国際環境法センター(CIEL)2023年6月26日
深い問題: 沖合炭素回収と貯留のリスク−要約
情報源: CIEL, June 26th, 2023
Deep Trouble: The Risks of Offshore
Carbon Capture and Storage (Brief)

https://www.ciel.org/wp-content/uploads/2023/06/CIEL_brief_
Deep-Trouble-The-Risks-of-Offshore-Carbon-Capture-and-Storage_June2023.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2023年9月21日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_23/230626_CIEL_
Deep_Trouble_The_Risks_of_Offshore_Carbon_Capture_and_Storage.html

 気候変動への貢献に対する厳しい監視に直面しているため、汚染産業は二酸化炭素廃棄物(carbon dioxide waste)の潜在的な投棄場所として沖合にますます注目している。 石油、ガス、石油化学企業は、化石燃料を段階的に廃止するのではなく、その代わりに排出される二酸化炭素の一部を回収し、地下や海底に圧入できると主張している。 しかし、この二酸化炭素回収・貯留 (Carbon Capture and Storage / CCS) 技術はまだ大規模に実証されておらず、その構築は環境、安全、健康上の多くのリスクを引き起こす。 現在世界中に存在する沖合 CCS プロジェクトはごくわずかであるが、CCS の実現可能性に重大な疑問を投げかけており、生態系、地域社会、気候に対する潜在的な悪影響について疑問を引き起こしている。 こうした懸念や不確実性にもかかわらず、化石燃料大手は沖合 CCS を大幅に増加させることを提案しており、その結果、世界の海を脅かし、気候変動に対する実際の行動を遅らせている。

国際環境法センター(CIEL)から今後発表される報告書がこの増大する脅威を詳しく探索している。
2023年6月


下記の要約をお読みください。

主な調査結果
沖合 CCS は現在、これまでにない規模で提案されている。

 世界中で少なくとも 38 件の沖合炭素隔離(offshore carbon sequestration)に関する新しい提案があり、その大部分は 2030年以前の運用が計画されている。それらのプロジェクトを合せると、海底下の地層処分場に年間 1億 6,500万トン以上の CO2 を貯留することが想定され、これは現在の沖合圧入量のほぼ 100倍に相当する[1]。沖合 CCS のこの大規模な提案された規模拡大は、主にいくつかの地域に集中している。米国のメキシコ湾(エクソンモービル[2]とシェブロン[3]が CCS ハブを提案している場所)やヨーロッパの北海(エクイノール(Equinor)がオーロラ〈Northern Lights〉ハブ・プロジェクトを主導している場所[4])など、数十年にわたって石油とガスの掘削が盛んに行われてきた場所である。

現存する数少ない沖合 CCS プロジェクトは、それが大規模であることはもちろん、概して技術の実現可能性に疑問を投げかけている。

 専用の沖合貯留場所(a dedicated offshore storage site)に CO2 を圧入する CCS プロジェクトは、世界で 2例しかない (いずれもノルウェー)[5] 。CCS の支持者らは、これらのプロジェクトの両方を成功例として宣伝することがよくあるが、最近の報告書はこの評価に疑問を投げかけている。 報告書の著者は、これらの主力 CCS プロジェクトの両方で圧入された CO2 が予期せぬ挙動を示し、想定外の介入が必要であることを発見した。 これらの調査結果から、著者は、大規模な CCS を安全に管理するための取り組み、技術的ノウハウ、規制力が世界には欠けている可能性があると結論付けた[6]。

沖合 CCS には計算外のリスクが伴う。

 CO2 を地表下に圧入すると、地下水を汚染し、地震を引き起こし、有害な塩水の堆積を押し出すなど、重大な結果をもたらす可能性があるにもかかわらず、これらの潜在的な危険性の管理はほとんどテストされていない[7]。海底の CO2 貯留のダイナミクスを解明するのはさらに困難である。陸上よりも正確に把握することができず、専門の船舶を使用した費用のかかる調査が必要となる[8]。沖合 CCS プロジェクトでは、堅牢な輸送と技術的要件、及び水中での問題の軽減が難しいため、漏洩などのリスクが発生する可能性が高くなる[9]。 さらに、 CO2 が貯留される地層には、ガスが逃げる目に見えない通路がある可能性がある[10]。これらの潜在的な漏洩は、気候危機への取り組みにとって大きな脅威となる。 ある推定によると、CCS が広く導入された場合、たとえ 0.1% の漏洩率であっても、21 世紀には最大 25 ギガトンの追加 CO2 排出が発生する可能性がある[11]。

従来の油井やガス井との相互作用により、漏洩のリスクが悪化する。

 19 世紀以来、石油やガスの事業者らは採掘のために海底に穴を開けてきた。 これらの従来の坑井(訳注:坑井(井戸)とは? 直接目で見ることができない地下を相手にする石油・天然ガス開発では、通常、探鉱段階から開発・生産段階までに複数の坑井を掘削する必要があり、直径数十センチの井戸を地下数千メートルまで掘削し、石油・天然ガスの有無の確認や生産を行う。JX 石油開発)は CO2 が逃げる経路となる可能性があるため[12]、陸上と沖合の両方の CCS プロジェクトにおいて漏洩または”封じ込めの失敗”という最大のリスクをもたらす[13]。 このリスクにもかかわらず、メキシコ湾など沖合 CCS の対象となっている一部の地域は油井とガス井であばだらけである。 規制当局は、これらの既存の井戸の多くが検知や監視されることなく、すでに漏洩している可能性があることを認めている[14]。

沖合 CCS は、テストされていない監視の課題を引き起こす。

 沖合 CCS のリスクの多くはまだ十分に評価されておらず、ましてや包括的な規制は行われていない。しかし、沖合の石油とガスの探査と生産の長い歴史は、海での産業活動を監視することの難しさを示している。 政府の報告書は、パイプラインや井戸の監視が組織的に欠如していることを示しており[15]、沖合石油・ガス業界の悲惨な災害の歴史は、海での操業の規制の課題を証明している[16]。CCS はまた、沖合プラットフォームの労働者らの安全上の危険をもたらし[17]、 CO2 の輸送と貯留はヘリコプター、ボート、または高価な水中監視装置を使用しないと問題を簡単には発見できない規制当局にとっても、同様の監督上の課題が生じている。

既存の沖合基盤施設では、定期的に障害が発生する。沖合 CCS は、同様の漏洩が発生しやすいシステムに依存することになる。

 沖合パイプラインや石油輸送の漏洩はすでに頻繁に発生しており、最近行われた衛星画像の研究により、フランス全土を二度覆うほどの油田(oil patches)が海上に広がっていることが判明した[18]。廃止されたパイプラインやその他の沖合基盤施設は、監視されずに海底に放置されることが多い。 また、パイプラインの安全性データのレビューによると、沖合での操業では漏洩やその他の問題は陸上施設より頻繁に発生する[19]。業界が既存の沖合基盤施設の管理に失敗していることにより、提案されている沖合 CCS の構築に必要なまったく新しい海底パイプラインのネットワークを安全に管理する能力に疑問が生じている。

沖合 CCS は取り返しのつかない被害をもたらす可能性があり、海はすでにストレスにさらされている。

 海底パイプラインの敷設は複雑で費用がかかり、たとえ漏れがなくても沿岸及び海の環境を著しく乱す可能性がある[20]。漏洩やパイプラインの破裂が実際に発生すると、大量の CO2が突然放出され、取り返しのつかない事態になる可能性があり[21]、敏感な海洋生物にダメージを与え、周囲の海水の酸性度を高め、海洋酸性化の危機を悪化させる[22]。 法制度は沖合 CCS のリスクに対する重要な防波堤となっているが、強化する必要がある。

 沖合 CCS の規制枠組みは不完全であるが、どのような海洋活動も既存の国内及び国際的な法制度に関係する。 米国、ノルウェー、オーストラリアなど、主要な貯留拠点が提案されている国では、環境影響評価と管理、沿岸地帯や領海の使用、絶滅危惧種と生態系の保護、緊急対応計画、などの安全措置により、沖合 CCS プロジェクトの拡大にブレーキがかかるかもしれない。国際法もまた、海洋で行なわれる可能性のある活動の種類を制限する。例えば、海洋法を管理する法的枠組み;海洋環境、生物多様性、海洋の安全の保護;そして 海洋汚染、気候変動、及びその他の形態の国境を越えた環境危害の防止[23]がある。

 一部の国際機関[24] や各国当局[25]が CCS の潜在的な影響を評価し、新しい規則を検討しているため、適用される規制は流動的である。 今は、プロジェクトが開始される前に、また、それらのリスクが関連する規制制度に情報を提供し、強化できる間に、沖合 CO2 圧入(offshore CO2 injection)(訳注:CO2インジェクションポンプは,二酸化炭素(CO2)を油層に圧入し,原油を効率的に回収する石油増進回収法(EOR)のプロセスの一部として活躍している。 この際にエネルギー生産や産業で排出されるガスから回収される二酸化炭素が用いられる場合があり,二酸化炭素回収・貯留(CCS)としても期待されている。荏原製作所 )による無数の新たな未知のリスクを評価する重要な時期であり、そのリスクを把握する必要がある。

沖合 CCSの価格は高騰しており、その大部分は公的資金から賄われることになる。

 陸上 CCS と同様に、沖合 CO2 貯留に関する新たな計画の多くは政府の補助金に依存している[26]。そのような公的資金がなければ、沖合 CCS プロジェクトは経済的ではない。 二酸化炭素の回収と貯留に対する補助金は、近年、特に米国の新しい法律の下で膨れ上がっている[27]。したがって、汚染者らは、排出物を埋めるために公金で支払われているが、これは汚染者負担の原則の倒錯である。公的補助金を沖合 CCS につぎ込むことは、再生可能エネルギーへの投資やエネルギー需要削減など、化石燃料のない未来への移行を支援する、実績があり利用可能で不可欠な気候対策に必要な乏しい資金を振り向けることになる。

CCS は約束した排出量削減を達成していない。 それは化石燃料施設を稼働させ続け、エネルギー転換を遅らせる。

 多くの CCS 支持者らは、二酸化炭素を回収することで排出量を大幅に削減または排除すると約束しているが、CCS の主力プロジェクトのほとんどは大失敗に終わっている。 十数か所のそのような施設を調査した2022年の報告書によると、大部分が約束された二酸化炭素回収を達成できていない。この報告書はまた、これまでに回収された炭素のほぼすべてが、石油増進回収 (Enhanced Oil Recovery/EOR) として知られるプロセスを通じてより多くの石油を抽出するために地下に圧入されたことも明らかにした[28]。その石油はその後販売され、燃焼され、大気中に直接的にさらに多くの CO2 をもたらす。 CCS は汚染施設を稼働させ続け、化石燃料の段階的廃止を遅らせる[29]。大規模な CCS の建設には、パイプライン、輸送ネットワーク、ウェルパッド(訳注:油井掘削のために準備された用地 Law Insider)などの膨大な数の新しい基盤施設の建設も必要になる[30]。これらの建設は、政府機関に多大な監視負担をもたらし、環境不正義を悪化させることになる[31]。

主要な結論
  • 陸上でも海底でも、CCS は気候危機の解決策ではない。CCS は気候変動への取り組みを遅らせ、化石燃料の段階的廃止を引き延ばす産業界の戦略である。

  • CCS に関する世界的な経験が限られていることを考えると、提案されている新しい沖合 CCS プロジェクトの規模と複雑さは、実現可能性に大きな疑問を投げかける。

  • 水中パイプラインや貯留場所からの CO2 漏洩のリスクは、環境、健康、安全上の脅威を脅かし、海洋環境に重大な影響を与える可能性がある。

  • 海はますますストレスにさらされており、海底下に CO2 を圧入すると、新たな問題が生じる。

  • 推進者らは、メキシコ湾や北海などの石油・ガス生産地帯を沖合 CCS の標的にし、最大の漏洩リスクがある場所での CO2 圧入を推進している。

  • 沖合石油・ガス探査の歴史から、海洋における産業側の活動監視に重大な問題があることが明らかになった。沖合 CCS によって監視が改善されると信じる理由はほとんどない。

  • さまざまな既存の国内法及び国際法は、海洋でも CCS 展開を制限し、CCS が及ぼす無数の既知及び未知のリスクへの直面にあたり、政府と会社が予防措置を講じることを求めるかもしれない。 CCS の進化する規制体制は保護を強化しなければならない。

  • 政府は CCS、特に石油増進回収(EOR)に使用される CCS に対する公的補助金を廃止しなければならない。代わりに、政府は化石燃料への依存を減らし、再生可能エネルギーを拡大し、エネルギー効率を向上に、公共資源を振り向けるべきである。
Sources

1. Compiled from Global CCS Institute facilities database CO2re.co/FacilityData, and news reports.

2. ExxonMobil, Charting a bold concept for a lower-carbon future (Energy Factor by ExxonMobil, 2021), energyfactor.exxonmobil.com/reducing-emissions/carbon-capture-and-storage/
lcs-houston-ccs-concept/


3. Chevron , Bayou Bend aims to be first US offshore carbon storage hub (2022),
www.chevron.com/newsroom/2022/q3/
bayou-bend-aims-to-be-first-us-offshore-carbon-storage-hub


4. Northern Lights, What we do (2022), norlights.com/what-we-do/

5. Ibid. Note: There is one other operational offshore CCS project. Petrobras injects CO2 as part of its operations in the Santos Basin Pre-Salt Oil Field in Brazil. This project is focused on enhanced oil recovery, using the CO2 to help produce more oil during extraction, and is not considered dedicated geological storage of CO2.

6. Grant Hauber, Norway's Sleipner and Snovhit CCS Industry models or cautionary tales (IEEFA, June 2023),
ieefa.org/resources/norways-sleipner-and-snohvit-ccs-industry-models-or-cautionary-tales

7. Anderson, S.T. Risk, Liability, and Economic Issues with Long-Term CO2 Storage-A Review (Natural Resources Research [26, 89-112] 2017)
https://doi.org/10.1007/s11053-016-9303-6


8. Carl Erbrich, Mark Randolph, Mark Jason Cassidy, Susan M. Gourvenec, Challenges of offshore geotechnical engineering (Proceedings of the 16th International Conference on Soil Mechanics and Geotechnical Engineering, 2005), doi:10.3233/978-1-61499-656-9-123

9. van der Zwaan, B., Gerlagh, R. Offshore CCS and ocean acidification: a global long-term probabilistic cost-benefit analysis of climate change mitigation (Climatic Change [137, 157-170], 2016), doi:10.1007/s10584-016-1674-5

10. Rebecca C. Smyth and Susan D. Hovorka, Best Management Practices for Offshore Transportation and Sub-Seabed Geologic Storage of Carbon Dioxide (OCS Study BOEM, 2018), espis.boem.gov/final%20reports/5663.pdf

11. Adriano Vinca, Johannes Emmerling, Massimo Tavoni, Bearing the Cost of Stored Carbon Leakage (Frontiers in Energy Research, 2018), doi:10.3389/fenrg.2018.00040

12. Smyth and Hovorka, Best Management Practices, 9

13. Smyth and Hovorka, Best Management Practices, 37

14. Jeff Donn, Mitch Weiss, Gulf awash in 27,000 abandoned wells (The Associated Press, 2010),
www.nbcnews.com/id/wbna38113914

15. Government Accountability Office (GAO), Offshore Oil and Gas: Updated Regulations Needed to Improve Pipeline Oversight and Decommissioning (2021), www.gao.gov/assets/gao-21-293.pdf; BOEM Gulf of Mexico Regional Office, Impact of Abandoned Oil and Gas Wells on Air and Water Quality in the Gulf of Mexico,” (2021),
www.boem.gov/sites/default/files/documents/environment/environmental-studies/GM-22-01.pdf

16. "The world"s worst offshore oil rig disasters," Offshore Technology (2021),
www.offshore-technology.com/analysis/feature-the-worlds-deadliest-offshore-oil-rig-disasters-4149812

17. IPCC, Carbon Dioxide Capture and Storage (Cambridge University Press, [chap. 5 at 243], 2005)

18. Sasha Warren, Ocean Oil Slick Map Reveals Enough Greasy Patches to Cover France - Twice (Scientific American, 2022),
www.scientificamerican.com/article/ocean-oil-slick-map-reveals-enough-greasy-patches-to-cover-france-mdash-twic. Link could not found

19. Scott Eustis, New Report: Oil & Gas Pipeline Integrity in Texas and Louisiana, 2010-2020 (Healthy Gulf, 2021),
healthygulf.org/2021/10/18/new-report-oil-gas-pipeline-integrity-in-texas-and-louisiana-2010-2020/ This page doesn't seem to exist.

20. Marine Mammal Commission, Stages of Offshore Oil and Gas Development and Potential Effects on Marine Mammals,
www.mmc.gov/priority-topics/offshore-energy-development-and-marine-mammals, visited June 15, 2022

21. Smyth and Hovorka, Best Management Practices, 60, 70, 73

22. Anusha Dissanayake, Tor Nordam, Jonas Gros, Simulations of Subsea CO2 Leakage Scenarios, (Trondheim Conference on CO2 Capture, Transport and Storage [388], 2021), sintef.brage.unit.no/sintef-xmlui/bitstream/handle/11250/2786880/Simulations

23. For example, the London Dumping Convention permits sub-seabed injection of CO2 under certain defined conditions, but currently restricts the movement of CO2 across borders. See 1996 Protocol to the Convention on the Prevention of Marine Pollution by Dumping of Wastes and Other Matter, 1972 (as amended in 2006), Art. 6; Annex 1, para 4.1
wwwcdn.imo.org/localresources/en/OurWork/Environment/Documents/
PROTOCOLAmended2006.pdf


24. For example, the Parties to the Convention for the Protection of the Marine Environment of the North-East Atlantic (OSPAR Convention), are evaluating offshore carbon injection. See Strategy of the OSPAR Commission for the Protection of the Marine Environment of the North-East Atlantic 2030, S12.03 (2021), www.ospar.org/documents?v=46337

25. For example, the U.S. Bureau of Ocean Energy Management (BOEM) is drafting new regulations to govern CO2 injection on the Outer Continental Shelf. See U.S. Dep't of the Interior, Bureau of Ocean Energy Management, Carbon Sequestration,
www.boem.gov/about-boem/regulations-guidance/carbon-sequestration; see also DOI/ASLM, Carbon Sequestration, RIN: 1082-AA04 (2022), www.reginfo.gov/public/do/eAgendaViewRule?pubId=202210&RIN=1082-AA04

26. See e.g., Norway, Ole Ketil Helgesen, Norway greenlights $1.2bn funding for Northern Lights carbon transport and storage scheme, Upstream (Upstream Online, 2020), www.upstreamonline.com/energy-transition/norway-greenlights-1-2bn-funding-for-northern-lights-carbon-transport-and-storage-scheme/2-1-931379. See e.g., UK, The Carbon Capture and Storage Infrastructure Fund, 2020

27. See Inflation Reduction Act of 2022, Pub. L. No. 117-169, § 13104 (2022); see also: Shearman & Sterling LLP, “Inflation Reduction Act: Key Green and Blue Hydrogen and CCUS Provisions,” JD Supra, August 15, 2022, www.jdsupra.com/legalnews/inflation-reduction-act-key-greenand-5006460

28. Bruce Roberston, Milad Mousavian, The Carbon Crux: Lessons Learned (IEEFA, September 2022), ieefa.org/resources/carbon-capture-crux-lessons-learned

29. See generally, Center for International Environmental Law, Confronting the Myth of Carbon-Free Fossil Fuels: Why Carbon Capture Is Not a Climate Solution (Washington DC: CIEL, 2021), www.ciel.org/reports/carbon-capture-is-not-a-climate-solution

30. Ramsey Fahs, Rory Jacobson, Andrew Gilbert, Dan Yawitz, Catherine Clark, Jill Capotosto, Colin Cunliff, Brandon McMurty, Uisung Lee, Pathways to Commercial Liftoff: Carbon Management (U.S. Dep't of Energy, 2023),
liftoff.energy.gov/wp-content/uploads/2023/04/20230424-Liftoff-Carbon-Management-vPUB_update.pdf

31. Jean Chemnick, EJ communities are wary as CCS racks up policy wins (E&E News, 2022),
www.eenews.net/articles/ej-communitiesare-wary-as-ccs-racks-up-policy-wins/4

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