予防的取組方法/原則に関するカナダの展望
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 情報源:A Canadian Perspective on the Precautionary Approach/Principle http://www.ec.gc.ca/econom/discussion_e.htm 掲載日:2003年 7月21日 更新日:2003年11月23日 (カナダ政府は下記更新内容を掲載) リスクについての科学的政策決定における予防の適用の枠組み 2001年〜2002年、カナダにおけるコンサルテーションに基づき、カナダ政府は「リスクについての科学的政策決定における予防の適用の枠組み」を開発した。(訳注:当研究会による日本語訳参照) この枠組みは、健康と安全と環境の保護、及び天然資源の保護のためのカナダ連邦の規制措置領域における科学ベースの政策決定に対する予防の適用の指針原則を示すものである。 各省庁及び各機関の担当者は政策決定に当たってその指針原則を考慮し、関係者と協議の上、それぞれの責任範囲において予防の適用の指針を展開するために協力することが期待される。 (訳注:上記枠組みは2003年7月25日に発表されたが、それ以前はこのページにはコンサルテーションの対象となった「予防的取組方法/原則に関するカナダの展望」に関する下記の記述が掲載されていた。2003年11月23日) 2000年の初頭から、カナダ政府は、科学に基づく法規制計画の中で予防的取組方法/原則の適用について議論する作業を開始した。この作業は連邦政府の公共事業におけるリスク管理の実施を強化するという連邦政府の方針に沿ったものである。 予防的取組方法/予防原則(precautionary approach / precautionary principle)は科学的リスク管理において特徴的な手法である。それは、深刻な、あるいは取り返しのつかない被害の恐れに直面している時に、科学的な確実性が十分でないということを、決定を遅らせる理由にしてはならないとしている。 しかし、決定するにあたってその条件についての指針と保証が要求されるる。特に、重大な科学的不確実性が存在する状況下において深刻な、あるいは取り返しのつかない被害のリスクに関する政策を決定しなければならないような場合には、指針と保証が求められる。 予防的取組方法/予防原則は、まず、選択と決定の段階における展開に影響を与え、最終的には、価値と優先順位に基づく判断によって決定される。実際にカナダには、健康と安全、環境保護と天然資源の保全のための科学に基づく計画の中で、予防的取組方法を実施してきた長い歴史がある。
上記のドキュメントは、リスク管理での政策決定における予防的取組方法/原則の輪郭がはっきりし、重要性が増大してきたことに対応して、関連部局からなる作業部会通じてカナダ政府が刊行したものである。この刊行は、カナダにおける予防的取組方法の一貫した適用のための政府の枠組みを確立する上で重要なことである。 この討議資料は、政府の科学的リスク決定において用いられる予防的取組方法に一貫性を持たせるために提案する”指針原則”の概要を示したものである。これらの原則は予防的取組方法に対する政府の枠組みの主要な要素を構成している。そのような枠組みは4つの目的を持つ。
政府は、予防的取組方法についての情報を提供し、そこに示される概念、原則、及び指針についての意見を懇請する目的を付して、この書類を様々な公開の場を通じて関係者に配布している。 あなたの考えとコメントは重要である。あなたのコメントを2002年3月末日までに提出していただきたい。お問合せは下記ウェブサイトを通じて、あるいは下記宛に書面にてお願いする。 Health Canada Departmental Regulatory Affairs Secretariat Room 982D Brooke Claxton Building AL 0909D Tunney's Pasture Ottawa K1A 0K9 Agriculture and Agri-Food Canada Canadian Food Inspection Agency Department of Fisheries and Oceans Department of Foreign Affairs and International Trade Environment Canada Health Canada (you are here) Industry Canada Natural Resources Canada (訳:安間 武 /化学物質問題市民研究会) |