EWG プレスリリース 2006年4月5日
ハーバード大研究:フッ素添加水道水と
男児の骨がんとの間に強い関連

産業界と関係ある学部長 連邦政府当局に偏向した報告

情報源:EWG Press Release, April 5, 2006
Harvard Study: Strong Link Between Fluoridated Water and Bone Cancer in Boys
Department Chair With Industry Ties Misrepresented Results to Federal Authorities
http://www.ewg.org/issues/fluoride/20060405/index.php

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2006年4月15日


 【ワシントン4月5日】 ハーバード大学の科学者がピアレビュー・ジャーナルに発表した研究によれば、連邦政府ガイドラインにより安全であるとみなされるレベルでフッ素添加された水を飲む男児は、フッ素添加を行わない水を飲む男児よりも5倍、珍しい骨がんにかかりやすい。

 エリーゼ・バッシン博士により実施され、ハーバードがん防止センターの公式ジャーナルである”がんの原因と制御”に本日、オンライン発表されたこの研究は、フッ素添加飲料水と、男児の非常に珍しくしばしば不治である骨がん(osteocarcoma)との間に強い関連があることを示した。この研究は、国立健康研究所(NIH)及びニュージャージー州保健局による研究もまた、フッ素添加水道水を飲んだ男児に骨がんの発症率が高いことを見出したことを確認している。

 バッシンの研究は、連邦政府の水道水中のフッ素化合物の”安全”基準は子どもを歯のフッ素症(訳注:)や増大する骨折から保護していないということを見出した国立科学アカデミー(NAS)の報告をフォローするものである。NASは水道水中のフッ化物の許容値は直ちに低くすべきと勧告している。


 ”この研究はフッ化物の安全性と10代の少年に骨がんを引き起こす可能性について深刻な懸念を呼び起こすものである”−とEWGの副代表リチャード・ワイルスは述べた。”この研究結果は、水道水にフッ化物を添加することについて基本的な疑問を提起するものである。”

 バッシンの研究はまた、ハーバード大学歯学校口腔保健政策( Oral Health Policy)議長及び疫学部長であり、バッシンの博士論文指導教官であるチェスター・ダグラス博士が、彼の連邦政府の助成を受けた研究成果を国立環境健康科学研究所(NIEHS)に報告したときに、彼女の研究結果について虚偽の報告をしたかどうかについての連邦政府とハーバード大学の合同倫理調査の核心である。

 昨年、エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)は、ダグラスがバッシンの研究結果を不正確に述べたことを強く示唆する文書を入手した。ダグラスは、フッ化物を添加した飲料水と骨がんとの間の関連を研究するために巨額の連邦政府助成金を受けており、また、練り歯磨きの大会社コルゲイト(Colgate)に雇われており、そこで彼は歯医者向けのニュスレターの編集を10年以上行っていた。

 最近、バッシンの研究成果の質に付いてボストンのフォックス・ニュースの調査報道記者に問い詰められた時にダグラスは何も言えず、ただ、彼女の仕事を賞賛するだけであった。彼女はいい仕事をした。彼女は彼女によいアドバイスしてくれる人々を持っている。そしてそれは見事な分析である。その分析に何も悪いところはない”−と彼は述べた。

 ”ダグラス博士が最後にはバッシン博士の仕事の質について明確にしたことはよいことであった。しかし、彼が国立健康研究所(NIH)に彼の仕事について報告する時にそのようにしなかったのはまことに恥ずべきことである”−とワイルスは述べた。

 フォックス社は、彼の行為についての、ハーバード調査のドラフト・コピーを振って、大学の調査はもうすぐ発表されるであろうと述べるダグラス博士の姿を放映した。昨年、EWGは国立健康研究所(NIH)に、彼が研究結果を誤り伝えたかどうか調査すべきは助成を受けたダグラスの研究の内どれかと問い合わせた。

 EWGは、共同体に対して水道水にフッ化物を添加しないよう主張し、両親はフッ化物添加水を子どもたち、特に乳幼児に与えないよう勧告する。”フッ化化合物が、直接、歯に適用される練り歯磨中にあるのはよいが、飲料水中にあってもほとんど歯科的な利益はなく、むしろ深刻な健康影響を、特に少年に及ぼす”−とワイルスは述べた。


EWG 関連報告書
Fox 25 Boston Report (video)


訳注: 訳注(参考):水質基準(フッ素)の国際比較
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/11/s1108-5g.html
基準基準値(mg/l)
水道法第4条(日本)0.8
WHOガイドライン値1.5
USEPA飲料水基準4.0, 2.0
EU指令1.5



化学物質問題市民研究会
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