■2005年国際市民セミナー報告

 昨年に引き続き、本年も9月17日(土)、東京・全水道会館において、東京宣言推進実行委員会が、欧州議会でREACH策定に深く関与したインガー・シェーリングさん(前欧州議会議員/スウェーデン)と国際的に化学物質問題に取り組んでいるパール・ロザンダーさん(ChemSec代表/スウェーデン)を講師としてお招きし、「どうなるEUの新化学物質政策−REACHをめぐる議論と展望−」と題するセミナーを開催しました。

 お二人の講師には、REACHとは何か、現在何がEU議論されているのか、そしてその展望は−などについて最新の情報を提供していただきました。会場は170名近くの参加者であふれ、日本においても市民のREACHへの関心の高まりが感じられました。

 2003年10月29日に欧州委員会はREACH最終提案を欧州議会と閣僚理事会に提出しましたが、2004年6月の欧州議会選挙後、議会内の各委員会で検討が本格化し、現在、各委員会から多くの修正提案が出されているとのことであり、早ければ本年末頃にそれらの修正提案の採決が行われるようです。議会での審議の後、欧州理事会との協議が必要であり、REACHが発行するのは2006年末から2007年前半ではないかと言われています。

 実行委員会は、昨年の国際市民セミナーで採択された「化学物質汚染のない地球を求める東京宣言」の賛同・署名キャンペーンを本年初頭から展開しましたが、9月17日現在、個人賛同・署名が20,000人以上、団体賛同・署名が130団体以上であることを本セミナーにおいて発表しました。
 賛同・署名は10月15日をもって最終集約し、11月中に日本政府に署名簿を提出し、東京宣言の内容にそった化学物質政策の実現を要求します。

どうなるEUの新化学物質政策−REACHをめぐる議論と展望−
【日 時】 917日(土)13:00−17:00 大盛況で終了しました

【場 所】
大会議室
東京都文京区本郷1-4-1 TEL 03-3816-4196 地 図
【交 通】 JR水道橋駅東口下車徒歩2分
都営地下鉄三田線水道橋駅 A1出口徒歩1分
【プログラム】 ■講演:インガー・シェーリングさん
(前欧州議会議員/スウェーデン)
「REACHのめざすもの」

■講演:パール・ロザンダーさん
(ChemSec代表/スウェーデン)
「REACHをめぐる議論と展望」

■東京宣言の賛同署名活動についての報告/実行委員会
【通 訳】逐次通訳
【資料代】1,000円 (当日会場でお支払いください)
【対 象】本セミナーは市民向けに開催されます。
事業者・企業向けには9月16日(金)にWWFジャパン主催のセミナーが予定されています。
WWF REACHビジネスセミナー
【問い合せ】 TEL/FAX 03-5836-4359 e-mail:comeon@toxwatch.net
【主 催】 化学物質汚染のない地球をめざす東京宣言推進実行委員会
有害化学物質削減ネットワークダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
化学物質問題市民研究会WWFジャパン全国労働安全衛生センター連絡会議


■発表資料
1.インガー・シェーリングさん
 REACHとは何か? なぜREACHが必要なのか?REACHについての経緯と激しい論争、決定の手順、そしてREACHはいつ発効するのか?
  パワーポイント・プレゼンテーション
  説明資料

2.パール・ロザンダーさん
  REACHの現状と将来
  パワーポイント・プレゼンテーション
  説明資料

■配布資料
  EU 新化学物質政策 REACH Q&A
  REACHへの予防原則の適用 (安間 武/化学物質問題市民研究会)


本セミナーは、平成17年度地球環境基金の助成を受けています