ブルネル大学ニュース 2015年6月23日日
世界の科学者調査チーム がんを引き起こすかもしれな身の回りの 化学物質の研究を求める (低用量複合暴露) 情報源:Brunel University News, 23 Jun 2015 Global taskforce calls for research into everyday chemicals that may cause cancer http://www.brunel.ac.uk/news-and-events/news/news-items/ne_428368 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2014年6月29日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/news/150623_Brunel_combined_chemicals.html 新たな研究によれば、検証した化学物質のうち 50 物質は、複合すると、人々が日々暴露しているレベルでがんを引き起こすかもしれない。 28か国の優れた研究センターからの174人の科学者からなる世界的な調査チームは、人々が日常的に遭遇する化学物質の混合物とがんの発症との関係を調査した。調査は人への発がん性があるとはみなされていない 85種の化学物質を選定し、そのうち 50物質が今日環境中で見いだされる暴露レベルで主要ながんとの関連メカニズムを確認した。 身の回りの化学物質の混合的及び加算的影響についての長年の懸念が、カナダ・ノバスコシア州ハリファックスにあり、ロウ・ルロイ(Lowe Leroy)により主宰されている組織 ”Getting To Know Cancer (がんを知る)” に、がん生物学の全範囲に照らして、混合について何がわかっているのかという問題を提起して、チームを結集させた。 ロンドンにあるブルネル大学のがん生物学者ヘマド・ヤサエイ博士は、がん発達中の遺伝子と分子変化に関する彼の知識をもって貢献した。彼は次のように述べた。”この研究は、それ自身では有害であるとみなされていない化学物質が体内で混合して蓄積しており、そのことが我々が目撃している世界のがん発生の背景にあるかもしれないという考えを支持している。我々は、我々が食べる食物、吸入するする空気、そして飲む水の中の化学物質の混合への低用量暴露の影響を研究するために、もっと多くのリソースをつぎ込む緊急の必要性がある”。 がんエピジェネティクスと環境という領域でこの研究に貢献したバース大学の生物・生物科学部門のアンドリュー・ワード教授は次のように述べた。”がんの主要な特徴の全ての展望から環境化学物質を見るという、このような大規模のレビューは前例がない”。 その様な典型的な環境暴露ががんにおける代謝不全にどのように影響するのかの検証に貢献したランカスター大学のフランシス・マーティン教授は、この見解を支持した。 彼は、、次のように述べた。”多くのがんの発症率が上昇しているが、環境的要因物質の重要な役割の検証に投入されている研究は非常にわずかである。この世界にまたがる研究者のチームは、”目下研究中の領域”に我々の注意向けている”。 ゆるぎない証拠に照らして調査チームは、環境化学物質の混合への低用量暴露に関して、もっと多くの強調と研究支援を求めている。今回の研究は、5つのがんのうち1つは化学物質が原因であると推定している。人間集団は数千の化学物質に日常的に暴露しており、その影響は、がんの発症を低減するために、世界中でもっとよく理解される必要がある。 この研究は、オックスフォード大学出版局の 『Carcinogenesis』 誌の特集で発表された。 サンフランシスコにあるカリフォルニア太平洋医学センターの上席科学者であり、全体の主著者であるウイリアム・グッドソン3世は次のように述べている。”環境中で避けることのできない多くの化学物質は、発がん性に直接的に関連する低用量影響を生成することができるのだから、我々が行ってきた化学物質を一度に一つずつテストする方法は全く時代遅れである。毎日、我々は環境的’化学物質のスープ’にさらされているので、これらの化学的混合物への我々の現状の暴露の影響を評価するテスト手法が必要である”。 訳注:関連情報
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