インクワイアラー2007年9月27日
フィリピン・バナナ栽培者 農薬散布禁止令に対抗して 農園を移転すると脅す 情報源:INQUIRER.net, September 27, 2007 Banana growers threaten to move plantations amid spray ban By Judy Quiros Mindanao Bureau http://newsinfo.inquirer.net/breakingnews/regions/view_article.php?article_id=91086 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2007年9月29日 【ダバオ市フィリピン】当地のバナナ栽培会社は、もし市政府の農薬空中散布禁止令に反対する戦いに負ければ、農場をミンダナオ島の他の場所に移転すると示唆した。 先週、第17地方裁判所レナト・フェンテス判事は、フィリピン・バナナ栽培者・輸出者協会(PBGEA)が憲法違反であり、ビジネスに悪影響を与えると主張して禁止の撤回を求めた訴えを破毀した。 この禁止令は、バナナ農園の周辺に住む人々の健康に悪影響を及ぼすこと確認した一連の調査の後に3月に市議会によって採択されたものである。 住民の健康悪化は、ドール・スタンフィルコ社、デルモンテ社、ローレンゾ・ファミリー・オウンド・ラパンディ・フーズ社などの多国籍企業を含むフィリピン・バナナ栽培者・輸出者協会(PBGEA)による広範な農薬空中散布の使用のせいであるとされた。 条例に署名した後、ロドリゴ・ドゥテルテ市長は6月までに同条例に従うようバナナ会社に伝えたが、PBGEAは、市条例は無効であると訴えていた。 9月22日、フェンテス判事は、PBGEA側の専門家ですら空中散布に使用されている化学物質は人に有害であるであると告白したと述べ、同市条例を支持した。 ”我々は裁判の決定を尊重し、市政府と争うつもりはないが、この判決で我々のビジネスと投資が脅かされるので、あらゆる対策をとり、決してあきらめないであろとう”とPBGE代表のステファン・アンティグは述べた。 フィリピン・デーリー・インクワイアラー紙は、 PBGEAが水曜日にすでにフェンテス判事に再審を申し立てたことを確認した。 アンティグ代表は、もし全ての法的対処がかなわなければ、彼らの最終的な選択は移転であると述べた。 アンティグは、空中散布は Mycosphaerella fijiensis という菌類が引き起こすシガトカ(sigatoka)というバナナの葉の病害の流行を防ぐ最もコスト効果の高い方法であると述べた。 しかしロドリゴ・ドゥテルテ市長は市政府は常に何にもまして公衆の利益を優先すると述べた。 ”それは取引ではない。私は妥協しない。どうして空中散布について妥協することができようか?農薬? 殺菌剤?”と彼は水曜日の夕方、記者らに述べた。インクワイアラー・ミンダナオ、ジョセル・バディラ記者の報告。 |