　西村重長・近藤勝信画>
　
　◯「浄瑠璃年表」〔霞亭文庫〕
　　◇浄瑠璃本（享保八年刊）
　　　羽川珍重画
　　　『西海軍記』署名「羽川元信筆」刊記「享保八年卯正月吉日」鶴屋板
　　　近藤清春画
　　　『なれそめ曽我』署名「画工　近藤助五郎清春」刊記「享保八年卯正月吉日」藤田板
　　　『かるかや』　　署名「画工　近藤助五郎清春筆」刊記「享保八年ウノ正月吉日」
　
　☆　享保八～九年(1723～24)
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇雛本（享保八・九年頃刊）〈以下「仮年表」が刊行を「享保八・九年頃か」とするもの〉
　　　画工名未詳
　　　「十二月」「職人尽」『三世二河白道』『鳥つくし』
　
　☆　享保九年(1724)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保九年刊）
　　　英一蝶画
　　　『類姓草画』大本三巻　英一蝶　鳥羽風　大津屋与右衛門板
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇雛本（享保九年刊）
　　　近藤清春画〈以下、漆山天童の「豆本　赤表紙」カードに拠るもの〉
　　　『四天王の始』　　刊記「享保九年正月吉辰　伝馬町三丁目　山本九左衛門板」（近藤清春画）
　　　『おぐりの判官』　刊記「享保九年正月吉辰　大伝馬町三丁目　山本九左衛門板」（近藤清春画）
　　　「ひしん」　　　　刊記「享保九年甲辰正月吉日　大伝馬三丁目　山本九左衛門板」（近藤清春画）
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇赤本（享保九年刊・全４点）
　　　画工名未詳
　　　『びじん』『四天王の始』『おくりの判官』『福神ゑづくし』　
　　◇絵本（享保九年刊）
　　　長谷川光信画
　　　『鳥羽絵筆拍子』三巻三冊　長谷川光信画>
　　　中嶋丹次郎画
　　　『雛形鶴乃声』　三巻三冊　中嶋丹次郎画>
　
　☆　享保十年(1725)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保十年刊）
　　　吉田半兵衛画風
　　　『狂歌仙』画工不記名　吉田風　作者　京ノ鴬　升屋五郎右衛門板
　　　西川祐信画風
　　　『女小学』大本二巻　画工不明　西川風　敦賀屋九兵衛板
　　　鳥居風
　　　『けいせい筑波山』　画工不明　鳥居風　八文字屋八右衛門板
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本（享保十年刊）
　　　近藤清春画
　　　『大友のまとり』署名「画工近藤助五郎清春筆」　小川板
　　　〈解題、享保十年初演、竹田出雲作・浄瑠璃「大内裏大友真鳥」の絵尽くし風の作品とする〉
　　　『大友のまとり』署名「画工近藤助五郎清春筆」
　　　〈解題、上記小川板『大友のまとり』とは別本とする〉
　　　画工名未詳
　　　『【日待のとぎ】とん作新地口』村田板
　　　〈解題、漆山天童カード「赤本　巳ノ年板」を引くとともに、『大東急記念文庫　貴重書解題』「題簽蛇の図より享保
　　　　十乙巳年刊か」の推定を引く。しかし二代目市川海老蔵を巡って、せりふの流行と地口の関係から元文二年を成立年
　　　　とする、岡雅彦氏の説も引く。「仮年表」は元文二年かとしている〉
　
　◯「絵入狂歌本年表」（享保十年刊）
　　　画工不明
　　　『絵本狂歌仙』一冊　画工不記載　京の鴬著　版元不記載〔目録ＤＢ〕
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇赤本（享保十年刊・１点）
　　　画工名未詳
　　　『とんさく新じ口』
　
　◯『吉原細見年表』
　　◇吉原細見（享保十年刊）
　　　近藤清春画
　　　「新吉原細見図」刊記「享保十年乙巳月日改  筆工 　近藤助五郎清春」相模屋与兵衛板
　　　『吉原細見図』　刊記「一舗　近藤助五郎清春画」相模屋与兵衛・伊賀屋勘右衛門・小松屋伝四郎相板
　　　〈以上二点、一枚物あるいは一舗とあるから折り畳みの地図である〉
　
　☆　享保十一年(1726)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保十一年刊）
　　　江月堂画
　　　『発句百人染』大本二巻　江月堂画　松月堂法橋序　富士屋板
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本（享保十一年刊）
　　　近藤清春画
　　　「大友真鳥」署名「画工近藤助五郎清春筆」　小川板
　　　〈解題、享保十年初演、竹田出雲作・浄瑠璃「大内裏大友真鳥」の絵尽くし風の作品とする。「仮年表」は享保十一・
　　　　二頃刊とする〉
　　　「大友のまとり」署名「画工近藤助五郎清春筆」
　　　〈解題、上記小川板『大友のまとり』とは別本とする。二本ともに、浄瑠璃上演との関係から享保十一・十二年頃の刊
　　　　行とされる）〉
　　　『【ねこ鼠】大友のまとり』　署名「画工近藤助五郎清春筆」　さがみや板
　　　〈解題、漆山天童カード「赤本　画工近藤助五郎清春筆　湯島天神女坂　さがミや版」をひく。「仮年表」は享保十一
　　　　・二頃刊とする〉
　
　　◇咄本（享保十一年刊）
　　　近藤清春画
　　　「軽口こらへふくろ」署名「筆工　近藤清春筆」「画工近藤助五郎清春筆」
　　　　　　　　　　　　　刊記「享保十一年丙午正月吉日　筆工　近藤清春筆」井筒屋板
　
　◯「咄本年表」（享保十一年刊）
　　　近藤清春画『軽口こらへ袋』〔噺本⑥〕
　　　〈第六巻の「所収書目解題」によると、清春画の『軽口こらへ袋』は元禄十四年（1701）刊『露五郎兵衛新はなし』の
　　　　新刻・改題本の由である〉
　　　　
　◯「浄瑠璃年表」〔霞亭文庫〕
　　◇浄瑠璃本（享保十一年刊）
　　　鳥居清信画『朝敵橋弁慶』署名なし　刊記「享保十一丙午正月吉日」村田屋板
　　　〈見返しの貼り紙に「『浮世絵派画集』に朝敵橋弁慶虱本古上るり鳥居庄兵衛清信の筆なるを明かに記せり」とあり。
　　　　「日本古典籍総合目録」も鳥居清信とする〉
　
　☆　享保十二年(1727)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保十二年刊）
　　　吉田半兵衛画風
　　　『世宝伝授嚢』半紙本三巻　画工不明　吉田風　伏見屋五兵衛板
　　　『平家物語』　大本十二冊　吉田風　村上勘兵衛板
　　　中嶋丹次郎画
　　　『絵本心の種』大本二巻「絵師　大坂本天満町　中嶋丹次郎」柏原屋清右衛門板
　　　川島叙清画
　　　『佐遊李葉』　小本三巻「画工川島叙清図」風雪子序　和泉屋山口茂内板
　　　奧村政信画
　　　『百人一首』　大本一巻　奧村政信筆　五重軒露月　午寂散人叙（奧村政信画譜による）
　　　山口雪休画
　　　『奈良比野岡』半紙本二冊「画工山口雪休」「長泉寺幾春庵老隠利微八十歳」序　山本喜兵衛板
　　　橘守国画
　　　『画典通考』半紙本十巻「摂陽橘辨次守国図画」大岡普斎著述　大野木市兵衛板
　　　『雛形曙桜』十冊　橘守国画（頭書「又長谷川光信画　蓋享保二十年」）
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本（享保十二年刊）
　　　近藤清春画
　　　「めつけゑ」署名「画工近藤助五郎清春筆」刊記「享保十二丁未正月吉日　はんもと　山本九左衛門」
　　　『猿蟹合戦』（近藤清春画　享保十二年刊）
　　　〈解題、画工名・刊年は「日本古典籍総合目録」に拠るとする〉
　　　奥村画
　　　『風流なこや山三』「ゑ奥村」　奥村屋板
　　　〈解題、「享保十一年盆中村座上演「末広名護屋」の影響により、享保十二年刊と推定」とする〉
　　　鳥居清信画
　　　『女はちの木』署名「鳥居清信正筆」　鱗形屋板
　　　〈解題「享保十一年初演の浄瑠璃『北条時頼記』五段目「雪の段」（女鉢の木）に関係の深い作品。江戸での興行に伴
　　　　う刊行か〉
　　
　◯「艶本年表」（享保十二年刊）
　　　川枝豊信画
　　　『閨のくす玉』墨摺　横小本　一冊　享保十二年頃〔日文研・艶本〕
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇赤本（享保十二年刊・全３点）
　　　近藤清春画
　　　『目附絵』『大友真鳥』『猿蟹合戦』
　　◇絵本（享保十二年刊）
　　　長谷川光信画
　　　『百人一首』一冊　長谷川光信画>
　　◇染織（享保十二年刊）
　　　中嶋丹次郎画
　　　『雛形天の橋立』三巻三冊　中嶋丹次郎画>
　　　長谷川光信画
　　　『雛形曙桜』　三冊　長谷川光信画（注記「絵本の研究による」）
　　　長谷川清久画
　　　『雛形糸薄』　二冊　長谷川清久画（注記「享保書籍目録による」）
　　◇伝記（享保十二年刊）
　　　山口雪休画
　　　『ならひの丘』二巻　山口雪休画　利微著　山本喜兵衛板
　　◇服飾
　　　橘守国画
　　　『絵本衣服雛形模様』二冊　万字軒中嶋丹次郎　橘守国等画>　
　
　◯『吉原細見年表』（享保十二年刊）
　　　近藤清春画
　　　「新吉原細見」「刊記「筆工近藤清春図 （空白）二  ひのと未　年月改」伊勢屋板
　　　〈口絵「日本堤から大門口にかけての賑わい」署名はないが、清春画か。吉原細見に口絵が現れるのはこれが最初のよ
　　　　うである。また冊子型の吉原細見もこの年から始まるとされる〉
　
　☆　享保十三年(1728)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保十三年刊）
　　　西川祐信画
　　　『女万葉稽古さうし』大本三巻　西川祐信画　林氏蘭女艸藁　山口茂兵衛板
　　　四河祐倍画
　　　『御前御伽雛形』　　半紙本　「絵師四河(ｱﾂﾞﾏ)祐倍(ｽｹﾏｽ)」
　　　近藤清春画
　　　『金之揮』半紙本「筆工近藤清春」奧村源六板
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本（享保十三年刊）
　　　近藤清春画
　　　「花ういらう」署名「画工近藤介五郎（空白）」
　　　〈解題、内題「やぶいりみやげ花ういらう売せりふ　市川舛五郎」とある。舛五郎の外郎売りのせりふは享保十三年正
　　　　月中村座興行の時のものであるから、同年の刊行とする。〉
　
　◯『洒落本大成』第一巻（享保十三年刊）
　　　鳥居清信画
　　　『両巴巵言』署名「鳥居清信図」撃鉦先生作　遊戯堂板
　
　◯『吉原細見年表』（享保十三年刊）
　　　鳥居清信画
　　　『両巴巵言』署名「撃鉦先生楽書」刊記「享保十三年毎月改　遊戯堂発行」
　　　〈『洒落本大成』第一巻所収の『両巴巵言』には手彩色の挿絵があり。「鳥居清信図」の署名が入っている。なお享保
　　　　十八年刊『両都妓品』の「遊女立像」はこれと全く同じである〉
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇地誌（享保十三年刊）　
　　　菊岡沾凉画
　　　『日光山名跡誌』一冊　菊岡沾凉画　鷹橋義武著
　
　☆　享保十四年(1729)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保十四年刊）
　　　近藤清春画
　　　『いせ物がたり』小本二巻「画工近藤清春筆」うころかたや板
　　　西川祐信画
　　　『絵本答話鑑』半紙本三巻「画工西川祐信」「作者其磧」菊屋喜兵衛板
　　　『女家訓』　　半紙本三巻「画図右京西川祐信」　　　　菊屋喜兵衛板
　　　片岡喜平画『絵本愛子車』三「絵師作者片岡喜平」須原屋茂兵衛板
　　　中村三近画
　　　『象のみつき』「三近自画」「京師　絅三近凹凸中　中村平五郎」木村市郎兵衛外二名板
　　　『四民往来』　半紙本五冊「絅錦斎中村三近子筆作」文台屋治郎兵衛板
　　　石仲子画
　　　『画図百花鳥』大本五冊「石仲子守範写」西村源六板
　　　『天狗芸術論』四冊　　「石仲子守範写」俛斎樗山作　西村源六板
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本（享保十四年刊）
　　　近藤清春画
　　　『象のはなし』（近藤清春画作）
　　　〈解題、水谷不倒著『古版小説挿画史』「之は享保十四年、交趾より大象を送って来た時の新作であり」を引く〉　　　
　　　「獣芸尽」〈「仮年表」享保十四年以降かとする〉
　
　◯「絵入狂歌本年表」
　　◇狂歌（享保十四年刊）
　　　画工不明
　　　『狂歌華紅葉』一冊（山崎宗鑑座像/筆者不明）万笈斎桑魚撰　桑名屋甚兵衛板　〔狂歌書目〕
　　　『家津登』　　一冊（貞柳座像/筆者不明）　　由縁斎貞柳詠　桑名屋甚兵衛外板〔狂歌書目〕
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇赤本（享保十四年刊・１点）
　　　近藤清春画
　　　『象のはなし』
　　◇絵本（享保十四年刊）　
　　　橘守国画
　　　『絵本通宝志』九巻十冊　橘守国画>
　
　☆　享保十五年(1730)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保十五年刊）
　　　長谷川光信画
　　　『絵本御伽品鑑』半紙本一冊「大坂車町柳翠軒　作者絵師長谷川光信」鯛屋貞柳序　紀伊国屋宗兵衛板　　
　　　『絵本難波品鑑』三冊　　　「作者絵師　長谷川光信」紀伊国屋宗兵衛板
　　　　（右写本の内十五箇所差構有之、相除き候よう仰付られ候、尤「難波」と申すことなり申さず　大坂出版書籍目録）
　　　『一代書用』　　大本一巻　「柳翠軒長谷川光信」絅錦斎中村三近子作　玉枝軒蔵版
　　　中島丹次郎画
　　　『雛形宿之梅』三冊　中島丹次郎筆　野田利右衛門作　柏原清右衛門板
　　　西川祐信画　　　　　
　　　『俳諧麻姑の掌』半紙本　　　西川祐信外数人画　吟花堂晩山序
　　　『絵本常盤草』　大本三巻　「作者画工　京師西川祐信」毛利田庄五郎板
　　　『絵本筑波山』　半紙本二巻　西川祐信画
　　　高木貞武画
　　　『金葉百人一首歌文庫』一冊「絵師高木幸助」瀬戸物屋伝兵衛作
　　　『野山の錦』　　　　半紙本「画師高木貞武」木村周篤作　雁金屋・井筒屋板
　　　川枝豊信画
　　　『璣訓(ｶﾗｸﾘ)蒙鑑草』半紙本三巻「京大和絵師　川枝豊信図」多賀谷環中仙撰　蓍屋伝兵衛外二年板
　　　『当世影絵姿鑑』　　五巻　　　　川枝豊信画歟（祐信画譜）
　　　橘守国画
　　　『絵本通宝志』半紙本九巻「画師浪速橘有税」「作者画工浪速橘氏守国」
　　　　　　　　　　　　　　　　椎本才麿・後素軒橘守国序　渋川清右衛門板
　　　英一蜂画
　　　『父の恩』大本二巻　英一蜂画　浪花蔦性◎序　元祖市川団十郎追善
　　◇随筆（享保十五年刊）
　　　大森善清画
　　　『不審紙』半紙本五巻　大森善清風　辻本嘉義編　楞屋長右衛門板
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇咄本（享保十五年刊）
　　　近藤清春画
　　　「御けさはなし」署名「画工近藤助五郎清春筆」「画工近藤清春筆」いがや板
　　　〈解題、内容に象の話題があることから、象が渡来した享保十四年の翌年を刊年とする、武藤禎夫氏の説を引く〉
　
　◯『洒落本大成』第一巻（享保十五年刊）
　　　『史林残花』刊〈享保十三年刊『両巴巵言』の後編。但し挿画なし〉
　
　◯「絵入狂歌本年表」（享保十五年刊）
　　　画工不明
　　　『狂歌乗合船』一冊（暁月房像/筆者不明）永井走帆撰　河内屋茂兵衛板〔狂歌書目〕
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇浮世草子（享保十五年刊）
　　　西川祐信画
　　　『男色山路露』〈享保十五年頃とあり〉
　　　　　
　　◇赤本（享保十五年刊・１点）
　　　画工名未詳
　　　『ねずみ文七』
　
　◯『俗曲挿絵本目録』（漆山又四郎著）
　　◇音曲（享保十五年刊）
　　　富川吟雪画？
　　　『十番切かけあい』（せりふ）吟雪風画　和泉屋板
　　　〈『俗曲挿絵本目録』に刊年はないが、「日本古典籍総合目録」に「荻野伊三郎・二世市川団十郎せりふ集」『しかた
　　　　十番切かるたづくしせりふ』が享保十五年刊とある。参考までに享保十五年を設けて収録した〉
　　
　☆　享保十六年(1731)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保十六年刊）
　　　近藤清春画
　　　『當流小謡断錦集』枕本一巻「筆工近藤助五郎清春筆」平野屋善六板
　　　『酒餅論』　　　　小本一冊「画工近藤助五郎清春筆」村田治良兵衛板
　　　西川祐信画
　　　『絵本大和童』半紙本三冊「花洛　大和絵師西川祐信」小川久兵衛板
　　　『絵本喩艸』　半紙本　　　西川祐信画　其磧序　菊屋喜兵衛板
　　　川枝豊信画
　　　『三国朗詠狂舞台』川枝豊信画　文貫序（祐信画譜より）
　　　中路定年画
　　　『画本図貨』大本三巻　中路定年画　中路定年作　菊屋喜兵衛板
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇絵画（享保十六年刊）　
　　　西川祐信画
　　　『絵図指南』一冊　西川祐信画>
　
　◯『吉原細見年表』（享保十六年刊）
　　　近藤清春画
　　　『吉原さいけんの絵図』挿絵「筆工　近藤助五郎清春筆」
　　　　　　　　　　　　　　刊記「享保十六亥毎月改　ひらのや善六板」
　
　☆　享保十七年(1732)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保十七年刊）
　　　野々村信武画
　　　『雛形染色の山』大本三冊「洛陽絵師作者　野々村氏」菊屋喜兵衛板
　　　白鳳軒雪岑画
　　　『俳諧蔵の衆』半紙本三冊　白鳳軒雪岑筆　懐月堂指水書　英一蝶等画　露月撰　万屋清兵衛板　
　　　懐月堂指水画
　　　『俳諧蔵の衆』半紙本三冊　白鳳軒雪岑筆　懐月堂指水書　英一蝶等画　露月撰　万屋清兵衛板
　　　西川祐信画
　　　『女中風俗玉鏡』半紙本二巻「大和絵師西川祐信」其磧作　菊屋喜兵衛板
　　　『咲顔福の内』　半紙本　　　西川祐信歟　其磧作　銭屋庄兵衛板
　　　高木貞武画
　　　『絵本御伽草』大本三巻　高木幸助画　瀬戸物屋伝兵衛
　　　『常盤雛形』　　　　　　高木貞武画>　
　　　英一蝶画
　　　『俳諧蔵の衆』半紙本三冊　白鳳軒雪岑筆　懐月堂指水書　英一蝶等画　露月撰　万屋清兵衛板
　
　◯『浮世草子考証年表－宝永以降』（享保十七年刊）
　　　高木貞武画
　　　『太平百物語』　序「市中散人　祐佐書」河内屋宇兵衛板
　　　　　　　　　　刊記「作者　菅生堂人恵忠居士　画工　高木幸助貞武　享保十七年子三月吉日出来」
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇浮世草子（享保十七年刊）
　　　高木貞武画
　　　『太平百物語』五巻五冊　高木幸助画　祐佐作
　　◇絵画（享保十七年刊）　
　　　西川祐信画
　　　『西川筆の錦』一冊　西川祐信画>
　　◇謡曲（享保十七年刊）
　　　橘守国画
　　　『謡曲画誌』十冊　橘守国画　中村三近子編
　　◇染織（享保十七年刊）
　　　東嬰子画
　　　『雛形三光鳥』三冊　東嬰子画>　　
　
　☆　享保十八年(1733)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保十八年刊）
　　　白鳳軒雪岑画
　　　『絵本東名物鹿子』半紙本三巻　白鳳軒雪岑筆　英一蝶　その他筆　伍重軒露月撰　午寂跋　
　　　長谷川妙躰画
　　　『女筆千代見草』　大本三巻　有疑　西川祐信画（署名なし口絵）長谷川妙躰筆
　　　西川祐信画
　　　『絵本都風俗姿鏡』半紙本　　西川祐信峨　菊屋七郎兵衛板
　　　『絵本美奈能川』　半紙本　　西川祐信筆　秋田屋市兵衛板
　　　『女筆千代見草』　大本三巻　有疑　西川祐信画（署名なし口絵）長谷川妙躰筆
　　　英一蝶画
　　　『絵本東名物鹿子』半紙本三巻　白鳳軒雪岑筆　英一蝶　その他筆　伍重軒露月撰　午寂跋　
　　　　（財峨ハ一蝶歟）
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇黒本　青本（享保十八年刊）
　　　西村重長画
　　　「ほりさらい」署名「西村重長筆」
　　　　〈解題、享保十八年、江戸城の御濠浚いがあり、それに取材した作品とする〉
　
　◯『洒落本大成』第一巻（享保十八年刊）
　　（口絵・挿画なし）
　　
　◯「艶本年表」（享保十八年刊）
　　　西川祐信画
　　　『優競花の姿絵』墨摺　横本　三冊　享保十八年頃〔日文研・艶本〕 
　　　『男色山路露』　墨摺　横本　三冊　享保十八年頃〔日文研・艶本〕
　　　『風流色蓍』　　墨摺　横本　一冊　享保十八年　〔日文研・艶本〕
　
　☆　享保十九年(1734)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保十九年刊）
　　　長谷川光信画
　　　『絵本武勇力艸』三　長谷川光信図　菊屋七郎兵衛板
　　　大森捜雲子画
　　　『画本福寿海』　一　大森捜雲子画　保井恕菴撰　山口茂兵衛板
　　　高木貞武画
　　　『絵本武勇誉艸』三　　　　大坂高木幸助　蓍屋伝兵衛板
　　　『画本和歌浦』　大本三巻　画工高木貞武　浪花散人序　毛利田庄太郎板
　　　奧村政信画
　　　『金龍山浅草千本桜』半紙本二巻「芳月堂奧村文角政信画」山崎金兵衛板
　　　　　　　　　　　　　序「江戸おやまゑ画工芳月堂丹鳥斎奧村文角梅翁政信」
　　　西川祐信画
　　　『最明寺殿教訓百首』半紙三巻「洛陽画工西川祐信」中村三近子序　菊屋喜兵衛板
　　　（『清水の池』）
　　　大森善清画
　　　『絵本扇ながし』大本一冊　大森善清風　毛利田庄太郎板
　　　大岡春卜画
　　　『欄間図式』　　六冊　大岡春卜画
　　◇俳諧（享保十九年刊）
　　　西川祐信画
　　　『糸柳』半紙本二巻　西川祐信　蘆花翁知石序
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本（享保十九年刊）
　　　画工名未詳
　　　『ふんふく茶釜』鱗形屋板
　　　〈解題、享保十九年春中村座の所作事につかわれた長唄「風流相生獅子」の歌詞が作品に出てくることを指摘する。
　　　　この赤本もその頃の出版と考えられる〉
　
　◯『浮世草子考証年表－宝永以降』（享保十九年刊）
　　　筆天斎画
　　　『御伽厚化粧』序　「雲吠子（印記「平井氏」）著述画士　筆天斎（印記「中尾守学」）」
　　　　　　　　　　刊記「享保十九甲寅歳　尼崎町弐丁目　本屋長右衛門板」
　
　◯「絵入狂歌本年表」
　　◇狂歌（享保十九年刊）
　　　西川祐信画
　　　『最明寺殿教訓百首』三冊　西川祐信画　中村三近子　菊屋喜兵衛板〔狂歌書目〕
　　　画工不明
　　　『続家津と』　　　一冊（口に二聖、六歌仙の絵あり）油煙斎貞柳詠　田原抱玉軒外板〔狂歌書目〕
　　　『油煙斎置みやげ』一冊（貞柳立像）永田真竹撰　田原屋平兵衛板〔狂歌書目〕
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇浮世草子（享保十九年刊）　
　　　筆典斎画
　　　『御伽厚化粧』五巻五冊　筆天斎画・作
　
　☆　享保二十年(1735)
　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保二十年刊）
　　　野々村忠兵衛画
　　　『絵本道知辺』三「絵師野々村忠兵衛」菊屋喜兵衛板
　　　　（天童按、世に光琳筆としてもてはやさるゝものに此の野々村忠兵衛の筆のもの多し。具眼の士世に全く無きは歎ずべし）
　　　長谷川光信画
　　　『雛形曙桜』三冊　長谷川光信
　　　橘守国画
　　　『謡曲画誌』半紙本　「画工大坂橘守国」中村三近子編　毛利田庄太郎板
　　　『扶桑画譜』大本五巻「画工浪華後素軒有税子橘守国」晩香散人内藤道有作
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本（享保二十年刊）
　　　鳥居画
　　　『苅萱桑門(ｶﾙｶﾔﾄﾞｳｼﾝ)』署名「鳥居筆」
　　　〈解題、享保二十年三月、大坂豊竹座初演『苅萱桑門筑紫𨏍』による作品とする〉　　　　
　
　◯「絵入狂歌本年表」（享保二十年刊）
　　　画工不明
　　　『狂歌机の塵』一冊（貞柳立像）永田真竹撰　田原屋平兵衛板
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇評判記（享保二十年刊）　
　　　近藤清春画
　　　『四海波』一冊　近藤清春画>
　　◇俳諧
　　　大岡春卜画
　　　『似錦集』二巻二冊　雪静斎（大岡春卜）画　田々斎荷風遍
　
　◯『吉原細見年表』（享保二十年刊）
　　　近藤清春画
　　　『くるハ女良うき舩草』　序「享保二十年閏三月改」さかみや平助板
　　　　　　　　　　　　　　署名「筆工　近藤助五郎清春筆」（五十間道茶屋の見取図、方位表）
　　　〈この年「新吉原細見」に三都の太夫（高尾・高まど・大かく）の道中絵が登場する。三都太夫の道中
　　　　絵は元文三年(1738)の細見にも現れる〉
　
　◯「江戸顔見世番付諸板一覧」（享保二十年刊）
　　　十一月　中村座　絵師　署名なし　村山源兵衛板
　
　☆　享保年間(1716～1735)
　　
　◯「絵本年表」〔漆山年表〕（享保年間刊）
　　　絵菱屋忠七画
　　　『雛形瀧の流』大本三冊　絵菱屋忠七画>　
　
　◯『草双紙事典』
　　◇赤本（享保年間刊）
　　　近藤助清春画
　　　『赤本うたひづくし』近藤助五郎清春筆
　　　西村重長画　
　　　『武者づくし』西村重長筆
　
　◯『赤本黒本青本書誌』
　　◇赤本〈刊年未詳だが、享保年間に入れておいた〉
　　　羽川珍重画
　　　『新なぞづくし』署名「羽川元信筆」江見屋板
　　　　〈解題、「国書総目録」は宝暦頃の刊行とするが、「岩崎文庫の羽川珍重画「新なぞつくし」は伝本は改装ながら、
　　　　　享保期とみてよさそうな画風で、もと赤本であった可能性が高い」とする〉
　　　『はいかい一字たいじぐち』署名「羽川沖信」伊賀屋勘右衛門板
　　　　〈解題、落款、結髪の形、地口附の流行等から享保前期の刊行とする〉
　　　『【是は御存じの】ばけ物【にて御座候】』署名「羽川珍重沖信稿」村田板
　　　　〈解題、書名は題簽のものだが、「題簽の絵に相当する場面が本文になく、題名も内容と合致しているとも言い切れ
　　　　　ないので、別本の題簽かもしれず、「化物合戦」等の題だった可能性がある」とする〉
　　　「化物合戦」（羽川珍重画）
　　　　〈解題、朝倉無声著『日本小説年表』の「化物合戦　二　羽川珍重稿」を引く。「仮年表」は享保初期刊とする〉
　　　『【大名】御ぎやうれつ』（羽川珍重沖信画作）
　　　　〈解題、『国書総目録』の「大名御ぎやうれつ　赤本　羽川珍重沖信作・画」を引く〉
　　　「福神あそび」署名「羽川珍重」
　　　『【あくまはらい】金平【ゑほうみやげ年おとこ】』画作者名なし「湯嶋天神女坂さがミ屋新板」
　　　　〈解題、「正徳年代　赤本　さしゑ画工羽川珍重なるべし」とある貼込みの墨記を引く。「仮年表」では珍重画とせず〉　
　
　　◇赤本〈刊年未詳だが、享保年間に入れたものもある〉
　　　奥村政信画
　　　『きよくのり』画作者名なし（奥村風）
　　　　〈解題、実践女子大学文芸資料研究所本・東京都立中央図書館加賀文庫とも（奥村風）とある由を記す〉
　　　「観世又次郎」署名「奥村」
　　　　〈解題、蜂屋椎園の墨書と思われる識語「此観世又次郎の冊子の画中に奥村とあるをミれハ奥村政信の画にや、政信
　　　　　ハ宝永中の人也」を引く〉
　　　『花さきぢゝ　老楽(ｵｲﾚ)のゑいぐわ』「ゑ奥村」
　　　　〈解題、題簽に「ゑ奥村」とあることから「奥村版で、画工も奥村と解される」とする〉
　　　『どうげ地口』画作者名なし（奥村政信画作）
　　　　〈解題、井上和雄著『浮世絵師伝』の「政信」の項に「どうけ地口（赤本）一冊（享保年間出版）」を引く〉
　　　『祇園祭』（奥村政信画）
　　　　〈解題、『浮世絵師伝』「政信」の項目から「祇園祭（赤本）一冊（享保年間出版）」を引く〉　
　
　　◇赤本〈刊年未詳だが、享保年間に入れたものもある〉
　　　近藤清春画
　　　『ゑんまきぶつなりやきがうかぬ』署名「画工近藤助五郎清春筆」　近江屋板
　　　　〈解題、書名は当時の歌謡の詞章「閻魔木仏なりや気が浮かぬ」から採ったとする〉
　　　「ぶんぶくちやがま」署名「画工近藤助五郎清春筆」　井筒屋板
　　　　〈解題、原本未見、書名・署名・版元名は稀書複製会本のものとする〉
　　　「逸題歌謡絵本」（近藤清春画）享保刊
　　　　〈「仮年表」木香丸の薬売りの内容から享保刊とする。赤本「花うりらう」と合綴〉　
　　　「むま」（柱題）署名「画工近藤助五郎清春筆」
　　　　〈解題「未見赤小本「日本むまぞろへ」の赤本版というべき作品か」とする〉
　　　「どうけ百人一首」署名「画工近藤介五郎清春筆」「画工近藤助五郎清春筆」
　　　「ゑ入どうけ百人一首」画作者名なし　刊記「板元　江戸通油町　村田次郎兵衛」（近藤清春画）
　　　　〈清春画とするのは「日本古典籍総合目録」だが、解題は清春とは考えにくいと否定的〉
　　　『鼠花見』署名「画工近藤助五郎清春筆」　中島屋板
　　　　〈解題、署名・板元は稀書複製会第二期の複製本に拠るとする〉
　　　「魚鳥合戦」署名「画工近藤助五良清春筆」
　　　「冥途懺悔物語」署名「画工近藤助五郎（二字分空白）」　平野板
　　　『どうけうたひかる口』署名「画工近藤助五郎清春筆」　井筒屋板　
　　　「うたひ」署名「画工近藤助五郎清春筆」　西村板　　　
　　　『【工夫】富貴長命丸』署名「ゑし近藤清春筆」　
　　　「相生・きん・せうね・てつ・あれ」（仮題）
　　　「相生」画作者名なし「きん」「せうね」署名「画工近藤助五郎清春筆」　
　　　　　　　　　　　　　　　　　「てつ」署名「画工近藤助五良清春筆」　
　　　　　　　　　　　　　　　　　「あれ」署名「画工近藤助五良清春筆」
　　　　〈解題「歌謡ものの滑稽な絵本零葉五種を集めた合綴本」とする。享保十八年前後に流行した歌謡が使われているこ
　　　　　とから享保年間後期の刊行とされる〉
　　　「ふつき」署名「画工近藤助五郎清春筆」　江見屋板　
　　　「しやん」署名「画工近藤助五郎清春筆」
　　　　〈解題、柱題「しやん」は吉原「しやんこぶし」の詞章に拠るとする〉
　　　『大福長者富貴物語』（近藤清春画作）
　　　　〈解題、漆山天童カード「赤本　小本　画工近藤助五郎清春筆　平野屋板」を引く。また解題者・木村八重子氏の所
　　　　　見本には次のような式亭三馬の識語があるという〉
　　　〝享保の頃開鎸ありし赤本絵冊子なり。近藤助五郎清春は画作せしもの多くあり。鳥居元祖庄兵衛清信
　　　　と時を同うして哥舞伎芝居絵看板を画り。故に哥舞伎絵本狂言番附など書画共に清春筆なり。且吉原
　　　　細見記等、此人の書画せしものあまたあり。文化十四年丁丑霜月中浣、表装を更て文庫に蔵む。三馬
　　　　（印「式亭」）〟　
　　　『【ねこ鼠】大友まとり』署名「画工近藤助五郎清春筆」さがみや板 
　　　『御りやうけんなさい』（近藤清春画）　井筒屋板
　　　　〈解題、絵師未詳と近藤清春画と両説あるという。刊年も未詳であるが、「仮年表」は画工名と刊年を記さず、元禄
　　　　　と宝永の間においている〉
　　　『花見鼠』（近藤清春画　中島屋版）
　　　　〈解題、井上和雄著『浮世絵師伝』の「清春」の項に享保年間作の赤本とある由を記す〉
　　　『聖徳太子』（近藤清春画）
　　　　〈解題、漆山天童カード「赤本　近藤清春画　鹿田目録にも」を引く。また享保年間刊とするのは井上和雄著『浮世絵
　　　　師伝』の由である。「仮年表」は画工名を示さず〉
　　　『うたひ』署名「画工近藤助五郎清春筆」　井筒屋板
　　　　〈以上二本、板元の異なる『うたひ』、刊年未詳だが、便宜上享保年間に入れた〉        
　　　『どうけづくし』（近藤清春画作）
　　　　〈解題、水谷不倒著『草雙紙と読本の研究』等、近藤清春画とするとある〉
　　　『こうぶく寺』　画作者名なし（近藤清春　さがみや版）
　　　　〈解題、漆山天童カード「赤本　画工近藤助五郎清春筆　さがみや新板」を引く〉
　　　『歌おんどへんづくし』　画作者名なし（近藤清春画　安田）
　　　　〈解題、漆山天童カード「赤本（近藤清春画）安田」を引く〉
　　　「はんじもの」画作者名なし　
　　　　〈解題、見返しに「画は近藤助五郎清春」の墨書がある由を記す。作中、手妻人形遣いの辰松八郎兵衛が話題になっ
　　　　　ていることから、享保年間の刊行とする。「仮年表」は画工名を示さず〉
　　　「まつのうち」画作者名なし（近藤清春画）
　　　　〈解題、題簽に「まつのうち　近藤清春画」という打付書があるという〉
　　　「よい」署名「画工近藤助五郎清春筆」
　　　　〈解題、内容は「囃子詞「よいやんな」による歌謡ものらしい」とする〉
　　　『霞冨士』（解題「『地本錦絵問屋譜』の「小川屋」の項に「近藤清春画赤本冨士」あり」）〉
　　　『新地口』〈解題、漆山天童カード「赤本（近藤清春画）安田」を引く」
　　　『桃太郎』〈解題、『古版小説挿画史』に近藤清春画とある由を記す〉
　　
　　◇咄本（享保年間刊）
　　　近藤清春画
　　　『【新板】かる口初かつほ』署名「画工近藤助五郎清春筆」ます屋板　
　
　　◇赤本
　　　西村重長画〈刊年未詳だが、享保年間に入れたものもある〉
　　　「義経島めぐり」署名「ゑし西村重長」題簽「赤本　西村重長画」
　　　『【小あつもり／いく田森】扇始』署名「西村重長筆」鱗形屋板
　　　「武者づくし」　署名「西村重長筆」鱗形屋板
　　　『鳥羽絵』（西村重長画作　村田屋版）
　　　　〈解題、漆山天童カード「赤本　重長画　村田屋板」を引く〉
　
　　◇赤本
　　　西村重信画〈刊年未詳だが、享保年間に入れたものもある〉  
　　　『鼠のゑんぐみ』（西村孫三郎重信　伊勢屋版）
　　　　〈解題、『新修日本小説年表』「西村孫三郎重信　伊勢屋版」を引く〉
　
　　◇赤本
　　　二世鳥居清信画〈刊年未詳だが、赤本ということで仮に享保年間に入れた〉　　　
　　　『武者づくし』（二世鳥居清信画）
　　　『さるかに』　（二世鳥居清信画）
　　　　〈以上の二作品、解題曰く、画工名は水谷不倒著『草雙紙と読本の研究』に拠るとする〉
　
　　◇絵本
　　　近藤勝信画
　　　「三ふく」署名「近藤勝信筆」板元やま（空白）
　　　　〈解題、「三ふく」は「遊所三幅対」か「好色三幅対」とする。西村重長画・享保八年刊「吉原むかし絵本」と合綴〉　　
　
　　◇赤本
　　　画工名未詳
　　　「万さい」画作者名なし　五ウ「元浜丁いかや板」伊賀屋板
　　　　〈解題、『国書総目録』に延享頃とあり、また所見本に「正徳年中之本也」の墨記ありとするも、「仮年表」は刊年を
　　　　　示さず、享保期の中におく〉
　　　『くま一疋とらうな』
　　　　〈解題、『はいかい一字たいじぐち』の表紙に貼り付けられた題簽に「くま一疋とらうな」という〉
　　　「はんじもの」（仮題）　画作者名なし　
　　　　〈解題、見返しに「画は近藤助五郎清春」の墨書がある由を記す。作中、手妻人形遣いの辰松八郎兵衛が話題になっ
　　　　　ていることから、享保年間の刊行とする。「仮年表」は画工名を示さず〉
　　　『はちかつきひめ』画作者名なし　鱗形屋板
　　　『草花づくし』画作者名なし　鱗形屋板
　　　『聖徳太子』（近藤清春画）
　　　　〈解題、漆山天童カード「赤本　近藤清春画　鹿田目録にも」を引く。また享保年間刊とするのは井上和雄著『浮世
　　　　　絵師伝』の由である。「仮年表」は画工名を示さず〉
　　　『豆右衛門』　画作者名なし　
　　　　〈解題、所見本には画工名も版元名もなし。また『国書総目録』には赤本とあるが「元赤本かは不明」とする〉
　　　『姥が池ゑづくし』画作者名なし　鱗形屋板
　　　　〈解題、蜂屋椎園の『稗史鈔』記事「赤本　鱗形屋板　画名なし　画風古し」と引く〉
　　　『五百八十七曲』画作者名なし　鱗形屋板）
　　　『たんばよさく』画作者名なし　山本板　
　　　「逸題鱗合戦」〈「仮年表」画工を奥村かとし、近藤清春画「魚鳥合戦」に合綴とする〉
　　　『豆腐屋六左衛門』〈「仮年表」近藤清春画「冥途懺悔物語」に合綴とする〉
　　　『今泉村五郎右衛門』〈「仮年表」近藤清春画「冥途懺悔物語」に合綴とする〉
　　　『金平武者修行』　画作者名なし（大和屋版）
　　　　〈解題、漆山天童カード「赤本」及び水谷不倒著『草雙紙と読本の研究』の「金平武者執行　大和屋」を引く〉
　　　『夕霧阿波鳴門』　画作者名なし　山本板
　　　『頼光山入』　　　画作者名なし　村田板
　　　『兎の大手柄』　　画作者名なし
　　　　〈解題、所見本の識語（蜂屋椎園？）「宝暦明和中再刻　鼠大手柄　一冊」を引く〉
　　　『鼠の道中』　〈解題、『国書総目録』に作者名のない赤本として載る由を記す〉
　　　『とばゑ』　　〈解題、朝倉無声著『新修日本小説年表』に拠るとする〉
　　　『【ぼんさま山みち】やぶれた衣【うそでござらぬほんだにへ／＼】』画作者名なし　
　　　　　題簽「湯嶋天神女坂　さがみや板」
　　　　〈解題、『国書総目録』補遺「赤本」。「仮年表」は「享保初期か」とする〉
　　　『いろはたんか』　画作者名なし　江見屋板
　　　　〈「仮年表」刊年を「享保前期か」とする〉
　　　『新かわりなぞづくし』　画作者名なし　
　　　『かな村やおさん』
　　　　〈解題、享保十五年、江戸に下った宮古路豊後掾が、葺屋町河岸の小芝居で語って大当たりした「睦月の玉椿名古屋
　　　　　心中」のかなむらやおさんと畳屋伊八を扱った作品であろうという〉
　　　〈本ＨＰの補注。斎藤月岑編『声曲類簒』「宮古路豊後掾橘盛村」の項に〝享保の末江戸へ下り、宮古路豊後掾とあら
　　　　ため【役者五雑俎には享保十五年江戸へ下るとあり】葺屋町河岸播磨といへる小芝居を勤む。【此時睦月の玉椿心中
　　　　といへるに、かなむらやおさん村上常五郎、畳屋伊八に沢村喜十郎勤め、大当りをなせり。都て豊後が節所作によく
　　　　合ふ節なれば、分てこれを賞しけるとかや】〟とあり、また、烏亭焉馬編『江戸芝居年代記』（「未刊随筆百種」十
　　　　一巻）享保二十年、中村座の項に「睦月連理玉椿」〝かな村やおさん　姉川千代さん、畳や伊八　中村新五郎、おさ
　　　　ん母　沢村宗十郎、しうたん大当り、豊後ぶし上るり、珍しき大入り、大当也〟とある〉
　　　『鳥羽絵つくし』〈解題、『国書総目録』に「赤本」とある由を記す〉
　
　◯「絵入狂歌本年表」
　　◇狂歌（享保年間刊）
　　　近藤清春画
　　　『江戸名所百人一首』一冊　署名「画工　近藤助五郎清春筆作」
　　　〈国会図書館、近代デジタルライブラリー、稀書複製会本『江戸名所百人一首』より。なお刊年については、〔狂歌書
　　　　目〕は正徳年間(1711～1715)、〔目録ＤＢ〕は寛文三年(1663)とするが、諸説に従って享保年間にした〉
　　　『今様職人尽百人一首』一冊　近藤清春自画・自詠　版元不記載　〔狂歌書目〕
　　　『どうけ百人一首』　　一冊　近藤清春自画・自詠　版元不記載　〔狂歌書目〕
　　　『道外百人一首』　　　一冊　酔放逸人画　清春詠　森屋治兵衛板〔狂歌書目〕
　
　◯「江戸顔見世番付諸板一覧」
　　◇顔見世番付（享保年間刊）
　　　十一月　市村座　絵師　署名なし　ゑざうしや◎◎衛板
　　
　◯「艶本年表」
　　◇艶本（享保年間刊）
　　　西川祐信画
　　　『花あやめ』一冊　西川祐信画　享保頃刊　〔目録ＤＢ〕（注記「日本艶本目録（未定稿）による」）
　　　『枕系図』　　　　西川祐信画　享保頃刊？〔目録ＤＢ〕（注記「日本艶本目録（未定稿）による」）
　　　奧村政信画
　　　『篠田伝授の玉七色狐手習鑑』三冊　奧村政信画〔目録ＤＢ〕（注記「日本艶本目録（未定稿）による」）
　　　吉田半兵衛画
　　　『砂糖饅頭』　　　吉田半兵衛画　享保頃？〔目録ＤＢ〕（注記「日本艶本目録（未定稿）による」）
　　　作・画者不明
　　　『にくやからす』一冊　享保年間刊？〔目録ＤＢ〕（注記「日本艶本目録（未定稿）による」）
　
　☆　正徳・享保頃
　
　◯「日本古典籍総合目録」
　　◇浮世草子（正徳・享保頃刊？）
　　　西川祐信画
　　　『諸遊芥子鹿子』一冊　西川祐信画　正徳・享保頃刊
　　◇絵本番付（正徳・享保頃刊？）
　　　鳥居清倍画
　　　『市村座狂言絵本』一冊　鳥居清倍画>
　　◇浄瑠璃（正徳・享保頃刊？）
　　　近藤清春画
　　　『岡部六弥太』一冊　近藤清春画？
　　　田村吉信画
　　　『鬼打豆』一冊　田村吉信画　正徳・享保頃
　　◇往来物
　　　西川祐信画　
　　　『女朗詠教訓歌』一冊　西川祐信画　晩香散人玉子作
　　◇狂歌（正徳・享保頃刊？）
　　　近藤清春画
　　　『今様職人尽百人一首』一冊　近藤清春(ﾏﾏ)
　　　『とうけ百人一首』　　一冊　近藤清春画
　　◇絵画（正徳・享保頃刊？）
　　　川島信清画
　　　『川島信清画本』一冊　川島信清画
　
　◯「浄瑠璃年表」〔霞亭文庫〕
　　◇浄瑠璃本（正徳・享保頃刊？）〈「日本古典籍総合目録」〉
　　　田村吉信画
　　　『鬼打豆』署名「画工　田村吉信筆」刊記なし
　　　近藤清春画
　　　『出世稚握虎』署名「画工近藤助五郎清春図」
　　　『太閤軍記』　署名「画工近藤清春」
　
　◯「浄瑠璃年表」〔霞亭文庫〕
　　◇浄瑠璃本（享保年間刊）
　　　近藤清春画『真鳥兼道』署名「ゑし　近藤助五郎清春図」刊記「享保（空白）年正月吉日」鱗形屋板