Corporate Europe Observatory(CEO) 2021年10月13日
有害物質貿易を止めろ! 情報源:Corporate Europe Observatory, October 13, 2021 Stop the Toxic Trade! https://corporateeurope.org/en/2021/10/stop-toxic-trade 訳:安間 武(化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2021年10月月26日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_21/ 211013_CEO_Stop_the_Toxic_Trade.html 欧州グリーンディール( EU Green Deal) (訳注1)には、有害な農薬の使用を大幅に削減するという大胆な約束が含まれている。しかし、バイエル、BASF、シンジェンタ、コルテバなどの大手農薬企業は、これらのイニシアチブに対抗するために懸命に活動している。彼らはまた、ヨーロッパでは使用が禁止されている農薬を生産し、他の国に輸出し続けたいと考えている。このビデオは、有害な農薬、国際貿易、そしてこれらの EU Green Deal の約束の物語である。 欧州連合で禁止されている有害農薬は、現在も欧州連合で生産されており、世界の他の地域に輸出されている。たとえば、バイエルはドイツでシフルトリンを生産し、それをコロンビアに輸出している。 PAN-Europe の報告によると、シフルトリンの残留物は食品中に見いだされている。ベルギーから、BASFはフィプロニルを輸出し、バイエルとコルテバはアセトクロルを輸出している。 欧州委員会は、化学物質に関する新しい戦略において、この不道徳な慣行を阻止することを約束した。 2022年前半に EU 議長国となるフランスには、国内で禁止されている農薬を輸出することを間もなく禁止する法律がある。非政府組織(NGOs)と欧州議会議員(MEPs)は、欧州委員会がその約束を弱めたり後退させたりしないこと、そして今この有害な取引を禁止することを要求している。 しかし、EUで禁止されているこれらの農薬の残留物は、EUに輸入される農産物中に存在することがまだ許されている場合がある。このように、これらの禁止された農薬は、私たちが食べている食品中に残留物としてブーメランのように戻ってくる可能性がある。ブリュッセルの農薬ロビイストは、欧州委員会が EU に輸入された農産物に有害な農薬(EUで禁止されている)の残留をもはや不許可にしなければならなかった計画を覆すことに成功した。欧州グリーンディールと欧州”農場から食卓まで(Farm to Fork)”戦略(訳注2)の一環として、欧州委員会は”グリーン外交(green diplomacy)(訳注3)”を約束し、他の国々と協力して、これらの非常に危険な農薬の使用を許可しないようにした。農薬ロビーグループのクロップライフ・ヨーロッパ(Croplife Europe)は、米国などの政府とともに、これらの試みに反対している。 EU-メルコスール(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ)(訳注4)や CETA(EU-カナダ)(訳注5)のような国際自由貿易協定は、農薬企業と EU 貿易パートナーが EU のグリーンディールの野心と EU の予防原則を弱体化させるためのもうひとつの手段である。 EU-メルコスールは、貿易相手国間の有害化学物質の貿易の基盤を支援し、提供し続ける。 CETAでは、環境、公衆の健康、及びその他の基本的権利を保護するための措置が貿易障壁と見なされる。カナダは、EU で禁止されている残留農薬を含む製品の例外を認める特別協定の交渉を試みる可能性がある。 このフードウォッチ(訳注:ヨーロッパの 非営利のキャンペーン組織 foodwatch)請願書に署名することにより、CETAおよびEU-MERCOSURに対して行動を起こすことができる。 私たちはEUに次のことを求めている。
訳注1:欧州グリーンディール
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